一法人一銀行スキームの実態について
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
ファミリーエージェントの堀内です。
数年前からよく耳にすることの多くなった「一法人一銀行スキーム(一法人一物件スキーム)」と呼ばれてる手法ですが、
ご存知でしょうか?
実際にやられているお客様も一定数いるようで、当然やっている方は方法等は理解されていると思いますが、
結論から言うと「テクニック」等という物ではなく「偽計業務妨害罪」という「犯罪行為」です。
まずご存じない方の為に手口を解説すると、
法人税率の関係で法人をいくつかに分けるといったものではなく、下記のような手順を踏み
銀行を騙すために法人を分ける手口を言います。
・銀行法人を複数作る
・法人毎に利用する銀行を変えて購入する。
・別々の法人は別の人格の為、代表者が一緒でも銀行の借り入れが見えない
・借り入れのない状態に見せる事で債務超過を隠し継続的に物件購入を繰り返す
といった方法が大まかな流れです。
一般的な感覚を持っていれば上記の内容を見ただけで犯罪行為かどうかは別としても
モラル的にやってはいけない行為とわかりそうなものですが、
提案してくる不動産屋の巧妙な口車に乗せられ、目先の利益に目が眩み手を出している方も多いのが実情です。
実際にやっている方に話を聞くと大抵
「銀行に聞かれなかったから言わなかっただけ」
「言わなかっただけなのだから犯罪ではないし、リスクがない」
「仮に犯罪だとしてもバレっこない」
といった回答が返ってきます。
確かに犯罪としての立証は難しいですが、先にも記載した通り「偽計業務妨害罪」という犯罪行為です。
偽計業務妨害罪とは
虚偽の風説を流布し,または偽計を用いて人の業務を妨害する罪 (刑法 233) 。
流布とは,犯人自身が公然と文書,口頭で伝達するほか,口伝えに噂として流す行為も含む。
偽計とは人を欺罔,誘惑し,あるいは人の錯誤,不知を利用する違法な手段をいう。
とあります。
「一法人一銀行スキーム」でいえば、
銀行の錯誤・不知を利用し、銀行の業務を妨害し利益を毀損する行為です。
立証が難しく刑事罰に発展しなかったとしても、
実際に虚偽の申告として融資の一括弁済を求められたケースは実際に既に起きています。
上記の手口を進めてくる業者は、当然ですがここまで説明しません。
「言わないだけで、嘘はついていないので問題ない」
「銀行の担当者もグルだ」
「みんなやっています」
などと言葉巧みに勧誘してくるわけですが、
リスクを背負うのは業者ではなくお客様です。
手口をご存知のなかった方は、進めてくる業者に対しての警戒を強めることをお薦めします。
本日は最後までお読みいただき誠にありがとうございました。