エレベーター(フルメンテナンス・POG)
ファミリーエージェント三上です。
当社ではメインで中古アパートを取り扱っておりますが
少し大きめのRCマンションの取り扱いもございます。
中古アパートとRCマンションの違いの一つが設備のランニングコストの差です。
中古アパートには無くてRCマンションにはあるものの中で
本日はエレベーターに関して記載します。
当然エレベーターの無いマンションもありますが、エレベーターがあった場合保守管理費等で毎月ランニングコストがかかります。
よく、エレベーターの保守費が高いという話は聞きますが
具体的にはどの程度の費用が掛かるのでしょうか?
エレベーターの保守管理には
「フルメンテナンス契約」と
「POG契約」という二つの契約がございます。
ざっくり説明すると
フルメンテナンス契約(FM契約)
フルメンテナンス契約とは、経年劣化した機械部品・電気部品の取替修理、消耗品の交換およびエレベーターを定期的に点検・清掃・給油・ 調整を行う契約です。
ただし、昇降かご、敷居、扉、巻上機、電動機、駆動機などの取替・修理などは、契約書で有償とされているものがあります。
POG契約(パーツ・オイル・グリス・メンテナンス契約)
POG契約とは、一部の消耗品(ランプ・ウエス等)の交換や自動給油器オイル・グリスの補給およびエレベーターを定期的に点検・清掃・ 給油・調整を行う契約です。
当然、POG契約よりもフルメンテナンス契約の方が毎月のランニングコストは高額になります。
マンションの階数により異なりますが、先日当社で取り扱ったマンションの場合
【 川口Aマンション 】
速度 :60m/min
停止 :1F~5F(5Stops)
制御 :交流インバーター制御
号機 :1号機 ロープ式
用途 :乗用エレベーター
積載 :450kg
フルメンテナンス :月額5万円
POG :月額2万円
でした。
POGの場合は階数の違いはあるにせよ、然程金額のブレはありませんが、フルメンテナンスの場合、金額は大きく変わります。
上記のような5階建てのマンションのエレベーターでも月額8万円・9万円を超える契約の場合もあれば月額3万円ほどで行える場合もございます。
フルメンテナンス契約の場合、なぜそこまで金額の乖離があるのか・・・
エレベーターの保守管理を専門で行っている大手の担当に確認してみたところ
金額に大きな差が出てしまう多くの場合は、マンション新築時のオーナーとエレベーター設置会社(メーカー)との契約の内容の違いあるようで
マンションを建設するオーナーがエレベーターを導入する際は当然1,000万円など通常高額な費用が掛かります。
高額ゆえに別メーカーでも見積りをとり、どこのメーカーのエレベーターを設置するか検討するわけですが
そこでメーカーの営業マンが契約を取りたいが為に大幅に価格を下げて、オーナー様と契約することも良くあるようです。
そこで毎月のランニングコストの違いが出てきます。
大幅に価格交渉に応じたメーカーもこのままでは赤字になる為、その後の保守管理費を割高にし不足分を回収していくケースがあるようです。
このような経緯がある場合、エレベーターの保守管理コストを確認すると、「ランニングコストが高額!」なんて物件にあたってしまう可能性がございます。
また、メーカーの保守管理から、別会社にフルメンテナンス契約を切り替える場合にも注意点がございます。
上図のように、古い製造時期のエレベーターの場合、部品の製造を終了しているものもございます。
メーカーには在庫があるが、それ以外の会社には在庫がなく、そもそもフルメンテナンス契約自体を引き継げないと言われてしまうことになります。
その場合はそのまま契約を継続するか、新たにエレベーターのリニューアル工事を実施しなければならなくなり
費用が500万円~800万円など高額となってしまうようです。
であれば、POG契約に変更するという選択肢もございますが
修繕項目の大きなところで言うと、5年~8年で「バッテリー交換20万円」や15年~20年で「ロープの交換40万円」など
突発的な大きな出費をしなければいけないケースや軽微な修繕で細かく費用が取られてしまう為、古いエレベーターの場合は
フルメンテナンス契約を継続するほうが良い場合が多いでしょう。
エレベーター付きのマンションを契約する場合にはそのような点の確認も必須ですね。