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不動産投資のノウハウ

空室対策とは?原因の見極め方から費用別の進め方まで徹底解説


不動産投資に取り組むなかで、空室に悩んでいませんか?不動産投資において空室リスクは避けては通れない問題です。

本記事では空室が生じる原因をお伝えし、空室リスクを軽減するための対策を説明します。また「原因の見極め方」や「満室経営に向けた空室対策」も解説します。安定した不動産投資を実現したい方や「なぜ空室はできてしまうのだろうか」などの疑問を解決したい方は本記事を参考にしてみてください。

空室リスクを正しく理解し、安定した運用を継続するための対策を身につけることが成功への近道です。

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目次

    不動産投資で空室が発生する原因とは?

    vacancy-causes

    「そもそもなぜ空室が発生するのか」を理解すると、空室リスクをおさえる効果的な対策を選びやすくなります。

    ここでは、空室が発生する主な原因として、以下の3つを解説します。

    それぞれの原因について、順に見ていきましょう。

    対象物件があるエリアの人口減少

    対象物件があるエリアの人口が減少すると空室率は高まります。日本では2008年をピークに人口が減少傾向に転じており、多くのエリアで人口が減り続けています。

    総務省の2025年(令和7年)人口移動報告によると、東京都は6万5,219人の転入超過で全国最多となっています。一方で、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)全体の転入超過数は前年より縮小しました。

    (参照:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」)

    東京のように人気が高い地域でも、将来的には人口の伸びが鈍化する可能性があるため、長期的な人口予想を踏まえて投資する必要があります。
    今後人口が減少するエリアでは賃貸需要が低くなり、空室リスクがさらに高まる点を想定しておきましょう。

    賃貸物件の供給過多

    賃貸物件が新たに建設され供給過多の状態になると競合物件が増えるため空室リスクが高まりやすいです。

    再開発などによってエリア全体の価値が高まると予測されれば不動産開発業者が次々に参入し、短期間で多くの賃貸物件が建設されます。競合物件が増えた場合、ほかの物件と差別化を図らなければ入居者は見つかりません。

    人気エリアであれば徐々に人口が増えるため供給過多は一時的なものに留まり、時間とともに空室が解消されることもあります。

    しかしいつ空室が解消されるか正確な予測を立てるのは困難であるため、万が一の際の資金繰りなどを事前に考えておかなければなりません。

    村田陽祐
    執筆者より

    物件を購入した後も、周辺で新築アパートの建設計画が出ていないかは定期的に確認しておきましょう。
    競合物件が増える前に募集条件や設備を見直しておけば、空室が出たときに慌てずに対応できます。管理会社や地元の仲介会社に、エリアの募集状況を聞いてみるのもひとつの方法です。

    空室対策の不足

    空室対策が不足していると、空室が出ても入居希望者の目に留まらず、空室期間が長引きます。たとえば、次のような状態が続いていないか確認してみましょう。

    • 周辺の相場が変わっても、賃料や初期費用を見直していない
    • 募集図面や写真が古いままで、物件の魅力が仲介会社や入居希望者に伝わっていない
    • 競合物件が導入している設備(インターネット無料や宅配ボックスなど)が、自分の物件にはない
    • 管理会社に任せきりで、問い合わせ数や内見数などの募集状況を把握していない

    どれか1つでも当てはまる場合は、空室の原因を立地だけに求めるのではなく、募集条件や広告の見せ方、設備、管理会社との連携方法も見直す必要があります。まずは、周辺の競合物件と賃料・初期費用・設備を比較し、問い合わせ数や内見数、申し込みに至らなかった理由を確認しましょう。

    問い合わせが少なければ募集条件や広告内容、内見はあるのに決まらなければ室内の印象や設備など、段階ごとに原因を絞り込むことで、効果的な対策を選びやすくなります。

    空室対策は何から始める?進め方の手順

    vacancy-measures-steps

    空室対策には、退去後になるべく早く次の入居者を決めるための対策と、今いる入居者になるべく長く住んでもらうための対策の2種類があります。また、かかる費用に応じて、低コスト・中コスト・高コストの段階に分けられます。

