戸建て投資成功のコツは?メリットやリスクを投資初心者にも分かりやすく解説
目次
不動産投資といえばマンションやアパートのほうがメジャーですが、戸建てという選択肢もあります。戸建て投資の成功談などを聞き、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
主にファミリー世帯向けの戸建て投資には、アパート投資とは違ったメリットとリスクがあるため、アパート投資に慣れている方も戸建て投資に関する知識を身に付けてから始めることをおすすめします。
今回は戸建て投資の基礎知識やメリット、リスク、投資用不動産を選ぶためのポイントについて解説します。
戸建て投資の基礎知識
戸建て投資は購入した戸建てにリフォームなどで付加価値を持たせて貸し出し、安定的な家賃収入を得る手法です。
ここでは、戸建て投資に関する基礎知識について詳しく解説します。
都市型と郊外型がある
戸建て投資は都市型と郊外型に分けられ、それぞれに特徴があります。都市型の戸建て投資とは、関東地方でいえば一都三県の中心部に位置し、駅から徒歩圏内にある投資用不動産を運用することです。利便性が良く、流動性が高い一方で不動産の購入価格が高く、初期費用がかさみがちです。
それに対して郊外型の戸建て投資は、都心部から離れた地域に立地する投資用不動産を運用することです。都心部よりも購入価格をおさえながらも広い土地を確保できるため、駐車場も設けられます。入居率は、エリアの開発具合に左右されることもしばしばです。
戸建て投資においては比較的費用をおさえられる点から、郊外型のほうがより人気が高い傾向にあります。
戸建て投資とアパート投資の違い
アパート投資は単身世帯からファミリー世帯まで投資用不動産の規模によって入居対象が変わりますが、戸建て投資はファミリー世帯が主なターゲットです。
入居に当たって周辺環境や治安の良さなどが求められる傾向にあるため、アパート投資ほど駅距離や最寄り駅の規模などの影響を受けずに入居者を集められる点が大きな特徴です。また、入居期間が比較的長くなりやすい特徴もあります。
新築戸建てと中古戸建てで人気なのは?
戸建て投資を始める際に、新築戸建てと中古戸建てのどちらにすべきかで頭を悩ませている方もいるでしょう。新築戸建てと中古戸建て投資の違いは、以下の表の通りです。
新築戸建て投資 | 中古戸建て投資 | |
投資用不動産の価格 | 高い | 安い |
家賃 | 高い | 安い |
利回り | 低い | 高い |
ローン | 比較的組みやすい | 比較的組みにくい |
空室リスク | 比較的低い | 比較的高い |
修繕リスク | 低い | 高い |
流動性 | 比較的高い | 比較的低い |
新築戸建てのメリットは家賃を高く設定できる点にあります。初期のうちは修繕費用もかかりにくく、長期間にわたって利益を見込めるでしょう。しかし購入費用が高く、利回りが低い点がデメリットとして挙げられます。また、あまり市場には出回っていないために選択肢が少なく、条件に合った投資用不動産を見つけるのは難しいでしょう。
一方、中古戸建ては資産価値が低く、担保として評価されにくいので不動産投資ローンを組めないケースも少なくありません。また、新築戸建てよりも修繕費用が高く付いてしまう点もデメリットです。
しかし購入費用が安く、新築戸建てよりも利回りが高い点は大きなメリットといえるでしょう。新築戸建てと比較して選択肢が多く、理想の投資用不動産を見つけやすい点もメリットのひとつです。戸建て投資では新築戸建てよりも、少額の資金で高利回りが期待できる中古戸建てのほうが人気の傾向にあります。
戸建て投資にかかるコスト
戸建て投資にかかるコストは投資用不動産の購入費用だけではありません。投資用不動産の購入時には購入費の約10%のコストがかかる他、運用中のランニングコストも発生する点をおさえておく必要があります。購入時にかかるコストの内訳やランニングコストは以下の通りです。
投資用不動産購入時
- 購入費用
- 仲介手数料:不動産会社の仲介を通じて投資用不動産を購入した際に支払う成功報酬
- 登記費用:不動産登記にかかる登録免許税。司法書士に手続きを依頼した際には別途報酬が発生
- 固定資産税・都市計画税:所有権を得た日~期日まで日割り分
- 印紙税:不動産売買契約書に課される税金。投資用不動産の購入価格に応じて税額は異なる
ランニングコスト
- 固定資産税・都市計画税:毎年1月1日時点の不動産所有者に課される税金
- ローン返済額:不動産投資ローンを利用した場合に発生
戸建て投資利回りの目安
戸建て投資を始める際には利回りのシミュレーションをしておくことが重要です。利回りには表面利回りと実質利回りが存在し、実質利回りのほうがより正確な利益を導き出せます。
表面利回りとは、年間家賃収入を不動産購入費用で割ったものです。
表面利回り=(年間家賃収入÷物件価格)×100
実質利回りは、年間家賃収入から諸経費を差し引いたものを購入費用で割って算出します。諸経費とは前述の購入時にかかるコスト、運用時にかかるランニングコストです。突発的な修繕があった場合は、修繕費も含めます。
