アパート経営の初期費用はどのくらいかかる?新築と中古でシミュレーション
アパート経営に関心はあるものの、初期費用について「いくら必要なのか」「今の貯蓄で始められるのか」と不安に感じているのではないでしょうか。
アパート経営を始めるには、頭金に加え、仲介手数料や登記費用、不動産取得税、ローン関連費用など、さまざまな初期費用が発生します。さらに、運用開始後は修繕費や税金、空室による収入減への備えも必要です。
この記事では、アパート経営にかかる初期費用の内訳や自己資金の目安、利用できるローンを初心者向けに解説します。費用の全体像を把握すれば、資金不足による失敗を防ぎ、無理のないアパート経営を始められるでしょう。
ファミリーアセットコンサルティングでは、あなたの年収や資金状況にあわせて、初期費用の目安から融資条件、無理のない運用計画まで、最適なシミュレーションを無料でご提案しています。
相談者限定で高利回りの非公開物件もご紹介できるため、より現実的な判断がしやすくなります。アパート経営を安全に始めたいと考えている方は、この機会にぜひ無料投資相談をご利用ください。
目次
アパート経営を始めるために必要な初期費用

アパート経営の初期費用は、頭金と取得時にかかる諸費用です。
不動産投資では、金融機関から融資を受けて物件を取得するケースが一般的ですが、融資だけですべてをまかなえるとは限らず、初期費用として一定額を準備する必要があります。初期費用には頭金だけでなく、登記費用や税金などの諸費用も含まれます。
アパート経営を始める主なケースは、次の3つです。
- 土地を所有しており、新たにアパートを建築するケース
- 土地と建物がセットになった新築アパート(築1年未満・未入居物件)を購入するケース
- 中古アパートをオーナーチェンジ物件として購入し、既存入居者ごと引き継ぐケース
一般的には、頭金と諸費用を合計した初期費用として、物件価格の10〜20%程度を見込むケースが多いです。諸費用は新築(建築・購入)で4〜7%、中古で7〜10%です。残りが頭金の目安ですが、実際の金額は物件価格や融資条件、物件の買主の属性などによって異なります。
たとえば、物件価格5,000万円のアパートを取得する場合、頭金と諸費用を合わせた初期費用は、一般的に約500万〜1,000万円が目安です。
このうち諸費用は、新築アパートの建築・購入で約200万〜350万円、中古アパートの購入で約350万〜500万円を見込んでおくとよいでしょう。
初期費用のうち、登記費用や税金などの諸費用を除いた部分が、頭金です。
ただし、中古アパートは新築に比べて、築年数や建物の状態、物件の担保評価などの影響を受けやすく、金融機関の融資条件が厳しくなる場合があります。そのため、中古アパートのほうが、頭金を多めに求められるケースも少なくありません。
アパートを購入して経営する場合の初期費用

アパート購入時の初期費用は、物件取得にかかる税金や手数料、融資関連費用などが中心です。
現金で用意すべき金額の目安を把握するためにも、まずは購入時に発生する費用の内訳を確認しておきましょう。
アパート購入時に必要となる代表的な初期費用の項目は、次の通りです。
不動産取得税
不動産取得税は、土地や住宅用家屋を取得した場合、固定資産税評価額をもとに計算します。標準税率4%ですが、令和9年3月31日までに取得した土地・住宅については、軽減措置により3%が適用されます(住宅以外の事務所・店舗などは4%)。
計算式は、以下の通りです。
| 土地・住宅用家屋:固定資産税評価額 × 税率(3%)= 税額 |
ただし、令和9年3月31日までに宅地などを取得した場合は、土地の課税標準額が価格の2分の1に軽減されます。
| 宅地など:固定資産税評価額 × 1/2 × 税率3% = 税額 |
新築住宅の場合は、一定の要件を満たすと、建物の固定資産税評価額から1戸あたり最大1,200万円が控除されます。賃貸アパートなどの貸家として使う共同住宅では、1戸あたりの床面積が40㎡以上240㎡以下であることが主な要件です。
控除適用後の計算式は以下の通りです。
| 建物部分:(建物の固定資産税評価額 − 1,200万円)× 3% = 税額 |
固定資産税評価額は、実際の購入価格や建築費ではなく、固定資産評価基準に基づいて評価されます。一般的な目安として、土地は時価の70%程度、建物は50〜60%程度です。
不動産取得税は、不動産取得後に都道府県税事務所から送付される納税通知書をもとに支払います。
印紙税
