経営者におすすめの不動産投資とは?抑えておきたいポイントもご紹介
目次
経営者として事業を運営していると、経済状況や市場変動に左右される可能性を常に考慮する必要があります。不動産投資は事業継承・資産形成・財務戦略において非常に有効な手段です。しかし、不動産投資にはリスクも伴うため、メリット・デメリットをしっかりと理解し取り組むことが重要です。
この記事では、経営者に不動産投資がおすすめの理由や不動産投資を始める際のステップを詳しく解説します。
経営者に不動産投資がおすすめが理由
経営者に不動産投資をおすすめする理由として、主に以下の3つがあげられます。
- 相続税の圧縮
- 内部留保の活用
- 所得税の圧縮
それぞれについて詳しく解説します。
1. 相続税の圧縮
有効な相続税対策を行わなかったために相続税が高額となり、資産を手放さざるを得なかったり、事業を承継できなくなったりすることがあります。
その点、不動産を資産運用に活用すれば相続税を効果的に圧縮でき、事業を次世代にスムーズにつなぐことができます。都心部の一棟収益不動産は相続税の圧縮に特に効果を発揮します。
8億円の資産を相続する場合、現金と不動産での相続税を比較してみましょう。
〈法定相続人 配偶者+子供2人の場合〉
物件価格 | 800,000,000円 |
相続税路線価額(土地) | 300,200,000円 |
固定資産税評価額(建物) | 70,300,000円 |
2. 内部留保の活用
本業とは異なるもう一つのアセットとして不動産を持つことは、事業の永続的な発展に効果をもたらします。今までの事業の中で蓄積された内部留保をもとに一棟収益不動産を購入し、運用をすることで、本業を補完する「もう一本の柱」が生まれます。
実際に不動産を運用し、10年後に売却した場合のシミュレーションを見ていきましょう。
〈築27年 RC造3階建てマンション〉
物件価格 | 76,400万円 |
ローン総額 | 64,000万円 |
ローン金利 | 1.00% |
返済期間 | 25年 |
自己資金額 | 13,900万円 |
購入時諸費用 | 1,500万円 |
表面利回り | 6.50% |
家賃収入 | 4,949万円 |
満室想定賃料 | 4,949万円 |
経費等 | -1,485万円 |
返済額 | -2,894万円 |
年間収益 | 570万円 |
3. 所得税の圧縮
不動産の運用は、法人税や個人の所得税の圧縮にも繋がります。また、減価償却を活用した財務戦略にも有効な手段となります。
どのような事業においても、時代の変化によって事業に逆風が吹くことはきっとあります。そうしたタイミングで不動産を売却し、売却益を事業に回せば、事業を大きく立て直すことも可能です。
〈所得税・住民税の税効果モデルケース〉
年収 | 5,000万円 |
年齢 | 50代 |
配偶者 | 有 |
子供(18歳以下) | 2人 |
その他控除 | 無 |
物件価格 | 15,120万円 |
利回り | 7.00% |
ローン総額 | 12,000万円 |
ローン金利 | 2.50% |
建物割合 | 50% |
不動産投資と他の金融商品の違い
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンな投資であり、リスクを抑えながらある程度のリターンを狙える投資手法です。ここでは、他の金融商品にはない、不動産投資の魅力や強みをご紹介します。
1.不動産投資の魅力
不動産は、株やFX、債券など、あらゆるポートフォリオと比べ、世界の金融情勢によって乱高下することの少ない、いわゆるボラティリティが小さい商品です。インフレに強いこと、レバレッジを効かせてより大きな投資ができることや、管理会社に運用を任せられることも、他の金融商品にはない魅力となります。
2.不動産投資の強み
収益不動産には主に以下の3点の強みがあります。
- インフレにおいても価値が下がらない
- 金融機関の信頼度が高く大きな投資ができる
- 手間がかからない
インフレにおいても価値が下がらない
世界的なインフレにおいてお金の価値が下がり続けるこの時代では、キャッシュをそのまま持っていること自体が大きなリスクともなり得ます。現物資産である不動産に資産を転換すればインフレにおいても価値が大きく下がることはありません。
少ない自己資金で大きな投資ができる
不動産投資は金融機関からの借り入れを利用することで、少ない自己資金でも大きなリターンを得ることが可能です。レバレッジを効かせて不動産投資を行うと自己資金以上の物件を運用できるため、投資効率が向上します。
手間がかからない
管理会社に管理を任せることができるため、毎月の明細表をチェックするだけで資産運用が実現します。修繕やリフォームが必要になった場合も管理会社が対応するため、運用の手間はほとんどかかりません。
経営者が不動産投資を始める際のステップ
経営者が不動産投資を始める際は、以下のポイントをおさえて置くことが重要です。
- 購入のタイミングを決める
- 購入する際の名義を決める
- 物件を選ぶ
- 金融機関を決める
- 管理会社を選ぶ
購入のタイミングを決める
