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資産形成

不動産投資は副業になる?|会社員に向いている点と気を付ける点を解説


目次

    会社員の中には不動産投資を行いたいと考えている方も多いでしょう。不動産投資は安定した収入源になるほか、節税対策としても有効であるため多くの人に資産運用の一環として選ばれています。

    一方で副業を禁止している会社に勤めていると、不動産投資を行っても問題ないか疑問に思っている方も多いかと思います。

    本記事では「不動産投資を行うために必要なこと」や「会社員が不動産投資を行うメリット」「不動産投資を行う際の注意点」を紹介します。不動産投資を副業として始めたい方はぜひ本記事を参考にしてください。

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    会社員の不動産投資は副業として該当しない場合が多い理由

    会社員の不動産投資が副業として該当しない理由は以下の通りです。

    • 会社の業務に悪影響を及ぼすことが少ないため
    • 憲法で職業選択の自由が認められているため
    • 不動産投資は資産運用の一つであるため
    • 相続で不動産投資を引き継ぐ場合があるため
    • 本業の情報が遺漏することが少ないため

    会社の業務に悪影響を及ぼすことが少ないため

    会社員の不動産投資は本業への悪影響が少ないため副業禁止の範囲に入らないケースが多いです。

    多くの会社は本業に悪影響を及ぼす可能性を理由に就業規則で副業を禁止にしています。たとえば本業の勤務が終わってから、居酒屋などで深夜遅くまでアルバイトをすると翌日の業務に支障をきたす可能性があるからでしょう。

    一方で、不動産投資は物件管理や家賃回収などの管理業務を管理会社に委託すれば手間をかけずに運用が可能なため、多大な時間や労力を費やすようなことはありません。また、同じ投資でも株式のデイトレードやFXであれば四六時中株価や為替レートの動向をチェックしなければならず、本業への影響が大きいですが、不動産投資であれば必要な労力は少なく済みます。

    就業規則で禁止と明記されていない限り副業として行えるとおさえておきましょう。

    憲法により職業選択の自由が認められているため

    日本国憲法で「職業選択の自由」が国民の権利として認められているのも会社員が不動産投資を副業で行える理由の一つです。

    日本国憲法第22条第1項では「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と記載されています。よって、公共の福祉に反しない限りは不動産投資を副業として行っても問題はありません。

    裁判所も「副業は原則として自由」という認識であり、最近では副業を認めている会社が増えてきています。また、厚生労働省も「働き方改革実行計画」で副業・兼業を促進しており、国も会社員の副業をバックアップしています。

    ただし、就業規則で明確に禁止されているのにも関わらず、不動産投資をしていることが発覚してしまうと、何らかのペナルティを受ける可能性があります。

    不動産投資は資産運用の一つであるため

    会社員が不動産投資を副業として行えるとされる大きな理由は、一般的に資産運用が副業に該当しないためです。投資信託や株式投資などの資産運用は多くの会社でも認められており、不動産投資も同様です。

    一方で、不動産投資は一定以上の規模を超えると事業としてみなされる場合があるため注意が必要です。事業的規模としての扱いを受ける基準は「5棟10室」といわれる以下の基準を超えて不動産投資を行った場合です。

    アパート等独立した室数がおおむね10室以上
    独立家屋おおむね5棟以上

     

    上記の規模未満で不動産投資をするのであれば事業ではなく資産運用とみなされるため、一般企業に勤める会社員はもちろん、副業禁止の規定が厳しい公務員でも行ってよいとされるケースが多いです。

    相続により不動産を引き継ぐこともあるため

    不動産投資が副業に認められる理由として、相続や譲渡で親族からアパートを譲り受けるケースが加味されている点が挙げられます。

    相続でアパートを譲り受けると、伴って賃貸経営も承継しなければならないケースが多いです。もし、勤務先が就業規則で不動産投資を禁止にしていると、相続財産の取得が阻害されてしまい、「財産権の侵害」に該当する可能性があります。また、入居者保護の観点からも賃貸経営を途中でやめるのも望ましくありません。