印紙税は、不動産売買契約書の場合、契約金額に応じて5,000円〜48万円程度かかります。たとえば、アパートの購入価格が5,000万円超〜1億円以下の場合、軽減措置により印紙税は3万円です。
不動産投資では、売買契約書やローン契約時の金銭消費貸借契約書など、紙の契約書を作成する際に印紙税がかかります。
印紙税の税額は、契約書に記載された金額によって変わります。
| 契約金額 | 本則税額 | 軽減税額 |
|---|---|---|
| 500万円超〜 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超〜 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円超〜 5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
| 5億円超〜 10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
| 10億円超〜 50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
| 50億円超 | 60万円 | 48万円 |
印紙税は軽減措置が講じられており、令和9年3月31日までに作成される契約書には、上記の軽減税額が適用されます。
なお、軽減措置の対象は不動産売買契約書に記載された契約金額が10万円を超える場合に限られます。物件の価格帯を考えるとアパートを購入する際は基本的に軽減税額が適用されると考えてよいでしょう。
また、近年は電子契約を利用するケースも増えています。契約書を紙ではなく電子データで締結する場合、印紙税の課税対象になりません。電子契約を活用すれば、契約手続きの効率化だけでなく、初期費用の一部を抑えられる可能性があります。
(参考:国税庁 取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い)
登記費用
アパートを取得する際は、不動産登記に関連する費用が発生します。
登記の種類と主な内容は次の通りです。
| 登記の種類 | 内容 | 登録免許税 |
|---|---|---|
| 所有権移転登記 | 中古アパートや土地を売買で取得する場合 | 固定資産税評価額 × 2% (土地は軽減措置により1.5%) |
| 所有権保存登記 | 新築建物の所有権を初めて登記する場合 | 固定資産税評価額 × 0.4% |
| 建物表題登記 | 新築建物を新たに表示する登記 | 登録免許税なし (※土地家屋調査士報酬 9〜12万円程度) |
| 抵当権設定登記 | 融資を受ける際に金融機関が設定 | 借入額 × 0.4% |
アパートを購入する場合は、主に「所有権移転登記」と「抵当権設定登記」、土地を取得して新築する場合にはこれに加えて「建物表題登記」や「所有権保存登記」が必要です。
なお、登記手続きは内容によって依頼先が異なります。
- 所有権移転登記・所有権保存登記・抵当権設定登記
→ 司法書士へ依頼するのが一般的です。所有権移転登記と抵当権設定登記をあわせて、8万〜15万円程度が目安です(物件価格や依頼先により異なります)。
- 建物表題登記
→ 土地家屋調査士へ依頼します。報酬の相場は9万〜12万円程度です。
土地家屋調査士は、不動産会社や金融機関が専門家を手配するケースが多く、購入者が個別に探す場面は多くありません。
司法書士や土地家屋調査士に支払う報酬は、不動産所得の経費に算入できます。領収書は必ず保管しておきましょう。
不動産登記の費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
融資事務手数料
融資事務手数料は、不動産投資ローンを組む際に金融機関に支払う事務手数料です。手数料は金融機関により異なり、定額型と定率型の2パターンがあります。
- 定額型:3万円〜10万円程度
- 定率型:借入金額に対して一定の割合(通常1〜3%+税)
定率型の場合は、借入額が大きいほど手数料も高額になるため、融資条件を確認する際は総額を事前に把握しておくことが大切です。
損害保険料
火災保険や地震保険に加入する場合、保険料も初期費用に含まれます。保険への加入は義務ではありませんが、リスク対策として重要です。また、ローンを組む際に火災保険の加入が義務付けられることもあります。
火災保険は、火災だけでなく以下のような災害も補償対象です。
- 破裂、爆発
- 落雷
- 風災、雹災(ひょうさい:大粒の雹(ひょう)による損害)、雪災
