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不動産投資の基礎知識

大阪の再開発と不動産投資のチャンス:主要プロジェクトと市場動向


目次

    進行中の大規模な再開発や新たに計画されている鉄道路線、大阪・関西万博の開幕といった動きを背景に、観光やインバウンド需要への期待が高まっています。こうした流れを受け、大阪は国内外の投資家から注目されており、不動産投資市場でも存在感を高めています。

    利便性の向上に加え、都市としての魅力や競争力が強まることで、大阪経済はさらに活性化する見通しです。その結果、賃貸ニーズの増加や地価の上昇につながる可能性もあるでしょう。

    本記事では、不動産投資の視点から大阪の再開発プロジェクトを取り上げ、今後の展望について解説します。

    大阪駅周辺の再開発

    大阪駅上空から空撮した都市の全貌

    「大阪」というと多くの人がイメージするのは新幹線停車駅の「新大阪」ではなく、大阪・梅田駅周辺エリアではないでしょうか。

    元々商業で栄えており賑わいを見せる主要エリアですが、JR大阪駅周辺の一等地を中心に交通・商業双方で進められてきた大規模な再開発プロジェクトが全貌を表し始めています。

    まずは大阪エリアの中心となるJR大阪駅周辺の動きについて見ていきましょう。

    うめきた2期開発(2024年一部開業)

    大阪市内の主要エリアは、大きく「ミナミ」と「キタ」に分けられます。「ミナミ」は難波駅や道頓堀周辺を中心とするエリアで、多くの観光客でにぎわいます。一方の「キタ」は、大阪駅や梅田駅を中心としたビジネス街として知られデパートや複合施設なども多くあります。

    その「キタ」エリア、特にJR大阪駅の北側で進められているのが、大規模再開発プロジェクト「うめきた2期」です。

    この計画では、旧梅田貨物駅跡地・約24ヘクタールの広大な敷地を再開発。大阪・関西の成長を牽引し、国際競争力を高める知的創造都市の中核を目指しています。

    2024年秋には、大阪・関西万博に先立って、再開発の目玉となる「グラングリーン大阪」が一部開業しました。商業施設やオフィス、ホテル、都市公園などが整備されており、なかでも大阪駅に直結する約4.5ヘクタールの「うめきた公園」は、新たな名所として注目を集めています。

    さらに、関西最大級のオフィス空間を誇る「パークタワー」や、サステナビリティに配慮した次世代型ワークスペース「ゲートタワー」などのオフィスビルも竣工しました。2027年度の全体まちびらきを目指し、現在、開発はいよいよ終盤に差しかかっています。

    交通インフラの強化とオフィス・住宅市場の変化

    うめきた2期プロジェクトと連動するかたちで、交通インフラの強化も進められています。

    JR大阪駅では、2023年3月に新しい地下ホーム(21〜24番線)の運用が始まりました。この新ホームには、京都方面と関西国際空港・和歌山方面を結ぶ特急「はるか」「くろしお」や、大阪東部と奈良方面を結ぶ「おおさか東線」が乗り入れています。これにより、市内はもちろん、市外や府外へのアクセス環境が大きく向上しました。

    さらに、2024年7月にはJR大阪駅の真上に、オフィスと約50店舗の飲食店などを備えた複合ビル「イノゲート大阪」が開業しました。大阪駅周辺では、こうした高機能な複合ビルの供給が続いており、グラングリーン大阪に開設されたMICE施設「JAM BASE」とあわせて、交通利便性の高いビジネス街としての機能がいっそう充実しています。

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    なにわ筋線の開通と周辺エリアの変化

    再開発工事と合わせて進む2031年開業予定のなにわ筋線の工事風景

    JR大阪駅周辺以外にも、大阪・関西万博会場の最寄り駅「夢洲」駅への大阪メトロ中央線の延伸をはじめとした複数の鉄道新線・延伸プロジェクトが進められてきました。そのなかで注目されているのが、2031年開業予定の「なにわ筋線」です。

    2031年開業予定の新路線

    なにわ筋線は大阪の北の玄関口である大阪駅と南の主要ターミナルであるJR難波駅および南海本線の新今宮駅を結ぶ約7.2kmの新たな鉄道路線です。大阪府、大阪市、JR西日本、南海電気鉄道、阪急電鉄の5者で合意し、総事業費約3,300億円をかけて2031年の開通を目指し工事が進められています。