    ただし、空室の原因を把握しないまま対策を選ぶと、費用をかけても効果が出ないおそれがあるため、まずは原因を確かめましょう。正しい順番で進めることが、費用を抑えながら空室を解消する近道です。

    この章では、空室対策を始める順序について解説します。

    1. まず自分の物件の状況を把握する
    2. 空室の原因はどこにある?6つの視点でチェックする
    3. アパートならではの空室対策のポイント
    4. 費用対効果の高い対策から着手する

    この順に進めると、費用をかけずに原因を絞り込めます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

    まず自分の物件の状況を把握する

    空室対策を始める前に、まずは物件の現状を数字で確認しましょう。確認しておきたい主な項目は以下の通りです。

    • 空室が発生してからの期間
    • 募集を始めてからの問い合わせ数
    • 内見数と、内見から申し込みに至った件数
    • 空室になっている部屋の階数・方角・間取り

    これらの数字は、管理会社に問い合わせれば確認できます。

    数字を並べてみると、入居希望者がどの段階で離れているのかが見えてきます。段階ごとに考えられる主な原因は、以下の通りです。

    状況考えられる主な原因
    問い合わせ自体が少ない賃料や募集条件が競合物件より不利、募集情報が仲介会社や入居希望者に届いていない
    問い合わせはあるが内見につながらない募集図面や写真で物件の魅力が伝わっていない、初期費用が高い
    内見はあるが申し込みにつながらない室内の印象や設備、共用部の清掃状態に不満がある

    たとえば問い合わせが少ない段階で室内をリフォームしても、効果は限られます。先に賃料や募集条件、募集の範囲を見直しましょう。

    また、空室が一部の部屋に偏っている場合は、それらの部屋の共通点を洗い出してください。1階の部屋だけが埋まらないなら防犯面や日当たり、北向きの部屋だけなら採光や湿気など、部屋ごとの弱点が見えやすくなります。

    空室の原因はどこにある?6つの視点でチェックする

    空室が発生する原因は、多くの場合、募集条件・管理会社・設備・入居者ターゲット・賃料設定・客付け活動(※)の6つのいずれかに集約できます。それぞれの視点で確認したいポイントは以下の通りです。

    視点確認するポイント対策の例
    募集条件入居条件が厳しすぎないか、初期費用が競合物件より高くないか入居条件の緩和、敷金・礼金の見直し、フリーレント
    管理会社募集が幅広く行われているか、募集状況の報告や改善提案があるか担当者との打ち合わせ、管理会社の変更
    設備競合物件と比べて設備が見劣りしていないか入居者ニーズに合った設備の導入
    入居者ターゲット立地・間取り・賃料に合う層に向けて募集できているかターゲットの再設定、募集時のアピール内容の見直し
    賃料設定周辺の家賃相場と比べて割高になっていないか募集賃料の見直し
    客付け活動仲介会社に物件情報が届いているか、募集図面や写真で魅力が伝わっているか募集図面・写真の更新、仲介会社への働きかけ、広告料の見直し

    ※客付け:仲介会社などが入居希望者を見つけ、契約に結びつける営業活動のこと

    入居者ターゲットの視点では、物件の立地・間取り・賃料から、学生・単身社会人・ファミリー・高齢者のどの層に合う物件なのかを改めて確認しましょう。大学の近くのワンルームなら学生、駅から離れていても駐車場付きの2DKならファミリー層など、立地と間取りから合う層を絞り込めます。