- 水災
- 水濡れ
- 外部からの飛来、落下、衝突
- 騒擾(そうじょう:騒いで秩序を乱すこと)や集団行為などに伴う暴力行為
- 盗難
ただし、地震による災害は対象外のため、地震保険は火災保険に付帯して加入し、地震に伴う火災や建物損壊などに備える必要があります。
保険料は保険期間や物件の構造により異なります。
仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼してアパートを取得した場合は、仲介手数料が発生します。物件の引き渡し時に全額払う、もしくは売買契約成立時と物件の引き渡し時の2回に分けて支払うことが一般的です。
仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法によって以下のように定められています。
| 取引価格(税抜) | 計算式 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 物件価格×5%+消費税 |
| 200万円〜 400万円以下の部分 | 物件価格×4%+消費税 |
| 400万円超の部分 | 物件価格×3%+消費税 |
ただし、上記の計算式は複雑なため、400万円を超える物件については、以下の速算式で計算するのが一般的です。
| 【速算式】 仲介手数料の上限=(物件価格×3%+6万円)+消費税 |
たとえば、5,000万円(税抜)の不動産を購入した場合、速算式に当てはめると171万6,000円です。
| 5,000万円(税抜)×3%+6万円+(消費税10%)=171万6,000円 |
アパートを新築して経営する場合の建築費用

アパートを新築して賃貸経営を始める場合、すでに土地を所有しているケースでは、建物部分に対してのみ、前述の購入時と同様に税金や融資関連費用などの諸費用が発生します。
さらに新築では、建築工事に関する費用が初期費用の大きな割合を占めます。
新築アパート経営で必要となる初期費用について押さえておくべき項目は、以下の3つです。
本体工事費
本体工事費は、建築費全体の7〜8割を占める、もっとも大きな費用です。
主に、仮設工事、土木工事、基礎工事、外装・内装工事など、建物本体を完成させるまでの工事費用が含まれます。
本体工事費は、立地条件や建物のグレード、建築資材などによって変動します。ただし、初期費用を抑えるために安価な資材を使い過ぎると、建物が傷みやすくなり、将来的な修繕費や維持費がかさむおそれがあります。
別途工事費
別途工事費は、本体工事費の2割程度が目安です。設備や地盤に関する工事費用が中心です。
代表的な工事内容は以下の通りです。
- 地盤改良工事
- 外壁工事
- 整地工事
- 外構工事
- ガス管や水道管の設置工事
- 電気や空調設備の取り付け工事
上下水道やガス管の引き込み距離が長い場合や、地盤改良に手間がかかる場合は、別途工事費が増える傾向があります。また、古い建物を解体して新築する場合は、解体費用も別途必要です。
別途工事費を見落とすと、想定より初期費用が膨らむ恐れがあります。事業計画を立てる際は、本体工事費だけでなく、別途工事費も含めて資金計画を立てましょう。
アパート建築の坪単価の相場
アパートの建築費用は規模や工法、建築する場所の法令によって異なりますが、坪単価の相場はおおむね以下の通りです。
| 木造アパート | 1坪当たり 73万円程度 |
|---|---|
| 鉄骨造アパート | 1坪当たり 103万円程度 |
(参考:政府統計の総合窓口(e-Stat) 建築着工統計調査 住宅着工統計 2025年次 第34表)
木造アパートは鉄骨造アパートと比較すると低コストで建築できます。一方、法定耐用年数は木造アパート22年、鉄骨造アパート(骨格材肉厚4mm超)34年であるため、鉄骨造アパートのほうが長期にわたって資産価値を維持しやすいでしょう。
また、建設するアパートの階数によっても単価が異なり、階数が上がると建築費も上がります。初期費用を安く抑えたいときは木造の低層アパート、効率的な集客や長期経営を目指すなら鉄骨造の高層アパートが望ましいといえます。
すでに土地をおもちの方、もしくは土地から購入して新築でアパート経営を始めようと考えている方は、Family Corporation建築ソリューション事業部までご相談ください。
アパート経営の初期費用をシミュレーション

アパート経営の初期費用は、物件価格や建築費、借入額、諸費用の内容によって異なります。