    大阪市の中心部を通る「なにわ筋」という主要道路に沿って建設されるなにわ筋線は、大阪駅とJR難波・新今宮駅の間に中之島駅、西本町駅、南海新難波駅の3駅が新たに設置される予定です。

    なにわ筋線の開通により、大阪の主要ビジネス・商業エリアを南北につなぐ新たな交通軸が形成されます。

    梅田・なんば・新大阪エリアの交通利便性向上

    なにわ筋線のほかにも、大阪市内を南北に結ぶ路線として、大阪メトロ御堂筋線や四つ橋線があります。

    こうした既存路線に加え、なにわ筋線が開業することで、南北方向の乗客が分散し、混雑の緩和が期待されます。また、大阪駅(うめきたエリア)から難波方面、さらに再開発が進む中之島エリアへのアクセス時間も短縮される見通しです。

    とりわけ、なにわ筋線の大きな特徴は空港アクセスの利便性が高まる点にあります。

    開業後は、大阪・梅田と関西国際空港を結ぶ所要時間が、JR利用で44分、南海線では乗り換えなしで45分となり、現行より10〜20分程度短縮される予定です。

    市内中心部と新幹線停車駅、そして空港を直結するなにわ筋線の整備は、2037年のリニア中央新幹線開業を見据えた都市交通網の強化として位置づけられています。これにより、大阪の都市としての競争力も一段と高まると見られています。

    周辺の不動産価値へ影響

    なにわ筋線の開通は大阪エリアの不動産価値に大きなプラスの影響を与えると考えられます。

    理由としてまず挙げられるのが、オフィスや商業施設の供給増加に伴う賃貸需要の増加です。特に大阪・梅田エリアへの通勤アクセスが改善される難波・新今宮駅周辺~南海本線沿線の大阪南部エリアや現状鉄道網の末端に位置する中之島駅周辺のエリアでは、賃貸需要の伸びが顕著になる可能性があるでしょう。

    また、都市としての利便性に加えて魅力やブランド力が強化されれば地価の上昇にも期待できます。地価の上昇で物件価値が上がれば担保価値が高まり、金融機関の融資が受けやすくなることで資金調達の面でも有利になります。こうした条件が整えば、売却時のキャピタルゲインや家賃収入の安定性が見込め、新規に投資を始める際の心理的・資金的な負担も軽減され、不動産投資への参入ハードルも下がるかもしれません。

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    万博・IR(統合型リゾート)がもたらす大阪の経済発展

    2025年4月から10月までの約半年間、大阪・関西万博が夢洲で開催されます。来場者は約2,820万人と見込まれており、経済波及効果は約2.9兆円にのぼると試算されています。

    さらに2030年秋ごろには、同じく夢洲エリアでカジノを含む統合型リゾート「大阪IR」の開業が予定されています。万博を契機に、観光産業の長期的な成長を支えるプロジェクトとして注目が集まっています。

    こうした動きは、不動産投資市場にも好影響をもたらすと見られています。万博やIRの開業を見据え、夢洲周辺ではホテルや商業施設に対する需要が高まりつつあります。

    将来的には、ビジネス・商業施設が集まるコスモスクエアから夢洲、さらにUSJまでを結ぶ広域的な交通ネットワークの構築も構想されています。このルートにより、京都に訪れる外国人観光客を大阪ベイエリアへと誘導する動きが進み、大阪経済の発展に寄与することが期待されています。

    その他の再開発エリア

    難波橋(ライオン橋)から見る中之島エリアの景観

    都市の魅力向上と国際競争力強化を目指す大阪市では、大阪駅エリアや夢洲エリア以外にも大阪の各所で再開発プロジェクトが行われており、新たな商業施設や住居、文化施設の建設が相次いでいます。

    次に、不動産投資において注目したいその他の再開発エリアについて解説します。

    中之島エリア

    中之島エリアでは、文化や芸術を中心に据えた都市再生プロジェクト「中之島アゴラ構想」にもとづき、再開発が進められています。

    2022年2月には「大阪中之島美術館」が開館し、2024年6月には、医療機関・企業・スタートアップが集まる未来医療の国際拠点「Nakanoshima Qross(中之島クロス)」がオープンしました。

    中之島クロスは、空港からのアクセス性に優れるなにわ筋線の新駅「中之島」駅(仮称)の至近に位置しています。海外からの来訪も見据え、最先端の未来医療を実践・創造・共有する国際的な拠点としての整備が進んでいます。