    ファミリー向けの間取りなのに単身者向けの設備をアピールしているといったズレがあれば、募集時の訴求内容から見直してください。

    ターゲットを広げる方法として、外国人・高齢者・生活保護受給者の受け入れもあります。詳しくは後述の「外国人や高齢者、生活保護の入居者を受け入れる」で解説します。

    管理会社から提案を受けた際は、その提案が6つのうちどの原因に対応する対策なのかを整理してから判断してください。

    たとえば家賃の値下げは「賃料設定」、広告料の増額は「客付け活動」に対する対策です。原因が客付け活動にあるのに家賃だけを下げても、物件情報が入居希望者に届かないまま、家賃収入だけが減ってしまいます。

    村田陽祐
    執筆者より

    管理会社から家賃の値下げや広告料の増額を提案されたとき、そのまま受け入れるべきか迷うオーナー様は少なくありません。
    提案を受けたら、なぜその対策が必要なのか、問い合わせ数や内見数などの根拠を管理会社に確認してみてください。根拠を聞いたうえで6つの視点のどこに原因があるかを整理すると、提案が妥当かどうかを判断しやすくなります。

    アパートならではの空室対策のポイント

    アパートは木造や軽量鉄骨造の建物が多く、鉄筋コンクリート造のマンションと比べると、防音性や断熱性で見劣りしやすいです。生活音や室内の暑さ・寒さは内見の短い時間では気付かれにくい一方、入居後の不満や退去につながりやすい点を押さえておきましょう。

    防音性・断熱性をカバーする主な対策は、以下の通りです。

    • 遮音カーテンや断熱カーテンを備え付ける
    • 内窓を設置して二重サッシにする
    • 床に防音マットやカーペットを敷く、遮音性のある床材に張り替える

    カーテンや防音マットは費用を抑えて導入できるため、退去後の原状回復のタイミングで手軽に試せます。内窓の設置には工事が必要ですが、外からの騒音と冷暖房効率の両方を改善できます。

    床材の張り替えは上下階の足音対策になるため、上の階の生活音を理由に1階の退去が続いている場合に検討してみてください。

    また、アパートは立地や間取りによって想定するターゲット層が大きく変わるため、導入する設備もターゲットに合わせて選びましょう。具体的な設備の例は、後述の「入居設備の導入やリフォームを行う」で解説します。

    さらに一棟アパートであれば、区分マンションのように管理組合の合意を得る必要がないため、共用部や外観の改善もオーナー自身の判断で進められます。駐輪場やゴミ置き場の整理、共用部の照明の交換など、内見時の第一印象を左右する部分から手を入れてみてください。

    費用対効果の高い対策から着手する

    空室対策は、以下の順序で進めましょう。

    1. 現状を把握する
    2. 低コストの対策から着手する
    3. 効果を見ながら中・高コストの対策へ進む

    対策を選ぶ際は、低・中・高コストの分類だけでなく、「空室を放置した場合に失う家賃収入」と「対策にかかる費用」を見比べてみてください。どこまで費用をかけてよいかを判断しやすくなります。

    総務省の調査によると、全国の民営借家(木造)の1か月当たり家賃は54,409円です。

    (参照:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」)

    この金額をもとに、空室によって失う家賃収入を試算すると以下の通りです。

    空室の状況失う家賃収入の目安
    1室が1ヶ月空室54,409円
    1室が3ヶ月空室163,227円
    3室が3ヶ月空室489,681円

    1室あたりの損失は小さく見えても、3室が3ヶ月埋まらなければ、失う家賃収入は50万円近くまで膨らみます。なお、実際の家賃は物件によって異なるため、自分の物件の家賃に置き換えて計算しましょう。

    失う家賃収入より少ない費用で改善が見込める対策は、優先して着手してみてください。低コストの対策は、目安として1〜2ヶ月程度試してから、次の段階に進むかを判断します。

    具体的な対策は、後述の「コスト別に空室対策を紹介」で整理しています。

    一定期間試しても効果が出ない場合は、原因の見立てが違っていることがあります。6つの視点に立ち返って原因を見直し、対策を選び直しましょう。

    ファミリーアセットコンサルティングは、会員数約4万人、投資相談件数年間2,000件以上の実績があり、物件選びから空室対策、売却まで一貫してサポートしています。空室対策にどこまで費用をかけるべきか迷っている方は、物件の収支状況を踏まえて無料投資相談をご活用ください。