ここでは、土地を購入して新築アパートを建てる場合と、中古アパートを購入する場合に分けて、初期費用の目安をシミュレーションします。
| 【土地を購入して新築アパートを建てる前提条件】 土地購入費:2,320万円 建物:木造アパート2階建て(49㎡×4戸) :建物建築費4,380万円(※本体工事費・別途工事費を含む概算) 総事業費:6,700万円 借入:5,800万円 土地面積:200㎡ 建築坪単価:73万円 延床面積:60坪 土地の固定資産税評価額:1,600万円 建物の固定資産税評価額:2,190万円 |
| 【中古アパートを購入する前提条件】 物件価格:5,820万円 借入:4,600万円 土地の固定資産税評価額:1,600万円 建物の固定資産税評価額:1,300万円 |
| 種類 | 新築アパート | 中古アパート |
|---|---|---|
| 自己資金 | 900万円 (総事業費6,700万円−借入5,800万円) | 1,220万円 (物件価格5,820万円−借入4,600万円) |
| 不動産取得税 | 0円 (建物部分:1棟あたりの評価額2,190万円 ÷ 4戸 = 547万5,000円 1戸あたりの課税標準547万5,000円 − 1,200万円(控除)= 0円 土地部分: 軽減前の税額: 1,600万円 × 1/2 × 3% = 24万円 土地1㎡あたりの価格: 1,600万円 × 1/2 ÷ 200㎡ = 4万円 住宅の床面積の2倍: 49㎡ × 2 × 4戸 = 392㎡ ※1戸あたり49㎡×2=98㎡のため、1戸あたり200㎡の上限にはかかりません。 軽減額: 4万円 × 392㎡ × 3% = 47万400円 軽減後の税額: 24万円 − 47万400円 = 0円 ※軽減額が軽減前の税額を上回るため) | 63万円 (土地部分:1,600万円 × 1/2 × 3% = 24万円 建物部分:1,300万円 × 3% = 39万円 合計:24万円+39万円=63万円) |
| 印紙税 | 8万円 (土地売買契約書1万円+建築工事請負契約書1万円+金銭消費貸借契約書6万円 ※金銭消費貸借契約を電子契約で締結する場合、印紙税はかかりません) | 5万円 (不動産売買契約書3万円+金銭消費貸借契約書2万円 ※金銭消費貸借契約を電子契約で締結する場合、印紙税はかかりません) |
| 建物表題登記 | 登録免許税なし | - |
| 所有権保存登記 | 8万7,600円 (2,190万×0.4%) | - |
| 所有権移転登記 | 24万円 (土地の固定資産税評価額1,600万円 × 1.5%) | 50万円 (土地部分:1,600万円 × 1.5% = 24万円 建物部分:1,300万円 × 2% = 26万円 合計:24万円+26万円=50万円) |
| 抵当権設定登記 | 23万2,000円 (5,800万円×0.4%) | 18万4,000円 (4,600万円×0.4%) |
| 融資事務手数料 | 約6万円 (※定額制の場合) | 約6万円 (※定額制の場合) |
| 損害保険 (火災・地震保険) | 約40万円 (5年一括払) | 約40万円 (5年一括払) |
| 仲介手数料 | 83万1,600円 (土地購入費2,320万円 × 3% + 6万円 + 消費税10%) | 198万6,600円 (物件価格5,820万円×3%+6万円+消費税10%) |
| 司法書士への報酬 | 約10万円 | 約10万円 |
| 土地家屋調査士への報酬 | 約10万円 | - |
| 合計 | 1,113万1,200円 | 1,611万600円 |
自分でシミュレーションするのが難しければ、不動産会社に実際の物件情報に基づく見積書の提示を依頼するとよいでしょう。
アパート経営で、子どもの教育費や老後資金に余裕をもって準備したいと考えているビジネスパーソンが増えています。しかし実際には「失敗したらどうしよう」「今の貯蓄で初期費用は足りる?」といった不安が先に立ち、なかなか一歩を踏み出せない方がほとんどです。
ファミリーアセットコンサルティングは、初心者の方でも安心してアパート経営を始められるよう、資金計画づくりと物件選びをサポートしてきました。これまで多くのお客様が、無理のない投資計画によって将来の不安を軽減しています。
まずは「自分がアパート経営に向いているのか」を知りたい方は、下のボタンから無料投資相談をご利用ください。
ローンと頭金(自己資金)の目安

アパート経営では、物件価格や総事業費の一部を頭金として自己資金から支払うケースがあります。
