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不動産投資のノウハウ

不動産投資ローンの金利ってどうなの?金利相場や金利交渉のポイントなど解説


目次

    不動産投資を始める方のほとんどが不動産投資ローンを利用するでしょう。その際、少しでも低い金利で利用したいと考える方は少なくありません。本記事では、不動産投資ローンの金利相場や金利交渉のポイント、今後の金利についてお伝えします。

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    【種類別比較】不動産投資ローンの金利相場

    家の模型とグラフが書かれた資料

    これから不動産投資を始めたいと考えている方の中には、不動産投資ローンの金利がどの程度なのか気になっている方も多いでしょう。ここでは都市銀行や地方銀行といった金融機関の種類別に、不動産投資ローンの金利相場をご紹介します。

    • 都市銀行
    • 地方銀行
    • 信用金庫・信用組合
    • 日本政策金融公庫
    • ノンバンク

    都市銀行

    大手都市銀行は、他の金融機関と比べてよい条件で融資を受けられる傾向にあります。不動産投資ローンの金利相場は1~2%台前半が一般的です。

    ただし審査基準が厳しく、実績のない不動産投資家の方が、一棟目から都市銀行で融資を受けられるケースはあまり多くありません。

    地方銀行

    地方銀行の不動産投資ローンの金利相場は、2%台中盤~後半です。都市銀行と比較すると審査に通りやすい傾向にありますが、個人の属性に依存し、高い年収や多くの金融資産を持っている方をメインに融資を行うという特徴があります。

    また、新型コロナウイルスが落ち着いてきてから、不動産投資への融資を始めよう、拡大させようという動きが出てきているのが現状です。各銀行によって不動産投資に積極的か否かも異なります。

    信用金庫・信用組合

    信用金庫や信用組合の金利相場は地方銀行と同じく、2%台中盤~後半が多いです。地域密着型で、原則として支店があるエリアに住んでいる方への融資がメインとなります。

    例えば、都心にいながら地方の物件を取得するようなケースでは利用のハードルが高いかもしれません。一方、地方に縁故がある方であれば、多少条件が厳しくても積極的に融資してくれることもあるでしょう。

    日本政策金融公庫

    日本政策金融公庫は1~2%など、比較的低金利で利用できます。女性や若年層への優遇制度がある一方、創業計画書を提出しなければならない点には注意が必要です。

    最近では新型コロナウイルスの影響で不動産賃貸業への融資はほとんど行われていません。また、相談したとしても融資審査の回答が遅く、その間に物件がなくなる恐れがあります。

    ノンバンク

    三井住友トラスト・ローン&ファイナンスやセゾンファンデックスなどのノンバンクは、2%後半~3%後半と高金利ですが、融資審査の難易度は比較的低いのが特徴です。他の金融機関では審査に通ることが難しいようなケースで利用を検討するとよいでしょう。

    不動産投資ローンの金利タイプは2種類

    計算機と家の模型とボールペン

    不動産投資ローンの金利には、固定金利と変動金利があります。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。 

    固定金利の特徴とメリット・デメリット

    固定金利とはその名の通り、借入期間中は金利が固定されるタイプです。最初から最後まで同じ金利で利用できる全期間固定型のほか、最初の5年間や10年間だけ固定される固定期間選択型があります。

    【固定金利のメリット】

    • 金利上昇期でも返済額が増えない
    • 返済計画を立てやすい

    固定金利は借りたときの金利で固定されるため、返済中に金利が変動しても返済額に影響しません。また、金利が固定されている間はシミュレーション通りに返済していけることから、返済計画を立てやすい点もメリットです。

    【固定金利のデメリット】

    • 変動金利より金利が高い
    • 金利が横ばいだったり下降したりすると損をする

    固定金利は変動リスクがない分、変動金利と比べると金利が高く設定されています。このため、金利の下降局面だけでなく、横ばいが続いた場合も、変動金利と比べて支払利息が多くなってしまう点に注意しなければなりません。

    変動金利の特徴とメリット・デメリット

    変動金利とは、返済中も金利が変動していくタイプです。一般的には年2回、金利が見直され、経済状況に合わせて適用金利が決まります。

    【変動金利のメリット】

    • 金利が低い
    • 金利が横ばいだったり下降したりすると返済額が下がる

    変動金利は金利の変動リスクがある分、固定金利より低い金利設定となっているのが一般的です。このため、金利が下がったときにより低い金利で利用できるだけでなく、金利が横ばいだった場合でも、固定金利と比べると支払利息を抑えることができます。