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    募集時に行える空室対策は?

    tenant-recruitment

    借り手を募集する段階でも、空室対策を講じられます。募集時にできる空室対策は以下の5つです。

    それぞれの対策を、次の項目で詳しく見ていきましょう。

    敷金・礼金を値下げする

    敷金・礼金を値下げすると入居における金銭面のハードルが下がるため、入居希望者にとって魅力的に映り、効果的な空室対策になります。入居時にかかる初期費用で物件を絞り込んでいる場合もあるため、なるべく初期費用を下げると多くの方に検討してもらいやすくなります。

    なお、敷金を値下げすると、退去時の原状回復費用を敷金でまかなえず、未回収になったり、請求をめぐってトラブルになったりすることがあります。入居時に敷金を受け取らない場合は、退去時にクリーニング費用を請求できるよう、契約書や重要事項説明書に記載しておきましょう。

    礼金は、入居時に貸主へ支払う謝礼で、敷金と異なり退去時に返還されません。礼金を下げるとその分オーナーの収入は減りますが、退去時の原状回復費用をまかなう敷金は減らさずに済みます。

    初期費用を下げたい場合は、礼金の減額から検討しましょう。

    募集賃料を見直す

    家賃の上限を決めてから物件を絞り込む方は多いです。そのため、募集賃料を下げると、より多くの方に検討してもらいやすくなります。空室が発生する原因は物件の状況と賃料が見合っていない点にあることが多いです。

    築年数が浅い物件と築年数が経過した物件を比較すると、築年数が浅い物件のほうが選ばれやすいです。そのため、周辺の競合物件をリサーチしたうえで、募集賃料が適正かどうかを見直してみましょう。

    ただし、賃料を下げて入居が決まった場合、その入居者が退去するまで賃料は上げにくいです。また、利回りも下がってしまうため、購入時に立てた資金計画や賃料相場も踏まえ、慎重に設定する必要があります。

    フリーレント期間を設ける

    フリーレント期間を設けると入居者の金銭面の負担が軽減されるため空室対策に役立ちます。フリーレントとは、一定期間の家賃を無料にして物件を貸し出すことです。

    本来ならば入居時に初月の家賃と敷金・礼金を合わせて3〜4ヶ月分の家賃を支払う必要がありますが、フリーレント期間であれば初期費用をおさえられます。なお、フリーレント期間は1ヶ月程度で設定されることが多いです。

    フリーレント期間は家賃収入を得られないためできる限り長期間で入居してもらい、トータルでしっかりとした収益を得るのが望ましいです。

    しかしフリーレント期間が終わったら退去するケースもあります。最低入居期間を設けて短期解約に備えましょう。

    外国人や高齢者、生活保護の入居者を受け入れる

    賃貸物件では外国人の入居希望者に対し、トラブルを未然に防ぐために入居を断るケースが多く見受けられます。反対に、受け入れれば需要が増えるため競合物件と差別化でき、空室対策になります。

    しかし外国人が入居した場合、文化や言語の違いからトラブルが発生したり、設備の使い方や故障時の連絡が上手く伝わらなかったりする恐れがあります。また、高齢者や生活保護受給者の場合は、家賃滞納や孤独死による事故物件化のリスクを心配するオーナーも少なくありません。


    とくに年金収入や生活保護から家賃を支払うケースだと、十分な生活資金が確保できず家賃滞納が発生する恐れもあります。ただし、適切な対策を講じれば、こうした方々の受け入れは有効な空室対策になります。

    たとえば入居希望者が外国人の場合は、賃貸借契約の際にトラブルに関する内容を事例とともに具体的に説明し、トラブルを未然に防ぐ工夫が必要です。また、外国人入居者の管理を得意とする管理会社へ管理を委託するのもおすすめです。