頭金を抑えると手元資金を残しやすいですが、借入比率が高くなるため、毎月の返済負担が大きくなる点がデメリットです。また、手元資金を十分に残さないまま物件を購入すると、突発的な修繕費や空室時の返済に対応しにくくなります。
アパートの購入を検討する際は、融資条件だけでなく、運転資金をどの程度残すのかも踏まえて判断しましょう。
初期費用とは別に運転資金も必要

アパート経営では物件を購入するための初期費用だけでなく、当面の運転資金の準備も必要です。
アパート経営では空室や家賃滞納、設備の故障など、予測しにくい収入減や支出が発生する可能性があります。
購入時に手持ち資金を使い切ってしまうと、想定外の出来事が起きたときに対応が難しくなる場合があるのです。
次のような場面では運転資金の有無が大きな差を生みます。
- 入居者の家賃滞納が発生しても、資金繰りに慌てず対応できる
- 給湯器の故障や漏水修理など、突発的な修繕費の発生にも対処できる
運転資金はアパート経営を安定させるための余裕資金といえる存在です。初期費用だけでなく、運転資金も含めたお金の準備は、不安を減らし落ち着いた賃貸経営につながります。
アパート経営では、物件選びを誤ると想定していた利回りが出せず、空室や想定外の支出によって手元資金に余裕がなくなるケースも少なくありません。初心者の方の中には公開されている情報だけで物件を決めてしまい、収益が伸び悩んでいる方もいます。
ファミリーアセットコンサルティングの無料会員登録では、2,000件以上の未公開物件情報を閲覧でき、市場に出回る前の優良物件に出会えるチャンスがあります。物件の選択肢を広げ、失敗しにくいアパート経営を目指すためにも、まずは無料会員登録から始めてみてください。
アパート経営で利用できるローンの種類

アパート経営は、金融機関から融資を受けて始めるケースが一般的です。ただし、利用できる融資の仕組みは複数あり、金融機関の種類や提携の有無、審査方法によって借入条件が異なります。
ここでは、アパート経営の融資を検討する際に知っておきたい用語として、次の4つを解説します。
提携ローン
提携ローンとは、不動産会社が提携している金融機関を通じて利用するローンです。
不動産会社が金融機関との間に取引実績をもっているため、融資相談や必要書類の確認を進めやすい点が特徴です。条件によっては審査結果が比較的早かったり、金利優遇を受けられたりする場合もあります。
金融機関と提携している不動産会社であれば、物件購入の相談から融資手続きまで一貫したサポートが受けられます。
ただし、提携ローンだからといって必ず審査に通るわけではありません。金融機関は、年収や自己資金、既存借入、物件の担保評価、賃貸経営の収益性などを総合的に審査します。そのため、提携ローンを利用する場合でも、借入額や返済条件を確認し、無理のない収支計画を立てることが重要です。
アパート経営では、どの金融機関から、どの条件で融資を受けるかによって、初期費用や毎月の返済額が変わります。
ファミリーアセットコンサルティングでは、40以上の金融機関との取引実績をもとに、物件選びだけでなく、無理のない資金計画づくりまでサポートしています。
アパート経営を始める前に、まずは自分に合った融資条件や初期費用の目安を把握しておきたい方は、ぜひ無料投資相談をご利用ください。
プロパーローン
プロパーローンとは、金融機関が借主の返済能力や物件の収益性を個別に審査し、融資の可否を判断するローンです。
金融機関は、借主の年収や資産状況、物件の担保価値、賃貸経営の収益性などをもとに審査を行います。審査は厳しくなりやすいものの、借主の属性や物件の評価が高ければ、借入額・金利・返済期間などで有利な条件を受けられる場合があります。
プロパーローンを利用するには、家賃収入や経費、ローン返済額を踏まえた現実的な収支計画が欠かせません。利用を検討する際は、想定家賃や経費、毎月の返済額をもとに収支の見通しを立てたうえで、金融機関や不動産会社に相談して進めましょう。
ノンバンクローン
ノンバンクローンとは、銀行以外の貸金業者や信販会社などが提供するローンです。銀行融資に比べて審査が柔軟で、借入しやすい傾向があります。
しかし、ノンバンクローンの金利は、銀行や信用金庫と比較して高く設定される場合が多いです。
アパート経営では金利が1%違うだけでも、総返済額に大きな差が出ます。そのため、ノンバンクローンを利用する際は、借りやすさだけで判断せず、金利・返済期間・毎月の返済額・総返済額を確認したうえで慎重に検討することが重要です。
