不動産投資の自己資金はいくら必要?目安金額と投資を成功させる方法
目次
不動産投資を始める際は自己資金の用意が必要です。しかしどれくらいの金額を自己資金として用意すべきなのかが分からない方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産投資に必要となる自己資金の金額や、自己資金の金額別に購入可能な投資用不動産の目安を紹介します。また、自己資金をおさえて不動産投資を始める方法、自己資金を投下するメリットも併せて解説するため、不動産投資を始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
不動産投資の自己資金にはいくら必要?
不動産投資を始める際は、初期費用の支払いに充てるためのまとまった金額が必要です。しかし、実際にどれくらいの金額を自己資金として用意しておくべきなのでしょうか。不動産投資に向けて用意しておきたい目安金額や諸費用の内訳を紹介します。
自己資金の内訳
自己資金は、自身の保有するお金のことです。不動産投資では、投資用不動産の購入時に頭金や諸費用を現金で支払う必要があります。各費用の概要と内訳は以下の通りです。
- 頭金:不動産の購入金額からローンの借入額を差し引いた金額
- 諸費用:投資用不動産購入時に発生する費用
【諸費用の内訳】
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙税
- 火災保険料
- 地震保険料
- 仲介手数料
- 司法書士報酬 など
上記のように購入時には複数の費用が発生しますが、実際にどの費用の支払いが必要になるかはケースにより異なります。余裕を持って不動産投資を開始できるよう、自己資金は多めに用意しておくと安心です。
投資用不動産購入価格の15%~30%が目安
頭金の目安は、投資用不動産購入価格の10%〜20%程度といわれています。また、諸費用は新築で購入価格の4%〜7%程度、中古で7%〜10%程度が目安です。そのため、自己資金として購入価格の15%〜30%程度用意するのが理想とされていますが、金額はあくまでも目安であり、全てのケースに当てはまるわけではありません。
また、頭金が多ければ借入額が少なくなるので融資に通りやすい傾向にありますが、投資を始めた後に突発的な修繕の発生等によってお金が必要となることも十分考えられます。自己資金は、自身の収入や預貯金の状況に合わせて無理のない範囲で捻出することが大切です。
自己資金と購入可能物件の目安
ここからは、自己資金の金額別に購入可能な投資用不動産の種類や金額の目安をご紹介します。エリアや築年数にもよりますが、不動産投資を始める前に、自己資金としていくら用意すればどのような物件を購入できるのかを確認しておきましょう。
自己資金 | 購入可能物件価格 | 物件種別 |
100万円 | 300万円〜650万円 | ・中古区分マンション |
500万円 | 1,500万円〜3,000万円 | ・中古一棟アパート ・中古戸建て |
1,000万円 | 3,000万円〜6,500万円 | ・新築区分マンション ・新築戸建て ・中古一棟マンション |
2,000万円 | 6,500万円〜1億円 | ・新築一棟アパート ・中古一棟マンション ・中古収益ビル |
自己資金をおさえて不動産投資を始めるメリット
自己資金をおさえることが投資効率を上げることにもつながります。ここでは、自己資金をおさえて不動産投資をするメリットを紹介します。
レバレッジ効果を期待できる
レバレッジ効果とは、「てこの原理」のように小さい力で大きな効果をもたらすことです。不動産投資においては、金融機関の融資を利用することによって投資効率を高められる可能性があります。
例えば、用意する自己資金を500万円と仮定しましょう。年間50万円の家賃収入が見込める500万円の投資用不動産を現金で購入した際の利回りは10%です。
一方、年間200万円の家賃収入が見込める2,000万円の投資用不動産を500万円の頭金と、残りは不動産投資ローンで購入したとします。この場合の利回りも10%ですが、同じ500万円の現金から得た収益を比較すると年間で4倍の差が出ます。これがレバレッジ効果です。
実際には、上記計算に含んでいない諸費用も物件価格と共に大きくなることも考慮に入れる必要がありますが、このように融資を活用することで同じ自己資金でも得られる収益を大きくできる可能性があります。
物件購入後の突発的な支出に対応できる
不動産投資には、自然災害リスクや老朽化リスク、空室リスクなどが付き物であり、修繕費やオーナー負担となる範囲の原状回復費、入居者募集費などの支出がいつ発生するかは分かりません。しかし手元に資金を残しておけば、予想外の支出にもスムーズに対応できます。
特に、築年数の古い投資用不動産は設備の故障や破損が起こるリスクが高いでしょう。また、空室リスクを減らすためには定期的な点検やリフォームも必要です。手持ち資金を全て投資用不動産の購入費に充てると突発的な支出に対応できなくなる恐れがあるため、不動産投資を始める際にはゆとりのある資金計画を立てることが大切です。
自己資金を投下して不動産投資を始めるメリット
不動産投資を始めるにあたって、自己資金をできる限り少なくしたいと考える方も多いと思いますが、ある程度の自己資金を投下することでメリットも得られます。