    高齢者や生活保護受給者の場合は、保証会社の利用や連帯保証人の設定をおすすめします。孤独死への対策には、自治体の「見守りサービス」などを活用しましょう。

    日本は超高齢社会であり、高齢者の賃貸需要は高まっています。高齢者でも入居できる物件であることを、募集時にアピールしましょう。

    さらに室内をバリアフリー化すると、高齢者の入居先として選ばれやすくなります。

    ペット可で募集する

    ペットと暮らしたいと考えている方は多いですが、動物を飼える賃貸物件はそれほど多くないため、ペット可で募集するのも空室対策のひとつです。

    ペット禁止の物件が多い理由は匂いや引っかき傷などによって室内状況が悪化し、修繕費用が多額になりやすいからです。また、ペットを飼っていることで近隣とのトラブルが発生し、オーナーが仲裁に入らなければならない恐れもあります。

    不動産投資では余計な費用や手間は極力削減したいところですが、あえてペット可で募集すれば競合物件との差別化につながります。

    ペット可で募集する際に設けるべき具体的なルールは以下の通りです。

    • 原状回復の条件を詳細に設け、敷金も預かるようにする
    • 大型犬や小型犬、猫など飼育できる動物のサイズや種類、数を限定する
    • 移動時のルールなども設定する(抱えて歩くなど)

    ペット可で募集すると資産価値が下がるリスクは高まりますが、ルールを明確にしておけば、賃貸需要の高まりによってリスクを上回るメリットを期待できます。

    村田陽祐
    執筆者より

    募集条件を見直す際は、家賃を下げる前に、フリーレントや礼金の調整で対応できないかを検討してみてください。
    家賃は一度下げると戻しにくい一方、フリーレントや初期費用の調整であれば、月々の家賃水準を保ったまま入居者の負担を軽くできます。

    長期入居を促進するための空室対策は?

    long-term-tenancy

    空室リスクをおさえるには、現在の入居者になるべく長く入居してもらう施策や入居者に選んでもらうための工夫が求められます。長期入居してもらうために役立つ空室対策は以下の2つです。

    長期入居を促進するための空室対策を次の項目で詳しく解説します。

    委託する管理会社を見直す

    エアコンや給湯器の故障など、生活に支障をきたすトラブルで管理会社の対応が遅いと、入居者は不満を感じて退去してしまう恐れがあります。管理会社を見直す際は、次の点を確認してみましょう。

    • 故障やクレームの連絡を受けてから、対応に動くまでの早さ
    • 管理戸数と入居率
    • 募集状況の報告の頻度と、募集条件や賃料に関する改善提案の有無
    • 担当者の実績(幅広く募集をかけ、物件を積極的に売り込んでくれるか)

    いずれも、入居者募集の成果と、入居者満足の両方に関わる項目です。現在の管理会社が当てはまらない場合は、改善提案を求めるか、変更を検討しましょう。

    管理会社に委託できる業務や費用相場については、次の記事を参考にしてください。

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    村田陽祐
    執筆者より

    設備の故障や騒音トラブルへの対応が遅いことが、退去のきっかけになることがあります。
    管理会社を選ぶ際は、入居者募集の力だけでなく、入居者からの連絡にどのくらいの早さで対応しているかも確認してみてください。

    入居設備の導入やリフォームを行う

    築年数が経過した物件でも、ターゲットに合った設備を導入したりリフォームしたりすれば、入居者が決まりやすくなり、長期入居も期待できます。ターゲット別の設備の例は、以下の通りです。

    • 学生:家具・家電付きの部屋
    • 単身者:宅配ボックスやオートロック
    • ファミリー:リモートワークができる専用の部屋や設備

    学生は初期の家具購入の負担を、単身者は防犯と荷物受け取りの手間を減らせます。ただし、入居設備の導入やリフォームには費用がかさむため、導入前に費用対効果を試算しておきましょう。

