不動産投資で税理士に依頼する際の選び方や費用を紹介!
目次
不動産は取得時をはじめ、保有期間中、売却時、相続時に異なる税金がかかります。自分で行うには難易度が高い計算もあり、「税理士に任せたい」と思うこともあるでしょう。しかし、「その税理士の選び方が分からない」という方もいるのではないでしょうか。
税理士といっても得意分野はそれぞれです。不動産投資分野に特化した税理士に依頼しなければ、お金をかけてまで依頼したメリットを十分に得られないこともあるため、税理士選びは慎重に行いましょう。そこでこの記事では、税理士の選び方の他、依頼費用の相場やメリット、依頼したほうがよい方の特徴などを解説します。
不動産投資に強い税理士の選び方
不動産投資に伴う確定申告や決算書の作成は、初めての方には難易度が高いのではないでしょうか。これらの作業には専門知識が問われるシーンもあるため、不動産投資に強い税理士に依頼できると安心です。とはいえ、税理士なら誰でも不動産投資に強いとは限りません。
不動産に強い税理士の選び方は次の通りです。
- 不動産投資分野に特化している
- 税理士自身も不動産経営を行っている
- 評判や口コミが良い
- 税金以外の不動産経営や相続対策にも助言ができる
不動産投資分野に特化している
不動産の取得や保有、相続などに関わる税金に特化している税理士を選びましょう。不動産投資による節税効果を最大限に引き出してくれるのに加え、不動産経営の出口戦略となる「売却」に対するサポートも受けられます。
確定申告書の作成を依頼できるのはもちろん、相続発生時には相続税の申告業務にも対応してもらえます。また、不動産投資に特化した立ち位置であることから、同じく不動産投資に強い弁護士や司法書士、不動産会社を紹介してもらえることもあるでしょう。
税理士自身も不動産投資を行っている
仕事を獲得するための努力やアピールとして、税理士自身も不動産投資を行っているケースがあります。自分事として不動産投資に向き合っているため、確定申告書の作成や節税対策などの税務だけでなく、不動産投資に関わるアドバイスも期待できます。例えば、「減価償却費の扱い」や「法人への切り替え」などを、実体験を通して伝えてくれるかもしれません。
ただし、不動産投資の経験を絶対条件にはせず、加点要素として慎重に判断することをおすすめします。
評判や口コミが良い
その税理士の評判や口コミが良いかどうかも確認しましょう。インターネットでチェックする方法や、税理士を紹介してくれた方に話を聞くなどの方法があります。
とはいえ、評判や口コミを鵜吞みにするのも考えものです。実際に相談してみて、「長期的に関係を築けそうか」「信頼できそうか」「自身のニーズに合っているか」などを確かめましょう。
不動産に関する税金全般についてや相続対策にも助言ができる
不動産そのものに強い税理士であれば、不動産投資に関してだけでなく、不動産全般について相談することができます。
特に、相続と不動産は切っても切り離せない傾向があります。相続財産の中で最も割合を占めるのは不動産であり、不動産評価額によって相続税が決まるといっても過言ではありません。さまざまある特例を最大限利用するためのサポートはもちろん、税務調査対策や対応を一任できます。確かな特化分野を持つ税理士が心強いでしょう。
不動産投資における税理士の探し方
税理士によって得意分野が異なるため、不動産投資に特化した税理士を見つける必要があります。ここでは、信頼できる不動産投資に強い税理士の探し方を紹介します。
- 不動産会社に紹介してもらう
- 不動産投資仲間に紹介してもらう
- 税理士の紹介サイトを見る
不動産会社に紹介してもらう
税理士事務所と提携している不動産会社もあるため、収益物件を購入した不動産会社に紹介してもらえないか聞いてみましょう。自分で一から探すよりも、大幅に手間が省けます。
何より、不動産会社が提携する税理士のため、「不動産投資に弱い」ことはないでしょう。複数社を紹介してくれる不動産会社であれば、自分である程度の取捨選択もできます。
不動産投資仲間に紹介してもらう
不動産会社同様、不動産投資仲間からの紹介であれば、不動産投資に強い税理士である可能性が高いです。また、その税理士の実績や人柄、評判などを比較的、忖度なく教えてくれるのも安心材料のひとつです。
知人からの紹介だと断りにくくなる点がデメリットですが、収益物件を購入した不動産会社に提携の税理士がいない場合、第2の選択肢になり得るでしょう。
税理士の紹介サイトを見る
インターネットやSNSで税理士を探す方法も有用です。税理士の紹介サイト(マッチングサイト)の投稿やPRを吟味し、相談しやすそうな税理士にコンタクトを取ってみましょう。
ただし、マッチングサイトには注意点もあります。露出の多い税理士は、サイト内検索でヒットしやすいよう、マッチングサイト側に手数料を支払っているケースがあるためです。本当に自身のニーズを満たしてくれそうか、実績やPRを入念に比較しましょう。
不動産投資で税理士に依頼する際にかかる費用相場
税理士にどこまで依頼するかによって、かかる費用は異なります。また、同じ依頼範囲でも、税理士事務所によって費用に差があるのが通常です。
