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節税対策

不動産投資で節税が可能|節税の仕組みや向いている人・物件を解説


目次

    不動産投資は所得税や相続税の節税効果が期待できます。一方で、不動産投資は専門性が高いため、節税に成功したとしてもトータルの収支ではマイナスになってしまう可能性があることから、節税の仕組みやポイントをおさえておく必要があります。

    本記事では不動産投資によって期待できる「節税効果」や、「不動産投資を用いた節税に向いている人」「物件ごとの特徴」について詳しく解説します。個人で節税対策に不動産投資を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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    不動産投資で可能な節税対策とは

    計算機とビルの模型を持ったスーツ姿の女性

    不動産投資で節税できる税金は以下の通りです。

    所得税・住民税会社から支払われる給与や不動産所得などに対して課される
    贈与税他人から贈与された財産に対して課される
    相続税故人から相続した財産に応じて相続人に課される

    不動産投資によって節税効果が期待できる理由を次の項目から詳しく解説します。

    不動産投資で期待できる節税効果(1):所得税・住民税

    木でできた天秤の上に乗っている一戸建ての模型と積まれたコイン

    不動産投資を行うと所得税・住民税の課税対象額を圧縮できるため、節税効果を得られます。所得税・住民税の課税対象は会社から支払われる給与や不動産所得であり、以下の方法で節税できます。

    • 経費計上
    • 損益通算
    • 法人化による所得税率の軽減

    所得税・住民税の節税についてさらに詳しく説明します。

    不動産所得とは

    不動産投資の利益である「不動産所得」で課税されるのは、収入そのものではなく、収入から経費を差し引いた額です。

    不動産所得=不動産投資の収入-必要経費

    収入には、「家賃収入」の他、以下のようなものも含みます。

    • 駐車場の賃貸料
    • 賃貸借契約の更新に伴う更新料
    • 賃貸借契約の締結時に受け取る礼金
    • 敷地内に設置された広告や自動販売機の設置に伴う収入

    これらの収入の合計から必要経費を差し引いた額に、所得税の税率を乗じて所得税額を算出します。

    課税される所得金額税率控除額
    1,000円~ 194万9,000円5%0円
    195万円~329万9,000円10%9万7,500円
    330万円~694万9,000円20%42万7,500円
    695万円~899万9,000円23%63万6,000円
    900万円~1,799万9,000円33%153万6,000円
    1,800万円~3,999万9,000円40%279万6,000円
    4,000万円~45%479万6,000円

    (参考:『所得税の税率|国税庁』

    所得税に加えて住民税(所得割で一律10%)も納めます。

    経費計上における注意点

    不動産投資で発生するさまざまな必要経費を計上し、課税対象額を減らすと節税効果が期待できます。不動産投資で経費計上できる主な費用は以下の通りです。

    • 租税公課(固定資産税、都市計画税、登録免許税など)
    • 保険料(火災保険料、地震保険料、損害保険料など)
    • 支払利息(不動産投資ローンの利息)
    • 修繕費(壁紙および畳の張替え・設備修繕など)
    • 管理費(管理会社に支払う費用)
    • マンション管理費や修繕積立金(区分マンションの場合は管理組合に支払う)
    • 交通費(物件の下見や打ち合わせを行う場所への移動費)
    • 通信費(電話代・インターネット代)
    • 広告費(入居者募集時にかかる広告掲載費)
    • 報酬(税理士・司法書士などに支払う)
    • 消耗品費(プリンター・デジカメなどの購入代金)
    • 新聞図書費(情報収集のために購入した新聞や書籍の代金)
    • 減価償却費(物件の経年劣化に相当する金額)

    税金は、固定資産税や都市計画税などは費用計上できますが、所得税・住民税はできません。また、ローンの返済額のうち利息部分は計上できますが、元本部分は計上できない点に注意しましょう。

