地方での不動産投資を成功させるには?メリットやリスクも解説
目次
不動産投資は賃貸需要の高い都心のほうが成功しやすいといわれますが、地元や縁のある地方で始めてみたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、地方で不動産投資を行うメリット・デメリットや成功のポイントなどを解説します。安定経営を継続するために、リスクや注意点についても把握しておきましょう。
地方で不動産投資をするメリット
不動産投資にはさまざまなメリットがあります。都心には都心の、地方には地方ならではのメリットがあるものです。まずは、地方で不動産投資を行う強みを理解しましょう。次の点を解説します。
- 利回りが高い
- 初期費用が安い
- 競争率が低い
- 税金が少ない
利回りが高い
不動産投資における利回りとは、物件価格に対して、年間家賃収入がどれくらいの割合であるかを示したものです。「想定する年間の家賃収入÷物件価格」で求めます。
地方で不動産投資を行うメリットは利回りが高いという点です。都心の物件は空室リスクが低いなどの理由から人気が高く、物件価格も高くなります。
地方の物件は都心と比べて家賃も低くなりますが、それ以上に物件価格が低くなる傾向があるため、その分利回りは高くなります。
初期費用が安い
「利回りが高い」で前述した通り、地方の収益物件は都心より物件価格が低く、初期費用をおさえられる傾向が高いです。初期費用が低いと余剰資金が生じやすく、突発的な修繕などの補填に回すことも可能です。万が一、投資に失敗した場合のトータルでの損失も低くおさえられます。
競争率が低い
人口集中で不動産市場の競争が激化している都心と比べ、地方は物件数が少ないためライバル物件も少なくなります。
同じ立地で類似物件が立ち並ぶような状況も少ないため、ライバル物件とサービスや設備などで差別化することも比較的容易です。
税金が少ない
物件価格が低いと固定資産税の負担額も少なくなるのが一般的です。固定資産税は総務省が定めた「固定資産評価基準」に基づき、毎年納めなければなりません。「固定資産税評価額(課税標準額)×税率」の計算式で算出し、通常の税率は1.4%ですが、地方によって異なります。
固定資産税評価額は3年に一度見直しされ、築年数によっても変化するとはいえ、大きな納税額が続けば相応の負担になります。
地方での不動産投資のリスクとデメリット
メリットだけでなく、地方で不動産投資を行うデメリットやリスクにも目を向けましょう。主なものは次の通りです。
- 空室リスクが高い
- 売却しにくい
- 物件管理や対応に時間がかかる
- 融資を受けるのが難しいケースも
空室リスクが高い
地方は都心に比べて人口が少ないため空室リスクは高くなります。また都心回帰の傾向が強くなっているため、今後さらに地方の人口が減り賃貸物件の需要はさらに低下する可能性があります。
区分マンション投資で空室が出ると家賃収入はゼロで、赤字が確定的です。一棟アパート・マンション投資であればゼロは避けられるものの、空室率によってはキャッシュフローに大きなダメージを与えます。
売却しにくい
一般的に、不動産は有価証券などと比べると流動性が低い金融資産です。都心より賃貸需要が少ない地方であれば、なおさら売却難に陥る恐れがあります。
特に、「アクセスが悪く移動が困難」「周辺施設が少ない」「インフラ整備が整っていない」といった地方であれば、希望価格で売却する難易度が高くなります。。
物件管理や対応に時間がかかる
都心にいる方が地方の物件に投資する場合、基本的に物件の管理は管理会社に委託することになるでしょう。
管理会社に委託しても、遠方のため物件の様子が見えづらく、「きちんと清掃をしているか」「入居者からの苦情に誠実に対応しているか」といった業務の様子を細かく確認するのは難しいでしょう。管理会社の対応が遅かったり杜撰だったりすると入居者の不満は高まり、空室につながります。物件管理や対応は、スピーディーかつ丁寧にできる環境が望ましいです。
融資を受けるのが難しいケースも
そもそも地方の物件には融資を行っていない金融機関もあります。金融機関によって、理由はさまざまですが、地方の収益物件は取引数が少なく、返済能力の有無を判断する情報が乏しいせいもあるでしょう。
地方で不動産投資を始めたいなら、地方の収益物件でも融資可能な金融機関を探す必要があります。信用金庫等、地域に根差した金融機関は営業エリア内の物件には融資をしてくれることがあります。しかし、自身もその営業エリアに住んでいることが条件である可能性が高いです。