ローン審査に通りやすい
自己資金を投下するメリットのひとつとして、融資を受ける際の審査に通りやすくなる点が挙げられます。金融機関が最も避けたいのはローンの返済が滞るリスクなので、投資用不動産の購入費用に対する融資額の割合を低くすれば、融資を受けられる確率が上がるでしょう。
自己資金なしで不動産投資を始める場合には、頭金不要のフルローンを組む必要があります。しかし、フルローンを組むには返済能力がより重視されるため、個人の属性や投資用不動産の収益性によっては融資を受けられない可能性があります。
キャッシュフローが安定する
頭金を増やすことで借入額が減り、月々のローン返済額がおさえられます。支出が減れば、その分収益を増やせるため、キャッシュフローが安定しやすくなります。
買い増しがしやすい
投資用不動産の買い増しは、資産拡大を狙う際に有効な方法です。自己資金を投下すればローンの返済が早く進むため、その投資用不動産を担保として新たな投資用不動産の購入がしやすくなります。
また、買い増しには「キャピタルゲイン(投資用不動産売却時に得られる収益)を大きくできる」「リスクの分散につながる」メリットもあります。
自己資金をおさえて不動産投資を始める方法
自己資金が少ない場合、「融資の審査に通りにくい」「得られる収益が少なくなる」という懸念が生じます。ここでは、自己資金をできるだけおさえながら不動産投資を成功に導くポイントを紹介します。
個人の属性を高くする
個人の属性を高めることで、自己資金が少なくても融資を受けやすくなります。個人の属性が高い方の特徴は以下の通りです。
- 年収が高い
- 社会的地位が高い
- 収入が安定している
収入が高かったり、安定性のある職業に就いていたりすると金融機関から高く評価されます。金融機関としても、融資の返済が滞るリスクをできるだけ減らしたいと考えているためです。少ない自己資金で不動産投資を始めたい方は、自己の属性を高めて返済能力をアピールしましょう。
金融機関の評価が高い物件を選ぶ
融資の審査に通りやすいといわれている担保価値の高い投資用不動産を選ぶのも方法のひとつです。評価が高い投資用不動産には、以下のような特徴があります。
- 築年数が浅い
- 立地の良い場所にある
- 周辺環境の利便性が高い
- RC造やSRC造
- 都市部に近く路線価が高い
金融機関から好まれるのは、「売却しやすい」または「収益性が高い」投資用不動産です。収益性の高い投資用不動産であれば安定した運用が期待できるため、借入額の返済にも影響が出にくくなります。また、売却しやすければ、万が一債務者がローンを返済できない事態に陥ったとしても売却代金によってローンの残高を賄えるでしょう。
少ない自己資金で不動産投資を始める際は、金融機関にとってリスクの少ない投資用不動産を選ぶことが大切です。必要に応じて専門家に相談しながら、慎重に選びましょう。
不動産会社が売主の物件を選ぶ
不動産会社が売主の投資用不動産であれば、仲介手数料が不要のため初期費用をおさえられます。一方、仲介会社を通じて投資用不動産を購入する場合は、購入価格に応じた仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料の上限額は以下の通りです。
売買代金(税抜) | 仲介手数料の上限 |
200万円以下の部分 | 取引物件価格の5%+消費税 |
200万円超~400万円以下の部分 | 取引物件価格の4%+消費税 |
400万円超の部分 | 取引物件価格の3%+消費税 |
例えば、1,000万円の投資用不動産を購入した場合の仲介手数料は「(200万円×5%+200万円×4%+600万円×3%)×110%=39万6,000円」です。ただし、投資用不動産は400万円を超えることが多いため、一般的には「3%+6万円+消費税」の速算式が使われます。
投資用不動産の購入価格が高くなるほど仲介手数料も上がります。自己資金の支出をできるだけおさえたいときは、不動産会社が売主の投資用不動産を選びましょう。
少額から始められる不動産投資をする
自己資金が少ない方は、少額から始められる投資方法が適しています。不動産投資信託やクラウドファンディングなどさまざまな方法がありますが、自身で投資用不動産を購入・運用する場合は、中古アパートを選ぶのが得策です。
中古アパートは新築に比べて購入費用をおさえられます。また、これまでの運用実績を参考にすることで、キャッシュフローの見通しが立てやすいのもメリットのひとつです。「どの程度の収益を見込めるか」「修繕費が発生するのはいつごろか」といったこともある程度予測できるため、不動産投資に失敗するリスクをおさえられます。
まとめ
不動産投資の際に必要となる自己資金の目安は、投資用不動産購入価格の15%~30%程度です。また、個人の属性を高くするとともに金融機関の評価が高い投資用不動産を選べば、自己資金が少なくても融資を受けられる可能性が高まります。また、不動産会社が売主の投資用不動産を選べば仲介手数料がかからないので、初期費用をおさえられるでしょう。
自己資金をなるべくおさえて不動産投資を始めたい、どのような投資用不動産を購入すればよいのかが分からないときは、ぜひファミリーコーポレーションにご相談ください。お客様の投資目的や状況に合わせて、最適な投資プランをご提案いたします。