日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者などを対象に融資を行う政府系金融機関です。
民間の金融機関で借り入れが難しい場合でも、事業計画や返済能力が認められれば、融資を受けられる可能性があります。創業者や小規模事業者向けの制度があり、条件によっては女性や若者を対象にした融資も用意されています。
日本政策金融公庫の融資は、民間のアパートローンと比べて借入期間が短くなりやすい点が特徴です。たとえば、日本政策金融公庫の一般貸付では、設備資金の返済期間は原則10年以内、特定設備資金でも20年以内です。これに対して民間金融機関のアパートローンでは、条件によって最長35年程度の返済期間を設定できる場合があります。
返済期間が短いと毎月の返済額が大きくなり、手残りが少なくなります。空室や突発的な修繕が発生した際に資金繰りが厳しくなる可能性があるため、家賃収入や運営費をもとに収支シミュレーションを行い、無理なく返済を続けられるか確認しましょう。
アパート経営の初期費用を抑えるポイント

初期費用を抑えることで手元に資金が残るため、修繕等の突発的な支出が必要になった際に対応しやすくなるでしょう。初期費用を抑えるためのポイントは以下の通りです。
金融機関とのコネクションが強い不動産会社を探す
取引のある銀行などがない場合、取引金融機関が多い不動産会社を探してみましょう。
金融機関との連携が強い不動産会社を通してアパートを購入すると、融資条件について相談できる選択肢が広がる場合があります。有利な条件で融資が受けられれば、頭金の額を抑えて購入できる可能性があり、結果として初期費用の負担を抑えやすくなるのです。
不動産投資は、融資条件や借入額によって資金計画に大きな差が生まれます。物件情報だけでなく、どのような融資を組めるのかという視点での情報収集が欠かせません。
たとえば、返済期間30年で2,000万円のローンを組んだ場合、金利1.5%と2%では総返済額に約177万円の差が生じます。無理のない返済条件は、購入後の資金繰りを安定させ、運転資金を確保するうえでも大切なポイントです。
アパート投資を検討する際「どの金融機関で、どんな条件で融資を受けられるのか」が分からず、判断に迷う方は少なくありません。融資条件を深く検討しないまま進めると「金利0.数%の違い」や「返済期間の差」によって、資金繰りが徐々に圧迫され、アパート経営に不安を残す可能性があります。
ファミリーアセットコンサルティングは、40以上の金融機関との取引実績をもとに、物件内容や投資目的に応じた融資条件のアドバイスをしています。アパート投資をご検討の方は、ぜひ無料投資相談へお気軽にお申し込みください。
銀行からの評価が高い物件を購入する
金融機関からの評価が高い物件は、融資額が伸びやすく、自己資金を抑えられる可能性があります。
不動産の評価は、主に「積算価格」と「収益価格」という2つの考え方をもとに算出されます。
- 積算価格とは
「今同じ建物を建て直した場合にいくらかかるか」という視点で算出する価格です。
土地の価値と、建物の再調達価格(現在建てた場合の価格)から経年劣化分を差し引いて評価します。
| 【積算価格の考え方】 積算価格 = 土地価格 + 建物価格 土地価格 = 路線価 × 土地面積 建物価格 = 再調達価格(建築単価 × 延床面積 ×(法定耐用年数 − 築年数)÷ 法定耐用年数) |
金融機関は、担保価値を確認する際に積算価格を重視する傾向があります。
- 収益価格とは
「その物件が将来どれだけ利益を生み出すか」という視点で算出する価格です。
家賃収入から経費を差し引いた純利益を、想定利回りで割り戻して求めます。
| 【収益価格の考え方】 収益価格 = 年間運用純利益 ÷ 実質利回り ※年間運用純利益は、家賃収入から年間経費を差し引いた金額 |
なお、評価基準は金融機関によって異なるため、融資状況に詳しい不動産会社に相談するのがおすすめです。
金融機関からの評価が高い物件は、担保価値が安定している傾向があり、融資面で有利に働く可能性があるでしょう。
たとえば、大通りに面している土地や築年数の浅い物件、鉄筋コンクリート造(RC造)など法定耐用年数の長い構造の物件は、評価が安定しやすいといえます。
こうした物件を選ぶことは、融資条件を有利にし、初期費用の負担軽減にもつながります。
アパート経営で注意すべき5つのリスク

アパート経営は、資産形成に有力な投資手法ですがリスクも伴います。
ここでは、アパート経営で注意すべき5つのリスクを解説します。