    【変動金利のデメリット】

    • 金利上昇期に弱い
    • 金利が上昇すると返済できなくなるリスクがある

    変動金利は金利が上昇するとローン返済額が高くなってしまいます。場合によっては、返済を続けられない金利水準になってしまうリスクもあるでしょう。

    ただし、適用金利が大幅に上昇したとしても、直前の返済額の最大1.25倍までしか上昇しない「1.25倍ルール」が設けられていることが一般的です。また、金利の見直しを5年ごとに行う「5年ルール」を設けている金融機関もあります。金利変動のリスクを抑えるために、こういったルールを採用した金融機関を選択することも重要です。

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    不動産投資ローンを借りる際の3つの注意点

    人差し指を立てる人物の画像

    不動産ローンを利用する際には、どのような点に注意するとよいのでしょうか。ここでは、不動産投資ローンを借りる前に知っておきたい3つの注意点についてお伝えします。

    • 原則、住宅ローンは使えない
    • 余裕を持った資金計画を組む
    • 自己資金を貯める

    原則、住宅ローンは使えない

    不動産投資ローンと同じく、居住用建物の取得に使えるローンに住宅ローンがあります。住宅ローンは、一般的に不動産投資ローンより金利が低く、借入期間も長く設定しやすいのが特徴です。住宅ローンは原則として自身の住居用として融資を受けるため、不動産投資用には使えません。

    ただし、賃貸併用住宅(ひとつの建物の中に自宅部分と賃貸部分が存在する物件)の場合、条件次第では住宅ローンを利用できることもあります。その際、建物の面積のうち50%以上を自己居住用の面積としなければなりません。
    賃貸併用住宅を取り扱う場合は、住宅ローンを利用できるか確認しておくとよいでしょう。

    余裕を持った資金計画を組む

    物件を運用し始めると、毎月のローンの支払い以外に、突発的な修繕が発生したり、利益に応じた税金を納めたりしなければなりません。いざ、そうした費用を支払う必要性が生じたときに、資金を用意できなければ、最悪の場合物件を売却しなくてはならない可能性もあるでしょう。

    また、不動産投資を始めるにあたって、空室リスクは避けられません。空室が出た際にも返済を続けられるように、不動産投資では余裕を持った資金計画を組むことが大切です。

    自己資金を貯める

    不動産投資を始めるにあたって、頭金と諸経費が必要になります。一般的な住宅ローンの場合、諸経費も含めてローンを組むケースもありますが、不動産投資では全額をローンでまかなうケースは稀です。

    また、頭金を多く準備しておくことでローン審査に通りやすくなるほか、運用が始まった後も突発的な支出に対応できるでしょう。不動産投資を始める前には、ある程度まとまった額の自己資金を貯めておくことをおすすめします。

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    不動産投資ローンを利用するならできるだけ支払利息を抑えたいものです。不動産投資ローンには「アパートローン」と「プロパーローン」があり、主に「プロパーローン」では金利交渉ができる可能性があります。ここでは、融資条件をより有利にするためのポイントについてご説明します。 

    金利交渉を成功させるためのポイント

    アパートローンとは、融資条件などがパッケージ化された個人投資家向けのローンです。金利もあらかじめ設定されていることから、金利交渉は難しいといえます。

    一方、プロパーローン事業者向けに提供されるローンであり、使用用途にも明確な制限がなく、不動産投資以外にも使用可能です。保証会社を通さず金融機関が独自に調査を行い、融資するかを決定します。そのため、金利交渉できることもあるでしょう。

    しかし、プロパーローンは金融機関側にもリスクがあることから、簡単に金利を下げられません。金利交渉を成功させるには、お金を貸す側が納得するだけの材料をそろえることが大切です。具体的には、以下のような点を意識しましょう。

    • 返済実績を積む
    • 他行の金利状況など調べておく
    • 自分の属性を上げておく
    • 金融機関の担当者と信頼関係を構築しておく

    金利だけじゃない?融資条件をよくするその他の要素

    不動産投資ローンというと金利に目がいきがちですが、金利を低く抑えることだけに注目するのはおすすめしません。なぜなら、融資条件は「金利・期間・融資割合」の3つで構成されており、融資を受ける方の状況に応じて最適な融資条件は異なるからです。