    損益通算による所得税の節税

    損益通算とは不動産所得で発生した赤字を他の所得(給与所得など)と相殺する計算方法をさします。課税所得が多く税率が高い場合は「不動産所得の赤字分」と「給与所得の黒字」を損益通算すると課税対象額が減るため、所得税の節税効果を得られます。なお、損益通算を行うと所得割(所得に応じた負担額)がおさえられ、住民税も節税可能です。

    損益通算で節税対策を行うには、経費計上できるさまざまな費用で不動産所得を圧縮し、赤字にする必要があります。中でも減価償却費は毎年経費計上できる金額が大きく、節税対策を行う上で大きなインパクトを持ちます。

    減価償却費とは建物の経年劣化による「資産価値の目減り」を示す経費であり、実際の支出が発生しません。資産価値の目減りは実際の支出を伴う修繕費とは分けて考えるため、賃貸経営が黒字であっても帳簿上の赤字を生み出し、損益通算を行えます。ただし、経年劣化しない土地の価格は減価償却費として計上できないので要注意です。

    減価償却費と減価償却期間は物件の法定耐用年数によって決まります。物件の法定耐用年数は構造ごとに決められており、主な年数は以下の通りです。

    構造法定耐用年数
    軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm以下)19年
    軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下)27年
    重量鉄骨造(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの)34年
    木造22年
    鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造47年

    (参考:『耐用年数(建物/建物附属設備)|国税庁』

    耐用年数が長い鉄筋コンクリート(RC)造・鉄筋鉄骨コンクリート造の建物は、木造の建物などと比較して1年ごとの減価償却費が小さくなります。築年数が浅い物件も、耐用年数の残存期間が長いため同様です。毎年の節税効果を大きくとりたい場合は、築年数が経過した木造物件のほうが有利です。

    法人化による所得税の節税

    個人事業主として不動産投資する場合、個人の所得に対して所得税が課せられます。家賃収入を得る場合は不動産所得、不動産を売却した場合は売却益を譲渡所得として計上し、それぞれ別の税率での税金が発生します。

    一方、法人化して投資した場合、不動産所得や譲渡所得にかかわらず法人の所得として法人税が課せられます。この仕組みから、課税所得が800万円を超えると所得税率よりも法人税率のほうが低くなるため、法人化により節税できる可能性があります。資本金1億円以下の法人に課せられる税金は以下の通りです。

    • 課税所得800万円以下の部分…15%
    • 課税所得800万円を超える部分…23.2%

    個人の場合、課税される所得が多いほど税率が高くなる累進課税が適用されます。以下の表の通り、個人に対して課税される所得税の税率は最大で45%です。

    課税される所得金額
    (1,000円未満の端数金額は切り捨て)
    所得税率控除額
    1,000円以上195万円未満5%0円
    195万円以上330万円未満10%97,500円
    330万円以上695万円未満20%42万7,500円
    695万円以上900万円未満23%63万6,000円
    900万円以上1,800万円未満33%153万6,000円
    1,800万円以上4,000万円未満40%279万6,000円
    4,000万円以上45%479万6,000円

    例えば、課税される所得金額が800万円の場合、所得税は以下のように計算します。

    所得税の課税対象額800万円 × 税率23% - 控除額63万6,000円 = 所得税額120万4,000円

    一方で、同金額で法人が課される法人税は以下の通りです。

    所得金額800万円 × 法人税の税率15% = 法人税120万円

    このように、個人よりも法人のほうが支払う税金がおさえられる結果となりました。

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    ちなみに、法人であれば不動産の売却時も損益通算ができます。個人での売却益は他の区分の所得と分けて所得税を計算する「分離課税」となりますが、法人は家賃収入も売却益も合わせて計算する「総合課税」扱いになるためです。

    ただし、法人化には定款認証料や登録免許税などの初期費用がかかります。また、個人事業主よりも複雑な手続きが必要になることがほとんどで、個人の知識で対応するのは難しいかもしれません。そのため、税理士に依頼するのが一般的ですが、もちろんその依頼費用も用意する必要があります。