    コスト別に空室対策を紹介

    cost-comparison

    空室対策には、低コストでできるものから多くのコストがかかるものまで、幅広い選択肢があります。使える資金は人によって異なるため、この章では以下の3つのコスト別に空室対策を紹介します。

    それぞれのコスト別に、空室対策の内容を、順に紹介します。

    低コストの空室対策

    低コストの空室対策は以下の通りです。

    • 募集条件の緩和
    • フリーレントの導入
    • 初期費用の減額

    募集条件の緩和は自分で決められるため、追加の費用をかけずに実施できます。外国人や高齢者、生活保護受給者の入居を受け入れたり、ペット可にしたりすると、競合物件と差別化でき賃貸需要を取り込めます。

    しかし、ほかの物件が入居条件に制限をかけているのは、修繕コストやトラブルのリスクを避けるためです。リスクを踏まえたうえで判断しましょう。

    フリーレントの導入にかかるコストは、フリーレント期間分の家賃のみです。たとえば期間を1ヶ月に設定する場合、1ヶ月分の家賃がコストになります。

    空室のまま数ヶ月が過ぎるよりも、1ヶ月分の家賃を負担して早く入居者を決めたほうが、収支への影響を抑えられる場合があります。礼金や更新料の減額も、低コストで実施できる対策です。

    収入への影響は減額した分に限られるため、まずは小さな金額から試してみてください。なお、敷金の減額は、退去時に原状回復費用を回収できなくなるおそれがあるため、慎重に判断しましょう。

    中コストの空室対策

    中コストの空室対策は以下の通りです。

    • セキュリティ対策の導入
    • 人気設備の導入

    セキュリティ対策の例として、防犯カメラやオートロック、センサーライトなどが挙げられます。費用は設備の種類や建物の状況によって異なりますが、防犯性を高めると入居者に安心感を与えられます。

    とくに単身女性をターゲットとする場合は、セキュリティ対策に力を入れてみてください。物件を選んでもらいやすくなり、入居後の満足度向上にもつながります。

    また、人気設備としては、無料インターネット(Wi-Fi)や宅配ボックスなどがあります。インターネットは生活の重要なインフラになっているため、無料で使える物件は入居希望者に選ばれやすいです。

    単身者は仕事で日中に荷物を受け取れないケースが多いため、宅配ボックスの需要も高まっています。

    村田陽祐
    執筆者より

    設備を導入する際は、周辺の競合物件にどのような設備があるかを先に調べておきましょう。
    競合物件の多くが備えている設備がない場合、それだけで入居希望者の検索条件から外れてしまうことがあります。反対に、競合物件にない設備を導入できれば差別化につながります。

    高コストの空室対策

    高コストの空室対策は以下の通りです。

    • リフォーム・リノベーション
    • 外壁塗装(一棟物件の場合のみ)

    リフォームやリノベーションをすれば、築年数が経過した物件でも室内を新築に近い状態に改善できます。なお、リフォームは老朽化した部分を新築に近い状態へ戻す工事、リノベーションは間取り変更などで新たな価値を加える工事です。

    一棟アパートや一棟マンションでは、外壁塗装も検討してみましょう。雨風で外壁が傷むと入居者に築古の印象を与えてしまいますが、外壁塗装で見た目を一新すれば、内見前の第一印象を改善できます。

    ただし、リフォームやリノベーション、外壁塗装には多くの費用がかかるため、実施した年の収支が赤字になる恐れがあります。購入時に立てた資金計画をもとに、実施するタイミングと費用対効果を吟味してから判断しましょう。