実質利回り={(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)}×100
なお、利回りには地域差があり、地方のほうが都心部よりも高くなる傾向にあります。
戸建て投資のメリット
戸建て投資にはアパート投資などとは違った多くのメリットがあります。特に少額から不動産投資ができる点は魅力です。条件の良い投資用不動産があれば積極的に現地調査を行ったり、シミュレーションをしたりしてみましょう。ここでは、戸建て投資のメリットを紹介します。
比較的少額で投資が可能
戸建て投資は比較的少ない金額で投資ができる点が魅力です。一棟アパート投資を行う際には購入費用として数千万円~数億円は見積もっておく必要がありますが、中古戸建ての場合は数百万円から購入可能な物件もあります。
現金一括で支払える金額である場合も多く、リスク管理がしやすい点もメリットです。
利回りが高め
中古戸建ては、一棟アパートなどと比べると投資用不動産の購入費用が安く済みます。区分マンションのように管理費や修繕積立金もないため、必然的に利回りも高くなる傾向にあります。
また、戸建ての賃貸物件は全体的に供給数が少なく、アパートなどと比較すると他の賃貸物件と競合しにくい点もメリットのひとつです。家賃を少し高めに設定しても、入居者が見つかる可能性は十分あるでしょう。
入居期間が長期傾向
戸建て投資のターゲットは主にファミリー世帯です。子どもが通う学校の問題などが関わってくるため、学生や単身世帯のように短期間で引っ越しする可能性は低く、比較的入居期間は長くなる傾向にあります。
また、入・退去の頻度が少ない分、原状回復や新たな入居者を探す手間や費用がかかりにくい点もメリットのひとつです。長期にわたって安定した家賃収入を得られるでしょう。
駅距離や最寄り駅の規模などの影響にくい
戸建て投資のターゲットであるファミリー世帯は、多少駅から距離があっても周辺環境の良い戸建てに住みたいと考える傾向にあります。そのため、投資用不動産の周辺に商業施設が充実していたり、緑豊かな閑静な公園があったりする場合は駅から遠い、都心から離れているなどの不利な条件であっても賃貸需要が見込めます。
また、駐車場や広い庭がある、ペットの飼育が可能などファミリー世帯の心に刺さる付加価値があれば、より入居者を見つけやすくなるでしょう。
出口戦略の選択肢が多い
戸建て投資の場合、出口戦略として複数の選択肢を検討できる点もメリットです。
・建物解体後の土地を活用して別の投資を始める
駐車場経営やトランクルーム経営、太陽光発電、土地の借地契約などさまざまな選択肢があります。
・自己居住用の建物として売却
投資用不動産としてではなく、自己居住用の建物として売却することで、より高値で取引ができる可能性があります。売却益で新たな投資を始めることも可能です。
戸建て投資に失敗しないために知っておきたいリスク
戸建て投資はメリットが多い不動産投資手法ですが、それなりのリスクもあります。特に相場よりも低価格な投資用不動産には注意する必要があるでしょう。投資用不動産を選定していく中で避けられるリスクもあるので、事前にどのようなリスクやデメリットがあるのかを知っておくことが大切です。
リフォーム費用や手間がかかる
投資用不動産の築年数や状態によって修繕の必要性は大きく異なります。中古戸建ては多くの場合、賃貸に出す前にリフォームやリノベーション工事が必要です。最低限でもクロスや畳、障子の張替え、水回り設備の修繕や交換などには対応する必要があるでしょう。
投資用不動産の購入費用を安くおさえられても、壁の内部が腐食していたり、シロアリ被害を受けていたりする可能性も否めません。想定以上にリフォーム費用がかさんでしまうケースもあり得るため、注意が必要です。
規制が多い
一般的な相場よりも安い中古戸建ては、既存不適格物件である可能性もあります。既存不適格物件とは、建物が建てられた時代には合法だったものの、法改正により現在の建築基準法においては違法となる建築物です。既存不適格物件は融資が受けにくく、将来的な売却が困難になることがあります。建て替えや増改築が難しい点もデメリットです。
また、土地が借地である可能性もあります。借地であった場合、土地を担保として融資を受けることはできません。地主に対して地代を支払わなければならず、売却やリフォームの際には地主に承諾をもらうとともに一定の承諾料も支払う必要もあります。
空き家期間は利益が0になる
アパートやマンションを一棟丸ごと運用するケースでは全ての部屋が一度に空室になる可能性は低く、空室リスクを比較的おさえることが可能です。
しかし、戸建て投資の場合は入居者がいなければ家賃収入を得られません。特にローンを利用して投資用不動産を購入する際には毎月一定の金額を返済していかなければならないので、空室リスクを考慮した上で収支シミュレーションを行う必要があります。
融資が通りにくいことがある
中古戸建ては築年数が経過するほど資産価値が下落するので、融資が通りにくくなります。万一のときに担保として不動産をおさえた場合、どれくらいの価値になるかという基準で融資額が決まるためです。