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    不動産投資で期待できる節税効果(2):贈与税

    贈与税は以下の方法によって節税効果を期待できます。

    • 不動産の評価額を下げる
    • 相続時精算課税制度を利用する

    贈与税の節税効果について次の項目で解説します。

    評価額を下げることによる節税効果

    現金の贈与は全額が相続税の課税対象となりますが、不動産を贈与する場合は時価より低い金額が課税対象となるため、節税効果が得られます。

    土地は面積に相続税路線価をかけた路線価方式で算出し、課税対象は時価の8割程度となります。建物は固定資産税評価額から算出されます。居住用や事業用に使っている場合は固定資産税評価額がそのまま課税対象額です。一方で、賃貸物件である場合は第三者に貸している割合(借家権割合)が高いほど課税対象が低くなります。

    贈与税は以下の計算式を使って算出されます。

    (受け取った財産額 - 贈与税の非課税枠110万円) × 税率 - 控除額

    該当する税率と控除額は相続税評価額によって異なり、以下の表の通りです(一般贈与財産の場合)。

    基礎控除後の相続税評価額税率控除額
    200万円以下10%0円
    300万円以下15%10万円
    400万円以下20%25万円
    600万円以下30%65万円
    1,000万円以下40%125万円
    1,500万円以下45%175万円
    3,000万円以下50%250万円
    3,000万円超55%400万円

    例えば2,000万円を現金・不動産それぞれで贈与を受けた場合、以下の金額となります。

    《現金で贈与された場合》
    現金:2,000万円
    相続税評価額:2,000万円

    (受け取った財産額2,000万円 - 110万円) × 税率50% - 控除額250万円 = 相続税695万円

    《賃貸不動産で贈与された場合》
    物件:時価2,000万円の賃貸アパート
    相続税評価額:1,400万円

    (評価額1,400万円 - 110万円) × 税率45% - 控除額175万円 = 相続税405.5万円

    現金より不動産を贈与した場合のほうがかかる贈与税が少なくなる結果となりました。

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    相続時精算課税制度を利用するのも選択肢の一つ

    相続時精算課税制度は、2,500万円までの財産を贈与しても贈与税の課税対象とならない制度です。2024年1月1日以降、2,500万円とは別に、年間110万円までの基礎控除も設けられました。年110万円以下の贈与であれば非課税であり、2,500万円の特別控除枠に加算する必要はありません。

    しかし、相続時精算課税制度を利用して贈与した財産は相続時に相続財産とみなされ、相続税の課税対象となるため、通常は節税効果を得づらく、注意が必要です。

    一方で、贈与時から相続時までに贈与財産の時価が大幅に上がる場合は相続税の節税につながります。

    例えば5年後の相続発生時に、時価が1,000万円から2,000万円に上がる財産を贈与するケースです。時価が1,000万円の段階で相続時精算課税制度を利用して贈与すると、相続する時点で時価が2,000万円に上がっていても贈与時の時価1,000万円に対して相続税が課税されるため節税できたといえます。

    損をするケースもあるので注意

    相続時精算課税制度はうまく利用すれば節税効果が見込めますが、以下のケースでは損をしてしまうため、注意が必要です。

    • 一度、相続時精算課税制度を利用すると次の贈与(年間110万円以上)からは課税対象となる
    • 贈与時に比べて相続時の資産評価額が下落したとき

    相続時精算課税制度は2,500万円までが無税で贈与できますが、相続発生時に相続税として納税します。実質的には納税の先送りであるため節税効果を得られない場合が多いです。節税対策に有効に働くケースは、贈与から相続時までの間に時価が大幅に上昇した場合です。

    相続時精算課税制度を用いた節税対策の成功事例は以下の通りです。

    1. 地価が大幅上昇すると見込まれる土地を1,000万円で購入し、相続時精算課税制度を用いて息子に贈与した。
    2. 5年後、見込み通り土地の時価が1,000万円から2,000万円に急上昇した。
    3. 相続が発生したため、贈与時の1,000万円をもとに相続税の計算を行った。2,000万円の土地を相続されたにも関わらず贈与時の金額をもとに算出したため、大きな節税効果を得られた。

