生活保護の入居者
ファミリーエージェントの永瀬です。
生活保護の受給者数は、H26年に過去最高記録をし、近年は多少の減少をしておりますが、受給世帯数で見てみるとH28年度に過去最高記録をし、その数は増加傾向にあります。
貸家着工戸数が増加する一方で、首都圏でも空室率が20%~30%台と高まっており、賃貸経営においても、生活保護受給者の受け入れを考えているオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。
オーナーチェンジでの賃貸物件の取得であれば、入居者に生活保護の方が入居している物件も少なくありません。中には入居者の半数以上が生活保護受給者という物件も実際に存在し驚かれる投資家の方もいらっしゃいます。
生活保護受給者の入居については何かトラブルが発生しないか、家賃滞納は大丈夫だろうかと考えられる方が多いようです。賃貸経営として考えますと家賃が振り込まれない家賃滞納が一番のリスクと言えます。
生活保護の方の家賃滞納などのトラブルを未然に防ぐ方法として、住宅扶助(家賃)を代理納付(自動入金)にすることで家賃滞納の心配が無くなります。
役所から管理会社やオーナーへの自動入金の為、すべての生活保護の方が代理納付になっていればいいのですが、現状の代理納付の進捗は公営と民間合わせて22%(H28年度)にとどまっているようなので、まだまだ代理納付の制度が活用させていないと言えます。
新規での受け入れについては代理納付を条件にすれば問題ないですが、気を付けるのはオーナーチェンジの場合です。役所から管理会社やオーナーに代理納付で支払いさせていれば変更の手続きを行えば問題ありません。代理納付ではなく、入居者からオーナーに支払われている場合に事前に支払い状況を確認することは重要です。ただし、生活保護以外の収入(給料、年金、手当など)があると、その金額次第では家賃を直接送金できない場合がある為、必ずすべてが代理納付に変更できると限らないことにも注意が必要です。
住宅扶助(家賃)の代理納付制度には
・入居者自身に生活保護を申請する意思が必要。
・家賃はその自治体の基準額以内であること。
・部屋の広さは15㎡以上あること。
生活保護受給者で代理納付であれば、家賃滞納リスクが無く、長期入居につながる可能性があり、空室率や原状回復費用が抑えれるというメリットがありますが、孤独死や夜逃げなどのリスクは伴う為、孤独死保険等への加入は必要だと考えます。