1.空室で家賃収入が減少するリスク
アパート経営では、空室が増えると家賃収入が減少するリスクがあります。
アパート経営の主な収入源は、入居者から受け取る毎月の家賃です。そのため、空室の部屋が増えるほど、想定していた家賃収入を得にくくなります。
たとえば、10室あるアパートで2室が空室になれば、単純計算で家賃収入が2割減少します。しかし、ローン返済や固定資産税、管理費、修繕費などの支出は、空室があっても減るわけではありません。
収入が減っても支出が残るため、空室はアパート経営でもっとも避けたいリスクの一つといえます。
2.災害で建物が損傷するリスク
アパート経営では、地震・台風・豪雨などの災害によって建物や設備が損傷するリスクへの備えが必要です。
台風や豪雨による損害は火災保険、地震による損害は地震保険で補償される場合がありますが、補償範囲や保険金額、免責金額によっては、全額をまかなえないケースもあります。
また、管理不備により外壁や塀が倒壊し、入居者や近隣住民に被害が出た場合、民法上の工作物責任により、オーナーが損害賠償責任を問われるおそれもあります。工作物責任とは、建物や塀などの設置または保存に問題があり、他人に損害を与えた場合に問われる責任です。
そのため、アパート経営では、ハザードマップの確認、定期点検、傷んだ箇所の修繕、火災保険・地震保険への加入などで災害リスクに備えることが重要です。
3.老朽化で修繕費が増えるリスク
建物は築年数が経過するほど老朽化が進み、修繕費が増えるリスクがあります。築浅のうちは小さな修繕で済む場合でも、築年数が経つにつれて修繕や交換が必要な箇所が増えていきます。
国土交通省の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」では、一般的な修繕時期の目安として、以下の項目を示しています。
- 屋根の塗装・補修:11〜15年目
- 防水・葺替:21〜25年目
- 外壁塗装:11〜18年目
- 給排水管の交換:30年目
外壁・屋根・給排水管・室内設備などは、時間の経過とともに劣化するため、修繕や交換のための支出が発生します。修繕を先送りすると、建物の競争力が低下し、家賃収入にも影響する可能性があります。
アパート経営では、修繕に備えて家賃収入の一部を積み立てておくことが必要です。
4.金利上昇で返済負担が増えるリスク
アパート経営には、金利上昇によってローンの返済負担が増えるリスクがあります。
物件の購入には高額な融資を利用するケースが多いため、わずかな金利差でも毎月の返済額に影響が出ます。とくに変動金利で借り入れている場合、金利上昇によって返済額が増え、手元に残る資金が少なくなるおそれがあるのです。
そのため、金利が上昇した場合の返済額を事前にシミュレーションし、複数の金融機関の条件を比較して、無理なく返済できる借入先を選択するのが望ましいでしょう。
5.希望通りに売却できないリスク
アパート経営の出口戦略として、物件を現金化しようとしても、希望する価格やタイミングで売却できないリスクがあります。
アパートは株式などと比べて流動性が低く、売却しにくい資産です。購入希望者の募集や価格交渉、契約手続きなどに時間がかかるため、売主が希望する時期に現金化できない場合があります。
とくに築年数が古い物件は、金融機関の融資を受けにくく、購入できる層が限られるのが実情です。
売却のタイミングが遅れると、固定資産税や管理費などの支出が続きます。また、必要なタイミングで物件を現金化できないと、子どもの教育費や老後の生活費、次の資産運用に向けた資金計画に影響が出る可能性もあります。
所有するアパートが「今売ったらいくらになるのか」を把握しないまま保有を続けると、売却の判断が遅れ、好条件で売却できるタイミングを逃してしまうかもしれません。
ファミリーアセットコンサルティングでは、一棟収益物件の売却に関する無料売却査定を受け付けています。立地や築年数、入居状況、収益性などを踏まえて、所有するアパートの売却価格の確認が可能です。
すぐに売却する予定がない方でも、現在の資産価値を把握しておけば、将来の出口戦略を考える際の判断材料になります。
売却のタイミングを見極めたい方は、ぜひ無料売却査定をご利用ください。
アパート経営の初期費用に関するQ&A

アパート経営の初期費用についてよくある質問に回答します。
自己資金の目安や黒字化までの期間、初期費用を抑える考え方を確認して、無理のない資金計画を立てる際の参考にしてください。
Q1.アパート経営を始めるには 初期費用はいくら必要ですか?