    上記のように、相続時精算課税制度は時価の上昇が望める場合は節税対策として有効な手段になります。

    不動産投資で期待できる節税効果(3):相続税

    相続税の申告書、贈与税の申告書、印鑑ケースと朱肉

    相続税も贈与税と同様に不動産投資を行うと節税効果が期待できます。相続税の節税効果について、次の項目で解説します。

    評価額を下げることによる節税効果

    相続税・贈与税を節税する場合は、税額のもととなる相続税評価額をいかにおさえられるかがポイントです。現金を相続された場合は金額の100%が相続税評価額となります。一方で、不動産で相続した場合の相続税評価額は時価から2〜3割低い金額となるため、大きな節税効果を得られます。

    また、相続に用いる物件が1棟アパートやマンションであった場合、賃貸割合によってさらに大きな節税効果が得られます。賃貸割合とは賃貸として部屋を第三者に貸与している割合であり、入居率が高いほど相続税評価額が下がります。

    相続税を算出する計算式は以下の通りです。

    建物評価額 = 建物の固定資産税評価額 × ( 1 - 借家権割合 × 賃貸割合 )

    また、物件自体の収益も見込めるため、相続後も安定した収益源となります。

    相続税対策は必要性が高まっている

    相続税対策の必要性が高まっている理由は次の2つが挙げられます。

    • 平成27年度の法改正により基礎控除額が減額された
    • 少子化により法定相続人の数が減少している

    平成27年度に基礎控除額が改正され、以下の表の通りとなりました。

     平成26年度まで平成27年度以降
    相続税基礎控除額の計算式5,000万円 +(1,000万円 × 法定相続人の数)3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

    基礎控除が減額されたことに加え、少子高齢化により法定相続人が少なくなっている社会的背景が重なり、相続税の課税対象者が大幅に増加している状況です。そのため相続税対策は非常に身近であるといえ、必要性が高まってきています。今後いつ基礎控除額の改正があるかもわからないため、相続税対策は非常に身近なものになったといえます。

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    不動産投資で節税することに適している人の条件

    星形の葉っぱ、〇のプレート、×のプレート、?のプレート、節税と書かれたプレート、計算機

    不動産投資での節税に向いているのは以下のような人です。

    • 課税所得が900万円以上の人
    • 相続税対策が必要な人
    • 家族に財産を譲渡し節税したい人

    不動産投資での節税に向いている人の条件を次の項目で解説します。

    課税所得が900万円以上の人

    課税所得が800万円を超える方の所得税率は23.2%ですが、900万円を超えると33%へと大幅に上昇するため、節税対策を行ったほうがよいといえます。

    減価償却による節税効果を得たい場合は耐用年数が経過した築古物件がおすすめです。1年あたりで減価償却できる金額は減価償却期間が短いほど多くなるため、築古物件であれば大幅に所得を圧縮できます。例えば木造アパートの減価償却期間は新築で「22年」ですが、築30年の中古物件であれば減価償却期間はわずか「4年」であり、1年あたりで減価償却できる金額が大幅に増えます。

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    相続税対策が必要な人

    基礎控除を踏まえた上で相続税が課されると確定している人は相続税対策が必要です。相続税対策で用いられる方法は以下の通りです。

    • 暦年贈与を利用して課税遺産総額を圧縮する
    • 資産の組み換えを行い相続税評価額を下げる

    暦年贈与は毎年非課税で贈与できる制度ですが、年間110万円が上限であるため大きな相続税対策にはなりません。定期的に贈与していると110万円を超えてしまうというミスが起き、贈与税が課されるリスクを伴います。また、暦年贈与は廃止が検討されているため、今後の動向を注視していかなくてはいけません。

    相続税対策を行いたい方は現金を不動産などの資産へ組み換えて、相続税評価額を圧縮するなどの方法を考えましょう。

    家族に財産を譲渡し節税したい人

    暦年贈与や相続時精算課税制度をうまく活用すれば、家族に財産を非課税で譲渡することは可能です。しかし、暦年課税は廃止が検討されており、また相続時精算課税制度は基本的に「課税の先送り」です。