    したがって会社員や公務員の不動産投資や賃貸経営は一概に禁止できず、事業的規模で行わない限りは副業として行えます。

    本業の情報が漏洩することが少ないため

    本業の情報が外部に漏洩する可能性が低い点も不動産投資を副業として行える理由の一つです。

    会社の中には機密情報漏洩リスクがあるため、副業を禁止しているケースがあります。たとえば不動産賃貸会社に勤務している人が不動産投資を行い、賃貸物件を探している顧客に自分が所有している物件への入居を斡旋すると利益相反行為になります。

    一方で、会社の機密情報が流出する事態が考えづらい業種であれば不動産投資を副業で行ってもリスクが少ないため認められている傾向があります。中には副業自体は禁止していても不動産投資であれば容認している会社もあります。

    本業との関連性を考えてみるとよいでしょう。

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    不動産投資が副業に該当する場合

    不動産投資が副業に該当しないケースは多いものの、以下のような例外も存在します。

    • 不動産投資を事業的規模で行う場合
    • 公務員や金融機関に勤めている場合

    次の項目からは不動産投資が副業として該当するケースの具体例を紹介します。

    不動産投資を事業的規模で行う場合

    不動産投資を事業的規模で行うと副業としてみなされてしまう場合があります。事業的規模として扱われるには前述の「5棟10室」という基準を超えて不動産投資を行った場合です。

    したがって、副業として不動産投資を行う場合は「5棟10室」未満で行うのが重要なポイントです。

    公務員が不動産投資をする際も同様であり、「5棟10室」未満であれば、国家公務員法第103条ないし第104条や地方公務員法第38条には違反しないため、行っても問題ありません。一方で、国家公務員の副業は人事院規則による規定もあるため、次の項目で詳しく解説します。

    公務員や金融機関に勤めている人は注意が必要

    公務員や金融機関に勤めている人が副業として不動産投資をする場合は、法律や人事院規則、服務規律などによる制約があるため、特に注意が必要です。法律や服務規律などに違反して副業として不動産投資をすると懲戒処分の対象になる可能性があります。

    国家公務員は国家公務員法第103条ないし第104条で兼業(副業)は原則として禁止されていますが、「5棟10室」未満での不動産投資であれば行っても問題ありません。ただし、国家公務員は人事院規則14-8の規定により、年額500万円を超える不動産収入が発生する不動産投資は事業的規模と判断されるため禁止されています。

    地方公務員も地方公務員法第38条の規定で、不動産投資を事業として行うことは禁止されています。しかし「5棟10室」未満であれば、不動産投資をしても問題ありません。

    公務員以外にも、金融機関に勤めている人は投資に関する規制が細かく定められています。勤務先の金融機関によっては不動産投資が禁止されている場合があるため注意が必要です。

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    会社員が不動産投資を副業にする場合の注意点

    会社員が副業で不動産投資を行うには以下の4点に注意が必要です。

    • 就業規則で副業が禁止されていないか確認する
    • 物件管理は管理会社に委託する
    • 規模は5棟10室未満にする
    • 確定申告を行う

    次の項目からは不動産投資を副業で行う際の注意事項を解説します。

    就業規則で副業が禁止されていないか確認する

    会社員が不動産投資を副業で行う際は、就業規則で禁止されていないかを確認するのが大切です。事業的規模で行わない限りは不動産投資を行っても問題ないとされるケースは多いですが、就業規則で禁止にしている会社も少数ながら存在します。

    就業規則を読んでもわからない場合は、勤務先の人事部や総務部などに問い合わせてみましょう。不動産投資を始めてから禁止されていると判明すると、思わぬ損失が発生する場合もあります。

    ほとんどの会社では副業で不動産投資をしても問題ありませんが、無用なトラブルを避けるためにも、事前に就業規則を確認しておきましょう。

    物件管理は管理会社に委託する

    会社員が副業で不動産投資を行う際には管理業務を管理会社に委託するのが安心といえます。物件管理をオーナー自身で行うと、本業に支障をきたす可能性が高くなります。

    不動産投資をする際には家賃徴収や入居者の募集、共用部分の清掃などの管理業務が発生します。管理業務は多岐にわたる上、非常に煩雑であるため、費用はかかるものの管理会社に委託するのが安心といえます。