    金利以外にも融資期間や融資割合を調整することで、不動産投資のキャッシュフローが改善し、利益につながることもあります。

    例えば、1億円を金利2%、借入期間20年で借りると毎月返済額は約50万5,000円ですが、借入期間を30年にすると、同じ金利2%でも毎月返済額は約36万9,000円となります。

    また、1億円の物件を購入するために、自己資金1,000万円で9,000万円の借り入れをした場合、金利2%、融資期間20年の場合で毎月返済額は約45万5,000円ですが、自己資金3,000万円を入れて7,000万円の借り入れとした場合、毎月の返済額は約35万4,000万円です。

    上記通り、不動産投資ローンを利用するときは、金利だけでなくそれ以外の要素も含め、自分に合った条件で融資してくれる金融機関を見つけることが大切です。

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    不動産投資ローンは今後どうなる?推移や将来予想

    マンションの建設現場

    不動産投資ローンの金利は今後どうなるのでしょうか。これまでの推移と将来予想を見ていきましょう。ここでは、以下の項目についてご説明します。

    • 現在の金利状況
    • 日本は金融緩和政策を継続する見込み
    • 将来的に金利上昇する可能性はある

    現在の金利状況

    近年、日本では金融緩和政策が取られており、20年以上低い金利が続いています。長く金利の底と言われていた中、2016年にはさらにマイナス金利が導入されるなど想定外のことが起こりました。金利タイプでいえば、この期間中は変動金利を選んだ方が得をしていたと言えるでしょう。

    しかし、昨今は世界各国でインフレ抑制のために金利が引き上げられていることから、日本も金融緩和の縮小に向かい、金利が上昇するのではないかとの懸念が生じていました。そのような中、2022年12月に日本銀行が金融緩和策の修正を発表し、長期金利の許容変動幅を±0.5%程度に引き上げています。

    従来は±0.25%程度の変動幅で調整されていたこともあり、市場では「事実上の利上げ」と捉えられ、長期金利が上昇しています。日本銀行の発表を受け、各金融機関が取り扱うローン商品の固定金利が上昇するなど、先行きに不透明感が強まりました。

    日本は金融緩和政策を継続する見込み

    2022年12月の日本銀行の発表を受け、2023年以降も金融緩和が修正され、金利は上昇するのではないかと懸念されていました。しかし2023年1月18日、日本銀行は金融緩和策の維持を発表、長期金利の許容変動幅を±0.5%程度とする前回の発表内容を据え置いています。
    世界各国が利上げに舵を切る中、日本は大規模な金融緩和を継続する意向を示しました。日本銀行が大量の日本国債を保有していることから、金利の引き上げを継続して行うと破綻リスクが高まってしまうこともひとつの要因とみられます。

    とはいえ、将来的に金融緩和の継続の方針を修正する可能性は否定できません。金利上昇への懸念は残ったままとも言えるでしょう。

    将来的に金利上昇する可能性がある

    長期金利の上昇が見られるものの、依然として日本の金利は低水準だと言えます。そのため、世界各国で金利引き上げが行われる中、日本のみ金融緩和政策を取り続けるのも問題です。日本と他国の金利差が拡大すると、円安に進み過ぎるなどの問題が起こるため、将来的に日本も金利上昇する可能性があるでしょう。

    現状では固定金利のみ上昇しており、基本的に長期金利の影響を受けない変動金利低水準で推移しています。今後の金利情勢がどう動くかについて、現段階で正確に予想することはできませんが、変動金利も上昇する可能性は十分にあります。

    これから不動産投資ローンを組むのであれば、変動金利の上昇によるローン返済額増加のリスクを考慮し、固定金利を選ぶのもひとつの選択です。

    まとめ

    不動産投資は現金で購入する方もいますが、多くの方が融資を利用するため、不動産投資とローンは切っても切れない存在です。金利だけでなく融資期間や融資割合を踏まえ、ご自身に最適な金融機関を選択することが、よりよい条件での融資につながります。

    不動産投資を検討中の方は本記事の内容を参考に、早速準備を進めてみてはいかがでしょうか。

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