    少しでも納める税金をおさえて家族に財産を譲渡したい人は不動産投資がおすすめです。不動産投資を法人として行い、家族を従業員とすれば支払った金額は経費計上できます。所得が少なく、所得税率が低い家族に支払うことでより効果的な節税が可能です。

    また、前述の通り、所得が多い人は個人よりも法人のほうが税金の支払いが少なくなる場合もあり、法人化自体にも節税効果が期待できるため、納める税金を大幅に圧縮した上で譲渡ができます。

    節税に向いている物件

    計算機とアパートの模型

    節税対策に向いているのは、単年の減価償却費が大きく取れる中古物件です。ここでは具体的なシミュレーションを交えて、中古物件が節税対策にいかに有効であるかを解説します。

    木造中古アパートは節税に向いている

    築古アパートは一般的に木造のことが多く、RC造のマンションと比較して償却期間が短いです。築古の建物の償却期間は以下の計算で求めます。

    耐用年数を超えた場合:法定耐用年数×20%
    耐用年数の一部のみを経過した場合:法定耐用年数-経過年数+耐用年数×20%

    仮に、築30年の木造アパートを2,000万円で購入した場合を見てみましょう。

    償却期間:22年×20%=4.4年=端数を切り捨て4年
    償却費:2,000万円×0.250(償却率)=500万円

    一方、築30年のワンルームマンション(RC造)を2,000万円で購入した場合は次の通りです。

    償却期間:47年-30年+30年×20%=23年
    償却費:2,000万円×0.044(償却率)=88万円

    築古アパートの場合は年間500万円の減価償却費を計上できるのに対し、ワンルームマンションでは88万円です。このように1年間で計上できる減価償却費が大きく異なるため、節税効果を狙う上では減価償却費を事前に計算しておくことが大切です。

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    新築区分マンションは節税に向いていない

    新築区分マンションは減価償却期間が長く、1年間で計上できる減価償却費が少ないため節税に向いていません。

    例えば、法定耐用年数が47年の鉄骨鉄筋コンクリート造の新築区分マンションを5,000万円で購入した場合、1年あたりで経費計上できる減価償却費は約100万円程度です。

    一方で、築10年の木造アパートを5,000万円で購入した場合は、およそ350万円を減価償却費として経費計上が可能です。

    節税効果を目的に不動産投資を行う場合は、1年あたりの減価償却費を多く経費計上できる中古アパートがおすすめです。

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    不動産投資の節税ができなかった失敗例

    家の模型、積み上げられたコイン、右肩下がりの矢印

    「不動産投資での節税は嘘」という意見もあります。そういわれる理由の一つは、節税の仕組みをよく理解せずに失敗してしまった方が多いためでしょう。また、税金の仕組みには難しい一面があることも事実です。

    しかし、失敗を避けるためには、営業トークなどを鵜呑みにせず自ら検証することも必要です。ここでは、不動産投資でよくある失敗例を2つ解説します。

    失敗例(1)

    相続税対策になると聞いて不動産を購入したものの、売却時に想定よりも低い価格でしか売れなかったため、節税した金額よりも大きい金額の売却損が発生した。

    1億円の相続税評価額は額面通り1億円ですが、1億円で購入した不動産の場合、7,000〜8,000万円の評価額となるのが一般的です。

    不動産購入額と相続税評価額の乖離を利用した相続対策の手法はよく知られています。このため、相続税対策として不動産投資を始める方も少なくありません。

    とはいえ、不動産はいつでも希望額で売却できるとは限りません。相続税対策として購入したものの、「管理が面倒」「お金が必要になった」といった理由で被相続人が不動産の売却を検討する場合もあるでしょう。

    このタイミングですぐに買い手が付けばよいですが、そうでない場合、大幅に価格を下げざるを得ないかもしれません。また、不動産は年数が経過すればするほど資産価値が減少します。相続税対策重視で割高な、あるいは高額な不動産を購入すると、想定外の結果に涙を飲む可能性があります。