    こうした産学官の連携による再開発の進展により、中之島エリアでは文化施設のさらなる充実が期待されています。

    難波・天王寺エリア

    2014年に開業した「あべのハルカス」をはじめ、「ミナミ」エリアの再開発は「キタ」エリアに先駆けて進められてきました。 特に注目されるのが、なにわ筋線沿線でもある「ミナミ」の中心地、難波・天王寺エリアです。​

    この繁華街の新たなシンボルとして進められたのが、南海電鉄・南海本線なんば駅前を人々がくつろげる広場に変える「なんば広場」事業です。 かつて車の通行量が多く雑然としていた駅前は、2023年11月23日に「なんば広場」として先行オープンし、2025年3月末には周辺道路の整備も完了しました。 ​

    さらに、なにわ筋線の開通により「キタ」と「ミナミ」間のアクセスが一層向上し、両エリアの一体的な活性化が期待されています。

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    再開発が不動産市場に与える影響

    青空をバックにそびえ立つタワークレーンが設置された高層建築物の建設現場

    うめきた2期をはじめ、大阪市内各地で進行中の再開発プロジェクトに加えて、大阪・関西万博の終了後にはIR(統合型リゾート)や、なにわ筋線の開業も控えています。こうした一連の動きは、大阪の都市としての魅力や国際競争力を高めるだけでなく、将来の不動産市場にも大きな影響を及ぼすと見込まれます。

    最後に、大阪の再開発が不動産市場に与える影響についてさまざまな側面から見ていきましょう。

    地価・賃料の推移とオフィス市場の変化

    再開発エリアでは、高機能な複合オフィスビルの供給によりビジネスエリアとしての魅力が向上し、一般的に地価が上昇する傾向があります。

    大阪市内では、再開発に伴う既存ビルの建て替えなどにより、オフィス物件の空室率が2013年の9.8%から2017年には3.7%、2019年には1.8%まで低下しました。​新型コロナウイルスの影響で一時的に空室率が上昇したものの、その後再び下降傾向となり、2025年4月時点での平均空室率は3.70%と2カ月連続で低下しています。

    ​空室率の低下はオフィス賃料の上昇を通じて不動産の収益性を向上させ、結果として地価上昇につながります。​再開発は大阪の不動産市場全体にプラスの影響を与えているといえます。

    商業施設と住宅市場の発展

    大規模再開発が行われるエリアでは、新たな商業施設やオフィスの整備、企業の進出により人口が増加し、周辺の住宅ニーズが高まる傾向があります。特に、うめきた2期(JR大阪駅)やなにわ筋線沿線など、交通利便性の向上が見込まれる地域では、通勤需要の増加が期待されます。

    なにわ筋線の開通によって、大阪都心部や関西国際空港、和歌山方面へのアクセスが向上するため、大阪市内における住居の選択肢が広がります。それにともない、賃貸需要の高いエリアは、従来のターミナル駅周辺から周辺地域へと広がる可能性があります。

    大阪の利便性や都市としての魅力が高まることにより、府外からの流入も進み、賃貸ニーズの分布が変化すると考えられます。この動きは再開発エリアにとどまらず、大阪市全域の不動産市場を活性化させる要因となるでしょう。

    インバウンド需要と短期賃貸市場の拡大

    日本への訪日外客、いわゆるインバウンド観光客は全体的に増加傾向にあります。特にコロナ禍の反動と円安傾向もあり、2024年に日本を観光で訪れた外国人は約3,687万人にも及びます。

    インバウンド観光客に人気が高い観光地のひとつが大阪です。2019年に大阪を観光で訪れた外国人はインバウンド観光客全体の約39%であり、同じく観光地として人気が高い京都からほど近くショッピングや食事を楽しめる点が大きな魅力となっています。

    インバウンド需要の増加は、長期旅行による短期賃貸市場の活性化やホテルや民泊などの不動産ビジネスのチャンス創出につながります。

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    まとめ

    並べられたさまざまな表やグラフの上に置かれた虫眼鏡とペン

    大阪では、「うめきた2期」をはじめとする複数の大規模再開発プロジェクトが着実に進展し、都市の姿を変えつつあります。

    大阪・関西万博の開幕を皮切りに、IR計画やなにわ筋線の開業も控えており、大阪が目指す「世界に誇る国際競争力の高い魅力ある都市づくり」は今後も続いていくでしょう。再開発を契機とした経済発展が見込まれる大阪エリアは、不動産投資の観点からも引き続き注目です。

    ファミリーアセットコンサルティングは首都圏・関西圏の一棟収益不動産を数多く手掛ける実績のある不動産会社です。大阪エリアの不動産投資に関心をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

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