    アパートの修繕にかかる費用の目安や発生するタイミングについては、次の記事を参考にしてください。

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    それでも空室が解消しない場合の選択肢

    property-consultation

    原因を見直し、低コスト〜高コストの対策を一通り試しても改善しない場合があります。その場合は、物件自体の立地・築年数・構造的な要因が原因です。

    駅からの距離や周辺の人口の動き、建物の構造は、オーナーの努力だけでは変えられません。このような場合は、まず専門アドバイザーに相談し、客観的な意見をもらうのもひとつの方法です。

    自分の物件の状況を第三者の目で整理すると、対策を続けるべきか、買い替えを検討すべきかといった次の一手を判断しやすくなります。相談の結果、立地や築年数など物件自体に要因があると分かった場合は、将来的な選択肢として、空室リスクの低い物件への買い替えも検討してみましょう。

    買い替えを考える際は、今の物件の売却価格とローン残高、買い替え先の賃貸需要をあわせて確認する必要があります。空室が多い状態では収益性が低く評価され、売却価格に影響する場合もあるため、売却のタイミングも含めて計画を立ててください。

    買い替え先の候補は、満室稼働中の物件一覧などで、どのような物件が出ているかを確認してみてください。

    村田陽祐
    執筆者より

    空室が続くと、どうしても目の前の部屋を埋めることに意識が向きがちです。ただ、家賃の値下げや設備投資を重ねるうちに、ローン返済後の手残りが減ってしまうことがあります。
    対策を続けた場合と買い替えた場合の収支を比べたうえで、どちらが自分の資産形成に合っているかを考えてみてください。

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    空室対策に関するよくある質問

    vacancy-faq

    空室対策については、対策の選び方や費用、管理会社について疑問を持つオーナーが少なくありません。ここでは、よくある疑問に答える形でまとめました。

    Q1. 空室対策でやってはいけないことはありますか?

    原因を特定しないまま家賃だけを下げる、設備投資をしても募集図面や写真を更新しない、といった対策が典型的な失敗パターンです。たとえば設備を新しくしても、募集図面や写真が古いままでは入居希望者に魅力が伝わりません。

    また、複数の対策を一度に始めると、どの対策に効果があったのか分からなくなります。対策は期間を区切って試し、問い合わせ数や内見数の変化を確認してください。

    Q2. 空室対策にはどのくらいの費用がかかりますか?

    空室対策の費用は、対策によって大きく異なります。募集条件の緩和は費用をかけずに始められ、フリーレントは設定した期間分の家賃がコストになります。

    一方、設備の導入やリフォーム、外壁塗装には、工事の規模に応じてまとまった費用がかかります。

    村田陽祐
    執筆者より

    リフォームや設備の導入を検討する際は、工事費だけでなく、何年で費用を回収できるかも試算しておきましょう。
    工事費を、対策によって増える年間の家賃収入で割ると、おおよその回収期間がわかります。回収期間が長すぎる場合は、より費用を抑えた対策がないかを見直してみてください。

    Q3. 管理会社を変えると空室は改善しますか?

    管理会社を変えて空室が改善することもありますが、万能ではありません。原因が立地や賃料設定にある場合は、管理会社を変えても効果は出にくいです。

    6つの視点のうち「管理会社」や「客付け活動」に原因がある場合は、管理会社の変更で改善が見込めます。募集の範囲が狭い、募集状況の報告や改善提案がないといった不満があれば、変更を検討してみましょう。

    変更する際は、現在の管理委託契約の解約予告期間や解約条件を事前に確認してください。新しい管理会社に切り替わるまでの間に募集活動が止まらないよう、引き継ぎのスケジュールを調整しておくと安心です。

    まとめ

    不動産投資において、空室の発生は切っても切り離せないものです。大切なのは、原因を見極めたうえで、費用の小さい対策から順に試すことです。

    物件の現状を数字で確認し、6つの視点で原因を特定したら、失う家賃収入と対策費を比べて、低コストの対策から着手しましょう。低コストの対策を一通り試しても改善しない場合は、専門アドバイザーに相談したうえで、買い替えも含めて今後の運用を検討する選択肢もあります。

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