    失敗例(2)

    所得税・住民税の節税を狙いワンルームマンションを購入。しかし、減価償却費の計上があまりできず、思うほど節税効果を得られなかった。その上、家賃収入よりもランニングコストやローン返済が大きくなり、毎月手出しが発生してしまう状況に陥ってしまった。

    初期費用を比較的おさえて投資できることから人気のワンルームマンション投資ですが、ワンルームマンションはRC造が一般的です。償却期間が47年と長く、1年で計上できる減価償却費は低めなのは述べた通りです。

    例えば1,000万円のワンルームマンションを購入した場合、「1,000万円×0.022(償却率)」の計算式で、1年の減価償却費は22万円です。22万円が多いか少ないかの判断は人それぞれですが、仮に木造の一棟アパートを購入した場合、償却期間は22年となり「1,000万円×0.046(償却率)」で46万円の計算になります。節税を目標とするなら後者のほうが有利といえるでしょう。

    【購入時】

    • 家賃収入:7万円/月
    • 管理費:1万円/月
    • ローン返済額:5万円/月
    • 固定資産税・都市計画税:6万円/年
      →月5,000円の利益

    【数年後】

    • 家賃収入:6万円/月
    • 管理費:1万5,000円/月
    • ローン返済額:5万円/月
    • 固定資産税・都市計画税:6万円/月
      →月1万円の赤字

    購入に関する諸費用を経費計上できるため、運用の初年度はプラスになることが多いものの、2年目以降は節税額を計算に入れてもマイナスになることが少なくありません。

    さらに、新築物件は人気がありますが、「1度誰かが住んだら中古物件扱い」になるため要注意です。ワンルームマンションは経年劣化や競合物件の出現で家賃を下げざるを得なくなる可能性も高いです。

    さまざまな変動リスクを軽視してしまった

    不動産投資はマンションやアパートなど物件の種類によってカテゴリ分けされますが、物件の一つ一つは異なる個性を持っています。個別性が強いからこそ、他の方が上手くいった不動産投資のやり方をまねてもうまくいくとは限りません。

    また、時間が経てば物件の周辺環境や不動産投資を取り巻く環境は変化していきます。過去に成功したやり方が現在も通用するとは限りません。

    不動産投資で節税する際の注意点

    青いシャツを着た男性、アパートの模型

    不動産投資を行う目的の一つとして節税を挙げる方が増えていますが、以下の点に注意する必要があります。

    • 節税目的だけで不動産投資に取り組まない
    • 専門家のサポートを受ける
    • 不動産投資に必要な知識を身に付ける

    不動産投資で節税する際の注意点について、次の項目で解説します。

    節税目的だけで不動産投資に取り組まない

    不動産投資を行う際は、節税だけを目的として取り組むべきではありません。ときに節税効果以上の損失が生まれてしまう可能性もあります。

    節税目的で不動産投資を始めたものの投資に失敗した事例の代表は、「ワンルームマンション投資の減価償却費が少なかった」ですが、他にも以下のケースが挙げられます。

    ≪失敗事例≫

    1. 不動産会社から節税になると聞いて不動産投資を始めたが入居率が悪く、収益が赤字となった
    2. 物件を購入した不動産会社や管理会社に経営の立て直しの相談をしたものの真摯に対応してもらえず、収益が黒字になる見込みが立たない
    3. 節税できなかったら売却しようと思っていたものの、物件の立地が悪かったため売れず、売れるころには築年数が経過してしまい、大幅な売却損が発生した

    本来の不動産投資の目的は節税だけではなく、家賃収入および購入価格と売却価格の差益を得るためであるため、収益が見込める物件への投資が必要です。

    専門家のサポートを受ける

    不動産投資にはさまざまな知識が必要であり、専門知識のない方が独自の考えで判断するのは危険です。

    不動産投資は投資である以上はリスクが伴うため、税理士や不動産会社など専門家のサポートが必須であると考えるべきです。なお、専門家にサポートを依頼する場合は費用が発生するため、あらかじめ予算に組み込んでおくと安心です。