    物件管理を管理会社に委託すると入居者の募集などの管理業務は管理会社に一任できます。オーナー自身は特に何をする必要もなく、不動産投資による家賃収入が得られる大きなメリットがあります。

    また、物件管理をオーナー自身で行うと事業と見なされる場合もあり、会社から不動産投資を禁止される可能性があります。本業に支障をきたさないためにも物件管理は管理会社に委託するようにしましょう。

     

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    規模は5棟10室未満にする

    会社員が不動産投資を副業にするのであれば、物件の規模は「5棟10室」未満である必要があります。5棟10室以上の物件で不動産投資をすると事業的規模とみなされてしまい、禁止されてしまう可能性が高くなります。

    公務員の場合は、それぞれ適用される規則・規定は異なるものの「5棟10室」以上の不動産投資は法律で禁止されています。不動産投資を副業として行う際は「5棟10室」以上にならないよう注意しましょう。

    規模によっては法人化して不動産投資を行うのも一つの手段ですが、収益が事業所得から給与所得に変わるだけで、副業禁止規定に抵触する可能性が高いため注意しましょう。

    確定申告を行う

    会社員が副業で20万円を超える所得がある場合は、確定申告をして所得税や住民税を納付する義務が発生します。不動産投資の所得には家賃収入以外にも礼金や更新料・共益費・駐車場賃料などが該当します。

    確定申告をしないと脱税になり、最大50%の重加算税が課されるため必ず行うようにしましょう。確定申告の方法には青色申告と白色申告の2種類があり、違いは以下の通りです。

    青色申告白色申告
    ・最大65万円の所得控除が受けられる
    ・複式簿記で帳簿を付けなければならない
    ・一定以上の事業規模が求められる
    ・用意する書類が少なく、手続きが簡単
    ・単式簿記で帳簿を記載可能
    ・事業規模が問われない

    確定申告をする際は、可能な限り青色申告をするようにしましょう。最大65万円の所得控除が受けられるため、大きな節税効果が得られます。

    青色申告では用意するべき書類が多く手続きが煩雑であるため、税理士に依頼するのも一つの手段であるとおさえておきましょう。

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    不動産投資が会社員に向いている理由

    不動産投資の調査を行うスーツ姿の男性

    不動産投資は以下の理由から、会社員に向いている資産運用の方法と考えられます。

    • 資金調達がしやすい
    • 管理を委託すれば本業に集中できる

    次の項目からは不動産投資が会社員に向いている理由を解説します。

    資金調達がしやすい

    会社員は毎月安定的に収入を得られるため金融機関から見て、貸し倒れのリスクが低く、個人事業主などと比べるとローン審査に通りやすい傾向があります。

    融資の条件は勤続年数や年収、保有している金融資産によっても変わり、年収の高い方や上場企業に勤めている方、担保となる不動産を保有している方等は、有利な条件になる可能性もあります。

    融資情勢は刻々と変化しているため、不動産投資をする際は最新の情報を収集しておくのが大切です。

    管理を委託すれば本業に集中できる

    不動産の管理を委託すると本業に専念できるため、不動産投資は会社員に向いているといえます。不動産投資は管理会社に管理業務を委託できるため、オーナー自身で物件管理をしなくても運用が可能です。

    オーナー自身で物件の清掃や入居者募集などの管理業務を行うことは可能ですが、手間と時間がかかり、本業と両立させるのは難しいため、管理委託するのが一般的です。24時間対応の管理会社も多く、迅速に入居者の悩みを解決できるため、結果として入居率の維持向上につながります。

    また、不動産投資で20万円以上の所得を得ると確定申告が必要になりますが、税理士に依頼すると時間と手間を削減できるため、委託するのがおすすめです。

    まとめ

    不動産投資は多大な時間や労力を費やすような投資ではないため、本業への影響が少なく、副業に該当しないケースがほとんどです。一方で、「5棟10室」以上の規模で不動産投資を行ってしまうと事業的規模であるとみなされ、副業に該当してしまうケースがあるため注意しましょう。

    不動産投資をしつつ本業を行うポイントは、物件の管理を管理会社に委託することです。管理業務は非常に煩雑であるため、委託すれば大きく手間を削減でき、本業に専念できるようになります。

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