地方で不動産投資をする際の注意点
地方での不動産投資は、都心よりも慎重な計画と戦略が必要です。地域独自の特徴を把握し、リスクを最小限におさえましょう。ここでは、地方で不動産投資をする際の注意点を紹介します。
- 特定の施設による需要に依存していないか
- 賃貸面積が狭すぎないか
- 駐車場があるか
特定の施設による需要に依存していないか
特定の企業や大学などが存在し、その施設によって需要が支えられている場合は注意が必要です。何らかの理由でその施設がなくなると、空室リスクが急上昇する可能性があるためです。
例えば、大学のキャンパスの新設や移転が決まり、一部の学部生が引っ越しを検討するのは珍しい話ではありません。大学周辺に収益物件を所有していた場合、空室率に大きな影響を及ぼすでしょう。区分マンションの場合は、より大きな影響を受けてしまうかもしれません。
賃貸面積が狭すぎないか
利便性が高い都心であれば、少しくらい部屋が狭くても許容される傾向があります。しかし、地方では事情が異なり、賃貸面積が狭いと「地方なのに」「これでは都会と変わらない」などと敬遠される可能性が高いです。
具体的には、単身用の物件であっても25平方メートルほどの広さは必要でしょう。生活空間が狭い物件は入居付けに苦戦し、家賃を下げなければならないケースもあります。
駐車場があるか
地方では車の利用が一般的であり、「駐車場は必須条件」として賃貸物件を探している方は少なくありません。特に、最寄り駅から徒歩30分以上などと遠い場合、1室に1台の駐車場は必要でしょう。
都心と違い、地方は車がなければ買い物すらできないこともあります。駐車場がない物件の場合は、敷地外駐車場を確保できるか確認しておくことが重要です。
地方での不動産投資を成功させるためのポイント
地方での不動産投資を成功させるには、地域の特性を深く理解することが重要です。そこで、次の3つのポイントを紹介します。
- 人口50万人以上の地域を選ぶ
- 信頼できる管理会社を見つける
人口50万人以上の地域を選ぶ
いずれ売却する「出口戦略」を見越すと、不動産投資は流動性の高いエリアで始めることが重要です。流動性が低いと売却に苦労し、その間の維持費や税金などが負担になるかもしれません。
都心と同程度の流動性を確保するために、せめて人口50万人以上、できれば100万人以上のエリアを選びたいところです。人口の多い地方の都市は、札幌市や仙台市、広島市、福岡市、北九州市などが挙げられます。
信頼できる管理会社を見つける
遠隔地に物件を取得した場合、自分で物件の管理を行うのは現実的ではありません。そのため、基本的に清掃や入居者からのクレーム対応、家賃回収といった管理業務を管理会社に委託することになります。その品質が低いと、空室が埋まりにくかったり入居者の退去につながったりしてしまうでしょう。
不動産投資は東京圏・関西圏の物件がおすすめ
不動産投資は、都心部や大都市の代表といえる関西圏の物件がおすすめです。金融機関の審査基準のひとつとなる積算価格が高い物件が多いため、融資を受けやすくなります。
地方よりも人口流入が見込め、経済の安定や賃貸需要の拡大が期待できる他、賃料水準が高い点も有利です。全国賃貸管理ビジネス協会がまとめた資料によれば、2024年1月の1部屋の賃料は東京都で7万2,802円、大阪府で5万5,787円で、全国平均の5万2,015円を上回っています。
また、東京圏・関西圏であれば地方よりも売却しやすいため、出口戦略の視点で見ても優れています。特別な理由や確たる勝算がない限り、東京圏・関西圏の不動産投資のほうが有望な選択といえるでしょう。
まとめ
地方の物件で不動産投資に取り組む場合は、空室リスクの高さや売却のしにくさといったデメリットがあることを念頭に置いて検討しましょう。特別な理由や勝算がない限り、東京圏・関西圏などの賃貸需要が安定し、資産価値の向上が見込めるエリアで取り組むことがおすすめです。
とはいえ、投資である以上、東京圏・関西圏の物件にもリスクはあります。地域や市場の特性を慎重に分析し、投資計画を立てることが重要です。
ファミリーコーポレーションでは、お客さまの投資目的や状況に合わせた多角的なご提案が可能です。東京圏・関西圏に限定した未公開物件も豊富に取り扱っています。まずはお気軽にお問い合わせください。