    最も身近で頼れる専門家は不動産会社です。サポートを受ける際は以下のチェックポイントをおさえ、信頼できるかどうか総合的に判断するのがよいでしょう。

    • 高い販売実績を記録しているか
    • お客さまの声を公開しているか
    • 物件の事情を理解しているか
    • 非公開の物件情報を保有しているか
    • 税理士や弁護士などの士業と取引があるか
    • 不動産投資に関する豊富な知識を持っているか
    • 担当者がアドバイスをくれる方であるか
    • 物件のメリットだけでなくリスクも説明してくれるか
    • 手厚いアフターフォローが受けられるか
    • 顧客に合わせて物件選びをしてくれるか

    上記以外にも担当者との相性も非常に大切です。もし相性が合わないと感じたら担当者を変えてもらうのも一つの手段です。

    不動産投資に必要な知識を身に付ける

    投資に関する正しい判断を行うためには、不動産投資の正しい知識を身につける必要があります。「どう入居者を集めるか」「どう節税するか」などの方針を、オーナーは自らの判断で進めなければなりません。

    不動産投資を行う前に身に着けるべき知識は主に以下の通りです。

    • 不動産投資のノウハウ
    • 物件の選び方・購入方法
    • 賃貸管理についての法律

    知識を得るには書籍やインターネットサイトの閲覧から始めるのがおすすめです。書籍やインターネットで、ある程度の投資の知識が身についたらセミナーへ参加しましょう。セミナーにはさまざまな内容があり、開催日によって得られる情報も異なるため、自分が知りたい情報を明確にしたうえで申し込むのが大切です。

    確定申告や相続など税務関係の知識を学ぶ

    不動産投資による節税対策で失敗しないためには、税金に関する知識が必須です。確定申告のやり方や期限など、基本的な知識はおさえておきましょう。

    確定申告には白色と青色の2種類があります。青色を選ぶと最大65万円の特別控除を受けられますが、事業(不動産投資)を開始した日(物件購入の決済日や不動産の貸付を始めた日)から2か月以内に開業届を税務署に提出しなければなりません。

    また、相続に関しても基礎控除額の変更や最高税率の引き上げなど、過去の規定から変更されているものが複数あるため、最新の税制を把握することが重要です。必要に応じて税理士など専門家に相談するとよいでしょう。

    まとめ

    不動産投資は節税対策として非常に有効な手段です。不動産は減価償却を行うと毎年減価償却費を経費計上し所得を圧縮できるほか、不動産投資の赤字金額をその他の所得(給与所得など)と損益通算も行えます。

    一方で、節税のみを目的とした不動産投資はリスクが伴うとおさえておきましょう。節税のみを目的とした不動産投資を行った結果、毎月赤字経営になってしまい、節税効果以上に損失の方が大きくなってしまったという事態につながりかねません。不動産投資を行う際は、家賃収入や売却費用など、トータルの収支で利益が出るかどうかもシミュレーションしておきましょう。

    不動産投資を成功させるためには正しい知識が必要不可欠です。知識は不動産投資の関連書籍やセミナーから得ることができます。また、知識が身に付いたとしても専門家からのサポートを受けながら行うと非常に安心です。もし不動産投資の最中にわからないことや不安なことがあれば、積極的にサポートをしてもらいましょう。

    不動産投資に興味をお持ちの方は、ぜひファミリーコーポレーションへご相談ください。ファミリーコーポレーションは、東京圏・関西圏における中古アパートの販売実績がナンバーワンであり、サイトに掲載していない未公開物件も多数保有しています。また、不動産投資をこれから始めたいと考えている方のために、さまざまなセミナーを開催しています。お客さまの疑問やお悩みを解決できる他、不動産投資に関する知識を深めていただくことも可能です。不動産投資に興味がある方は、ぜひファミリーコーポレーションまでお問い合わせください。

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