リフォームをしてきれいにした戸建てであっても、建物自体は経年とともに価値が下がると判断されます。融資額によっては、相応の自己資金が必要です。
資産拡大はスローペース
戸建て投資は少ない投資額で始められますが、その分収益も少額になります。複数戸を持つアパート投資やマンション投資と比較すると、資産拡大はスローペースになるでしょう。
資産拡大のペースを早めたいのであれば、複数の戸建てを選定して投資するよりも、アパートを一棟購入して運用したほうが効率的でしょう。
戸建て投資が向いている人
ここからは、戸建て投資が向いている人の特徴を紹介します。戸建て投資のメリットとリスクを踏まえた上で不動産投資を始めましょう。自分に合った投資方法を選ぶことで、成功確率や資産拡大の可能性を高められます。
リスクを最小限におさえたい人
地方の中古戸建ての中には数百万円から購入できるものもあります。現金一括で購入したり少額のローンで済んだりと、大きなリスクを負わなくても投資が始められるのは強みです。
もし空室が続いたり、想定よりも修繕に費用がかかったりして利益が出なかったときにも、支出が少なければ大きな損失にはなりません。
根気強く投資を続けられる人
中古戸建ての場合は修繕が必要となる箇所が多いため、リフォームを施して初めて賃貸に出せるようになるケースがほとんどです。
ただし、中古戸建てに入居できるのは1世帯なので、そこまで高額の家賃収入は得られません。初期費用にかかった金額を回収して資産を形成するまでにはある程度の時間がかかるため、根気強く投資を続ける意識が重要です。
デメリットを解消した物件を見つけられる人
手入れや修繕の手間と費用がかかる中古戸建ては、安価で購入できてもリフォームに費用がかかることも珍しくありません。しかし、それを超えるメリットがある物件を見つけられる方は、戸建て投資にチャレンジする価値があるでしょう。
修繕の手間が省けるため、リノベーションが完了している物件の購入を検討するのもひとつの方法です。
中古戸建ての投資用不動産を選ぶポイント
投資用不動産として中古戸建てを購入する際には費用面だけでなく、建物の状態を見極めることが重要です。ここでは、投資用不動産として中古戸建てを購入する際におさえておきたい4つのポイントを紹介します。戸建て投資を成功させるためにも、事前に把握しておきましょう。
新耐震基準の物件を選ぶ
投資用不動産として中古戸建てを購入する場合は、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認申請を受けた新耐震基準の建物であるかどうかを確認しましょう。新耐震基準は震度6強〜7程度の揺れでも家屋が倒壊しないこととされているので、災害発生時の修繕リスクをおさえることが可能です。融資の審査も通りやすい傾向にあります。
一方、それ以前の旧耐震基準で建てられた建物の場合、自然災害によって入居者が亡くなってしまったときに所有者責任を問われて損害賠償を求められることもあるため、注意が必要です。
費用だけでなくエリアの特徴を見極める
戸建て投資を行う場合は投資用不動産の購入費用や諸費用、ランニングコストだけでなく、エリアの特性も見極めることが大切です。
中古戸建てはファミリー世帯がターゲットなので、学校などの教育施設が近いか、子育てがしやすい環境か、ファミリー層が多い地域か、治安は良いかなども確認しましょう。購入を検討している中古戸建てがエリアの特徴とニーズに合っているのかどうかを判断できる目も必要です。
住宅性能に問題のない安全な物件を選ぶ
中古戸建てをリフォームする際、工事の範囲がクロスや水回りの部品の取り換え程度で済む場合はそれほど大きな費用はかからないでしょう。
しかし入居者が安心して暮らす環境を提供するには、住宅性能に欠陥がある建物を選ばないようにすることが大切です。シロアリ被害が発生していたり、建物が傾いていたりする場合は多額の修繕費が発生するので避けたほうが無難です。
不動産会社のアドバイスを受けながら購入前に入念にチェックし、入居者が安全に暮らせる建物を選びましょう。
駐車場付きがおすすめ
特に郊外にある戸建てであれば、駐車場付きがおすすめです。駅などの公共交通機関から遠い場合でも、駐車場付きなら賃貸需要が見込めます。
家族の送迎のために車を所有している人は多く、広い一軒家でのびのびと暮らしたい方に人気です。また、夫と妻とで1台ずつ車を所有しているケースも少なくないため、2台分の駐車スペースがあると、より入居者を見つけやすくなるでしょう。
まとめ
戸建て投資は比較的少額から始められる不動産投資です。中古戸建てを選ぶ際はリフォーム代や修繕費といった初期費用がかかりますが、ファミリー層が入居するため、長期的に安定した入居が見込める特徴があります。
投資用不動産を取り組むにあたり、どのような物件を選ぶべきか、どのような点に気を付けて不動産投資を始めればよいのかが分からない方も多いでしょう。
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