不動産投資を始めるにあたっては、タイミングが非常に重要です。不動産市場には価格変動があり、購入するタイミングによっては利益を大きく左右することがあります。また、自分の経済状況や市場動向を把握することで、リスクを低減することができます。
例えば、不動産市場が低迷している時期に購入を開始することで、同じ物件でも相対的に安く購入することが可能です。その後、景気が上向けば資産価値が上がり、結果的に利益を得やすくなります。
適切なタイミングで始めることが、不動産投資の成功に直結します。
購入する際の名義を決める
経営者が不動産投資をする際は、所有者の名義をどうするか慎重に考える必要があります。
所有者の選択肢には以下の3つがあります。
- 経営者が個人で所有
- 経営者が代表を務める法人で所有
- 不動産投資のための資産管理法人で所有
不動産の所有者を個人にするのか、法人にするのかによって、不動産保有時や不動産売却時の税金が異なるため、不動産の購入目的に応じて検討しましょう。
▼それぞれのメリット
個人名義で所有
個人の節税ができる
経営者が代表を務める法人で所有
不動産の売却による資金の確報や本業と不動産からの2つの収入の柱持つことが可能
資産管理法人で所有
所得が高い場合、個人で購入するよりも高い節税効果を得られる
物件を選ぶ
不動産投資で成功するためには、物件選びが極めて重要です。物件の種類、立地、価格、などを考慮し、慎重に選びましょう。特に立地は、長期的な賃貸需要を左右する要因となるため、慎重に検討する必要があります。
駅から近く、主要ターミナルへのアクセスが良い物件や近くに生活に必要な施設が揃っている物件は、安定した賃貸需要が見込めるでしょう。
また、将来的に地域の人口動態がどう変化するか、開発計画が進んでいるかも考慮に入れるべきポイントです。その他にも、日当たりや騒音、治安の良さなど、様々な角度からチェックすることが重要です。
金融機関を決める
金融機関の選定は、不動産投資の成功において非常に重要です。不動産投資は自己資金のみで始めることもできますが、融資を利用することでレバレッジ効果を得られ、少ない資金で大きなリターンが期待できます。
本業で取引のある銀行や信用金庫など複数の金融機関を比較し、最適な条件を提供するところを選びましょう。一般的に融資の審査には直近3年分の業績をみられることが多く、業績が好調の時に不動産投資を始めることで、有利な条件で融資を受けることができる可能性があります。
また、不動産会社から金融機関を紹介してもらうことも可能です。多くの金融機関と取引がある不動産会社を選ぶことで、融資先の選択肢が増え、さまざまな相談にも対応してくれるでしょう。
管理会社を選ぶ
物件の管理は自分で行うことも可能ですが、管理会社に任せることで、入居者募集、賃貸借契約、家賃の回収、退去手続きなどを一括して委託できます。万が一設備の故障が発生した場合や入居者からクレームがあった場合でも、信頼できる管理会社であれば迅速に対応してくれるため、円滑な運営が期待できます。
特に本業が忙しい経営者の方が管理業務をこなすのは負担も大きいため、管理会社に依頼することをおすすめします。
また、物件の売買・仲介を行う不動産会社にも、賃貸管理を行っている会社もあります。そのまま賃貸管理を依頼できることもあるので、物件購入時に相談してみるとよいでしょう。
経営者が不動産投資を始める際に抑えておきたいポイント
不動産投資は経営者の方にとって多くのメリットがあります。しかし、リスクもあるため、不動産投資を成功させるためにしっかりと注意点を理解することが重要です。
審査に通りにくい可能性がある
給与所得者と比べて、中小企業の経営者の場合には金融機関の審査に通りにくいことがあります。金融機関では、収入が安定していることが重要とされるため、業績により報酬が左右される会社経営者は、給与所得者より審査が厳しくなります。
また、多額の不動産投資ローンを利用することで、本業の資金調達に影響が出てしまうこともあるため、注意が必要です。
多くの金融機関と提携している不動産会社に相談することで最適な不動産投資ローンを提案してくれるでしょう。
経営者には一棟収益物件がおすすめ
経営者の方におすすめな不動産投資は一棟投資です。一棟投資は区分投資に比べると価格は高くなりますが、資産拡大がしやすく、節税効果も高くなります。
一棟アパートは法定耐用年数の短い木造の物件が多く、単年で経費計上できる減価償却費が大きくなり、所得税・住民税の節税効果が高くなります。
また、一棟マンションは他の物件に比べ、価格が高い傾向にありますが、1回の取引である程度の規模を購入できるため、早く資産規模を拡大することができます。
まとめ
不動産投資は経営者にとって経済的安定性を提供し、長期的な成長を支える有力な手段です。これにより、事業活動におけるリスクを分散し、資産をしっかりと形成することが可能になります。
不動産投資をまだ始めていない経営者は、早めに検討することをおすすめします。
不動産投資を行う際は多くの知識が必要となり、時には専門的な知識が必要なケースもあるでしょう。ファミリーコーポレーションでは、不動産のプロフェッショナルとしてお客様のさまざまな疑問にお答えいたします。無料の個別相談も行っておりますので、不動産投資に関する疑問がある方は、ぜひファミリーコーポレーションにご相談ください。