とはいえ、契約前におおまかな費用相場を把握しておくことは大切です。そこで、「税務相談」「確定申告のみ」「顧問契約を結ぶ」の3種類に分けて、かかる費用を以下の表にまとめました。
依頼範囲 | 費用相場 |
税務相談 | ・初回無料が多い |
確定申告 | ・帳簿作成をオーナーが行う場合:3~5万円 ・帳簿作成も依頼する場合:10~25万円 |
顧問契約 | ・顧問契約:毎月1~3万円 (※決算期には追加で5~10万円の報酬が発生するケースが多い) |
上記はあくまでも一例であり、収益物件の保有数や税理士への依頼範囲によって費用はさまざまです。税理士のホームページに具体的な費用が記載されている場合もあるため、よく確認して比較しましょう。
不動産投資で確定申告を税理士に依頼するメリット4つ
ここでは、不動産投資で確定申告を税理士に依頼するメリットを4つ紹介します。
- 法人化のサポートを受けられる
- 相続対策などより高い節税効果が期待できる
- 税務調査を任せられる
- 収支計画書のチェックをしてもらえる
順番に見ていきましょう。
法人化のサポートを受けられる
不動産投資をしていると「どのくらいの収入を目安に法人化するべきか」と悩む方もいますが、税理士に依頼すれば、財産状況や税制面、家族構成などの個別要素を踏まえた法人化のサポート・アドバイスを受けられます。
法人化のメリット・デメリットは、事業の運営と税金の両面を多角的な視点から検討しなければ見えてきません。オーナーが個人で判断するのは容易ではないため、将来的に法人化を視野に入れている方は、不動産投資に特化した税理士に相談することをおすすめします。
相続対策などより高い節税効果が期待できる
不動産税務において、所得税や住民税、相続税、贈与税は事前に対策することで節税効果を期待できます。例えば木造の中古アパートを購入すれば、法定耐用年数が比較的短いため、1年当たりに計上できる減価償却費が大きくなります。また相続においては、不動産は現金よりも相続税評価額が低いため、税理士に相談せずとも自ずと節税が可能です。
ただし、税金にはさまざまな制度や特例があり、適用できるか否かを見極めて申告するには専門知識が必要です。オーナーが個人で申告することも可能ですが、簡単なことではないでしょう。不動産投資に特化した税理士に依頼するほうが確実であり、精神的にも安心できます。
また、不動産投資は相続した後も続けるのが一般的です。節税効果のみにとらわれると、収益性が低く運用に苦しむかもしれません。不動産投資に特化した税理士であれば、節税効果と収益性の両方を踏まえたアドバイスをしてくれるでしょう。
税務調査を任せられる
税務署は確定申告後に申告内容を確認し、独自の判断で個別に税務調査を実施するケースがあります。税務調査とは、納税者が正しく申告できているかを確認するための調査です。
その点、税理士は専門家なので安心して任せられます。税務調査で狙われやすいところのチェックも抜かりはないでしょう。
税理士による確定申告で税務調査が入る可能性は低いですが、万が一入った場合でも対応を任せられるのは強みです。
収支計画書のチェックをしてもらえる
税理士は収支計画書もチェックしてくれます。収支計画書とは、事業から発生する収支と支出を計算した結果、どのくらいのお金が残るかを示す書類です。不動産投資は長期にわたる事業のためお金の流れを把握しておくことは重要であり、金融機関から融資を受けるときにも提出を求められます。
「家賃設定が高過ぎる」、「管理会社への管理委託手数料が高過ぎる」、「税金が考慮されていない」など、オーナー個人では気づけなかった箇所は税理士が指摘してくれるでしょう。
税理士に依頼するのがおすすめの人
不動産投資を行う上で税理士に依頼していればさまざまな面で頼りになりますが、依頼するのにかかる費用を考えると悩む方もいるでしょう。では、税理士に依頼するのがおすすめなのはどのような方でしょうか。代表的なのは、「本業が忙しい人」「最大限の節税効果を得たい人」です。
本業が忙しい人
不動産投資を行っている方の多くが、平日は出社して働いている会社員の方です。不動産投資に充てる時間は平日の夜や休日となるため、保有している物件の数が増えるほど大変になるでしょう。
時間に追われると申告書類等のミスが増え、適用可能な特例にも気づかない恐れがあります。オーナー自身で申告書類や帳簿を用意するのが難しい場合、税理士に依頼するのは有用な選択肢です。
最大限の節税効果を得たい人
節税目的で不動産投資を始める方は、より高い節税効果を得るためにも税理士に依頼するのがおすすめです。確定申告では、より多くの経費を計上することで所得税額を減らすことが可能であり、特例を適用すれば大幅な節税も期待できます。
一般的な経理知識では思いつかない節税方法も、不動産投資に特化した税理士であれば余すことなく教えてくれるでしょう。
まとめ
不動産投資において、税理士を活用することで、確定申告を任せられるのはもちろん、より高い節税効果を期待でき、仮に税務調査が入ったときにも対応を任せられます。。
しかし、一口に税理士といっても得意分野が異なります。評判や口コミを確認したり、収益物件を購入した不動産会社から紹介してもらったりするなどし、不動産投資に特化している税理士を見つけましょう。