不動産投資に宅建(宅地建物取引士)は役立つ?取得するメリットとは
目次
宅建(宅地建物取引士)は不動産業界でメジャーな資格のひとつです。宅建の試験勉強では専門的な知識が身につくため不動産投資に向けて資格の取得を検討する方は珍しくありません。しかし不動産投資を始めるのに宅建は必要なのでしょうか。
本記事では「不動産投資における宅建の必要性」や「役立つシーン」、「取得に向けた取り組みで得られるメリット」を解説します。不動産投資に資格が必要であるか知りたい方や宅建の活用方法を把握したい方は本記事を参考にしてみてください。
宅建(宅地建物取引士)の概要
宅建(宅地建物取引士)を取得するメリットを知るためには、まずは宅建について理解することが大切です。そもそも宅建とはどういった資格なのかを理解し、不動産投資への必要性を判断しましょう。そこで宅建の概要を次の項目で解説します。
宅建とは
宅建とは「宅地建物取引士」の略称であり、不動産取引の専門家であることを示す国家資格です。宅建の資格を取得した人を「宅建士」と呼びます。不動産取引では宅建士にしかできない独占業務があるため、有資格者は不動産業界において重宝される存在です。
宅建士のみが行える独占業務は以下の3つです。
- 重要事項の説明
- 35条書面(重要事項説明書)への記名
- 37条書面(宅地建物取引業者が不動産取引に関与した際に交付する書面)への記名
独占業務をしない方にとって宅建士になる直接的なメリットはありませんが、不動産投資の知識を身につけるために資格の取得を検討する方は多い傾向にあります。
宅建を取得する方法
宅建を取得するには年1回実施される宅地建物取引士資格試験に合格する必要があります。受験資格は定められていないため学生や会社員、主婦など幅広い層の方が受験可能です。
また、試験はマークシート形式の学科試験のみであるため勉強しやすいといえます。宅建の合格率は例年15%前後であり、独学での合格も目指せる資格です。
試験合格後の登録は任意であるため、宅建士として従事しない場合は登録は必要ありません。宅建士として従事する場合は登録が必須となります。宅建士として登録を受けるには2年以上の実務経験もしくは登録実務講習の受講が求められます。なお宅建試験合格から1年以上経過した後に宅建士証の交付を受ける場合、別途法定講習の受講が必要です。
不動産投資に宅建は必要ない
宅建は不動産取引の実務をするうえで重要な資格ですが、家賃収入を目的とする不動産投資とは直接的な関わりが少ないため資格を取得する必要性はありません。宅建は土地・建物の売買や賃貸物件・売買物件の仲介・代理などの不動産取引に詳しくなりますが、不動産投資に必要な経営や資金繰りの知識を深く学べるわけではありません。
また、完全にゼロから宅建を取得しようとすると200〜300時間程度の勉強時間を確保する必要があります。宅建の勉強は不動産投資に直接かかわることが少ないため勉強時間や資格取得のコストが無駄になる可能性があります。
さらに「宅建を取得した後に不動産投資を始める」と決めている場合、勉強期間中は優良物件購入の機会損失になる恐れもあるため慎重な判断が大切です。不動産市況は日々変化しているため資格取得に重きを置いて購入のタイミングを逃してしまわないよう注意が必要です。
宅建を取得するメリット
不動産投資において宅建を取得する必要はありませんが、宅建士になることで得られるメリットがあります。宅建を取得するメリットは以下の通りです。
- 法規制に関する知識を深められる
- 重要事項説明書の内容をより深く理解できる
宅建を取得する2つのメリットを次の項目で詳しく解説します。
法規制に関する知識を深められる
宅建を取得すると権利や法令上の制限、税金に関する知識を深められるため不動産の選び方や契約内容の精査に役立ちます。
- 権利関係
オーナーとして賃借人に不動産を貸す際の注意点などを学ぶことができます。
- 民法や借地借家法、区分所有法、不動産登記法
- 抵当権
- 地上権
- 瑕疵担保責任
- 定期借地権
- 法令上の制限
建物がどのような用途地域にあり、どのような制限を受けるかなど物件を検討する際の材料となる内容を学ぶことができます。
- 都市計画法
- 建築基準法
- 土地区画整理法
- 農地法
- 国土利用計画法
- 宅地造成法
- 税金面
税金の計算や不動産評価、土地や建物に関する知識、統計情報等を学ぶことができます。
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 贈与税
宅建の取得に向けた学習で複雑な法令等を理解できれば物件選びや運営、契約内容の精査に役立つため、物件の目利き力が身につき効率的な投資につながる可能性もあります。
重要事項説明書の内容をより深く理解できる
重要事項の説明は宅建士における独占業務のひとつです。資格を取得するとさまざまな知識が身につくため、不動産取引において重要な内容が記載されている「重要事項説明書」の理解度が上がります。
重要事項説明書のなかには物件の内容や取引条件、法令上の制限など不動産に関する重要な内容が記載されていますが、専門的な内容が多いため一般の方がすべてを理解するのは難しいです。
しかし、宅建を取得しておけば、不利な取引条件など交渉の余地がある事項を見つけることが可能です。不動産取引では難しく複雑な内容もあり一定水準の知識が求められるため、宅建は非常に役立ちます。
不動産投資では「パートナー選び」の方が重要
不動産投資においては宅建の取得よりも信頼できる「パートナー選び」が重要です。ここでいうパートナーとは不動産会社を指します。不動産投資では物件選びや融資、管理、経理などさまざまな業務を行う必要がありますが、自分ひとりですべてを担うのは現実的ではありません。
信頼できる不動産会社を選び、豊富な知識と経験から手厚いサポートを受けると投資効率を上げることにつながります。
そこで信頼できる不動産会社の特徴を説明します。
信頼できるパートナーの特徴
- 収益不動産の取引実績が豊富である
- 物件や設備、周辺環境への理解が深い
- 金融機関との取引実績が豊富である
- 税務知識が豊富である
- 賃貸管理などのサポートが用意されている
取引実績は不動産会社のホームページを見たり、実際に質問したりすることで確認できます。投資を検討しているエリアの実績が豊富な不動産会社に依頼すると、適切なアドバイスを受けられるうえ入居者の募集などもスムーズに行えます。
また、不動産投資ではいかに条件の良いローンを組めるかが重要です。金融機関との取引実績が豊富な不動産会社に依頼すると、有利な条件で融資を受けられる可能性があります。
まとめ
宅建を取得するとさまざまな知識が身につくため不動産投資で活用できる機会は数多くあります。しかし資格取得の勉強時間を確保しなければならず、結果として投資を始めるのが遅くなり、機会損失につながる恐れがあるのも事実です。
宅建で学んだすべてが不動産投資で役立つわけではありません。まずは実績が豊富な不動産会社に、不動産投資の相談をしてみましょう。
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