アパート経営を始める際の初期費用は、物件価格の10〜20%程度を目安にするとよいでしょう。初期費用には、頭金のほか、登記費用、不動産取得税、ローン関連費用、仲介手数料などの諸費用が含まれます。
たとえば、物件価格5,000万円のアパートを購入する場合、初期費用の目安は約500万〜1,000万円です。
ただし、実際に必要な初期費用は、物件価格や金融機関の融資条件、借主の属性、物件の担保評価などによって異なります。
Q2.土地ありでアパート経営を始める場合、自己資金なしでも可能ですか?
土地を所有している場合でも、自己資金なしでアパート経営を始めるのは難しいと考えた方がよいでしょう。
ローンで建築費をまかなえたとしても、登記費用・不動産取得税・火災保険料・入居者募集費用・開業後の修繕費など、手元資金が必要になる場面があります。土地がある場合でも、初期費用がまったく不要になるわけではありません。
不動産投資の自己資金がいくら必要かについて詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
Q3.アパート経営は何年で黒字になりますか?
アパート経営は、毎月の収支で見ると初年度から黒字になるケースもあります。ただし、初期費用まで回収して投資全体で黒字化するには、一般的に10〜20年程度かかるケースが多いです。
黒字化までの期間は、借入額・金利・家賃収入・空室率・修繕費などによって異なります。また、アパート経営の収益は毎月の家賃収入だけで決まるわけではなく、将来的に物件を売却した際の売却益も、投資全体の収支に影響します。
アパート経営では「毎月の収支が黒字か」だけでなく、「初期費用を何年で回収できるか」「将来いくらで売却できるか」まで見据えた収支計画が欠かせません。
Q4.アパート経営はやめたほうがいいと言われる理由は何ですか?
「アパート経営はやめたほうがいい」と言われる理由は、初期費用が高額になりやすく、空室や修繕費、家賃下落などのリスクがあるためです。とくに新築アパートを建てる場合、建築費が大きくなるため、計画通りに入居者が集まらないとローン返済が重くなる可能性があります。
アパート経営はやめたほうがいいといわれる理由についての詳細は、次の記事をご覧ください。
Q5.新築アパートと中古アパートでは、初期費用にどのような違いがありますか?
新築アパートは、建築費や付帯工事費が主な初期費用です。土地なしで始める場合は、土地購入費もかかります。建物を1から計画できる一方で、総投資額が大きくなりやすいのが特徴です。
中古アパートは、すでに建っている一棟アパートを購入するため、初期費用は物件価格を中心に考えます。購入時には、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、ローン関連費用なども必要です。
アパート経営の初期費用は、建築費や物件価格だけで判断できません。仲介手数料・登記費用・不動産取得税・ローン関連費用などの諸費用まで含めて考える必要があります。
さらに、アパート経営を始めた後は、管理費・修繕費・固定資産税・空室による家賃収入の減少なども発生します。
初期費用だけで判断してしまうと、運用開始後に資金繰りが苦しくなるケースもあるのです。
ファミリーアセットコンサルティングでは、一棟収益物件を中心に、不動産投資の無料相談を受け付けています。初期費用の目安だけでなく、自己資金・融資・利回り・将来の出口戦略まで踏まえて、無理のない投資計画を相談できます。
アパート経営で最初にいくら必要なのか不安に思っている方は、まずは無料投資相談をご活用ください。
まとめ

アパート経営を始めるには、頭金や税金、仲介手数料などさまざまな初期費用がかかります。「金融機関とのコネクションが強い不動産会社を探す」「銀行からの評価が高い物件を購入する」などの方法を活用すると、初期費用を抑えたアパート経営を開始できます。
「アパート経営における初期費用が知りたい方」「融資を前提にアパート経営を考えている方」は、ぜひファミリーアセットコンサルティングの無料投資相談をご利用ください。融資の最新情報や初期費用を抑えるコツなどを個別の事情にあわせて丁寧に解説いたします。
監修者プロフィール
