不動産投資の成功率は何%?他の投資との比較や目標をかなえる行動を分析
目次
これから不動産投資を始めようとしている方の多くは、「不動産投資の成功率はどれくらいか」「どのような物件を選択したら成功するのか」と疑問や不安を感じているかと思います。
本記事では不動産投資の成功率を上げるために知っておくべき方法や注意点などを詳しく解説します。不動産投資で成功を収めたい方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
不動産投資の成功率を測る指標はない
不動産投資の成功率を裏付けるデータは公開されていないほか、何をもって成功とするかは人によって異なります。不動産投資の成功率を裏付けるデータが公開されていない理由や不動産投資の目的について次の項目から詳しく紹介していきます。
成功率を裏付けるデータは公開されていない
不動産投資で成功しているといわれてイメージがつきやすい、「投資で得た不労所得のみで生活している」といった方の割合は全体のほんのわずかです。不労所得のみで生活している人の割合は公的な統計や不動産関連サイトでは公開されていません。
不動産投資の結果をどこかに発表する義務はなく、公表しようと考えている投資家も多くはないため、実際に投資をした人たちの情報が蓄積されず、成功率も把握できなくなっています。
何を成功とするかは人によって異なる
不動産投資を始める目的は人それぞれ異なるため、何を成功とするかは人によって異なり、主に以下が目的として設定されます。
- 所得税や住民税、相続税の節税を行うため
- 収益を得て生活費の足しにするため
- 早期リタイアのため
各々が設定した目標を達成することが成功となるため、成功率を示すデータは存在しません。不動産投資を行う目的について次の項目から紹介していきます。
目標を設定し達成可能か見極めることが重要
不動産投資が成功したかどうかを見極めるためには、不動産投資を始める前に目的を明確にすることが大切です。「不動産投資の目的」が定まっていないと、購入すべき物件が選べないため、なかなか不動産投資が始められません。
例えば相続税の節税を投資のゴールに設定した場合、現金を不動産にかえて相続税・贈与税の課税対象額(相続税評価額)が少なくなれば目的を達成できたといえます。また、所得税の節税をゴールとした場合は、減価償却ができる物件を選択し、所得を圧縮すると目的を達成できます。減価償却とは物件の経年劣化に相当する金額を経費計上する会計上の処理を指します。
現役からのリタイアを想定している場合は、生活に十分な収入を得る必要があるため成功までのハードルは高いですが、複数の物件を所有し安定した収入を確保できれば成功したといえます。
成功率で考える不動産投資以外の投資
不動産投資の成功率を測る明確な指標は存在しませんが、それはほかの投資でも同様です。ここでは難易度や目標達成のしやすさについて、ほかの投資と不動産投資を比較してみましょう。
株式投資
株式投資は、企業の株を購入しその価値上昇や配当から利益を得る方法です。デイトレードのような数時間単位のものから数十年単位での長期投資までさまざまな投資スタイルがあり、自分の目標額や投資スタイルに合わせて資産増加を目指せます。また、企業・業界・国ごとに多くの投資先があり、自由に選べます。
しかし、自由度が高い反面、株式投資には情報収集や市場分析に加え、常に値動きを注視する必要があり、時間と労力がかかります。さらに、近年のコロナショックや企業の不祥事報道、決算の結果など、予測困難な経済情勢や国際情勢、企業業績により、急激に株価が下がり損失をこうむるリスクもはらんでいます。
投資信託
投資信託は証券会社などを通じ専門家が運用する「ファンド」に投資し、得られた収益が還元される方法です。運用のプロであるファンドマネージャーが投資家に代わって銘柄選定や投資判断を行うため、株式投資と異なり個別の投資先を選ぶ必要がなく、企業分析の知識がなくても始めやすい点がメリットです。
また、1つの投資信託で複数の国や企業、あるいは株式と債券など多様な資産に分散投資できるため、株式投資のように一社の業績や不祥事で株価が大きく変動するリスクが低減されます。
ただし投資信託はレバレッジをかけて運用できる銘柄が少なく、短期で資産を増やすのは難しい点がデメリットです。また投資信託は仕組み上すぐに売買が成立しないため、急な価格の下落には対応できません。
REIT(不動産投資信託)
REITは不動産投資を証券化した商品です。「投資信託」とあるように、複数の投資家から集めた資金で株式や債券の代わりに不動産を運用し、得られた収益が分配金として還元される仕組みです。
REITでは専門家が物件を選定し運用するため、個人での物件選定や不動産管理のための手間や専門知識が必要ありません。また不動産投資のネックである初期費用もなく、ほかの投資信託と同様に数万円程度の少額から始められ、リスクが低い点もREITのメリットです。
しかしREITでは運用手数料がかかるため、不動産投資を直接行うよりも利回りが低い傾向があります。また、運営する不動産投資法人の経営悪化による倒産、上場廃止に伴う元本割れの可能性など、REIT特有のリスクもあります。
FX
FX(外国為替証拠金取引)は、二国間の通貨の売買で利益を得る投資方法です。「スワップポイント」と呼ばれる二国間の金利差を利用することでも利益を増やせます。
FXはほぼ24時間取引できて流動性が高く、また国内の場合、最大25倍のレバレッジがかけられるため少額投資でも短時間に大きな利益を狙えます。
仮に50万円の元手でレバレッジ25倍にして取引した場合、1,250万円分の取引が可能です。1ドル150円でドルを購入した場合、3円の円安で約25万円の利益が出る一方、3円の円高で約25万円の損失が発生します。
FXの場合、ドル円を例にすると数十分で数円動くこともあります。FXはレバレッジを活用できる点で不動産投資と共通点がありますが、為替相場の変動が激しくかなりハイリスク・ハイリターンな投資です。初心者にはハードルが高い方法といえるでしょう。
債券
債券は政府や企業などが発行する借用証書であり、購入を通じて発行元にお金を貸すことにより利息を受け取る投資方法です。途中で売却もでき、売却益も狙えます。
利率が固定され、政府保証債のように元本保証がある商品もあることから、債券は一般的にローリスク・ローリターンな投資方法です。
しかし通常利回りの高い債券は発行体の信用リスクが高く、発行元が倒産して償還されないケースもあります。信用リスクが低い債券は利回りも低く、大きな利益は得られません。また債券には金利変動リスクがあり、金利上昇局面では実質価値が低下してしまいます。
債権は低リスクで始めやすい投資ですが、高収益は期待しづらい投資方法です。分散投資のポートフォリオの一部として組み込むのに適しているでしょう。
不動産投資の成功率を上げるには?
不動産投資で成功するためには、以下の5つの重要なポイントをおさえることが大切です。これらのポイントは、どのような目的であっても共通して役立つでしょう。
- メリット・デメリットとリスクを理解する
- 賃貸需要のあるエリアの物件を選定する
- 信頼できる不動産会社や専門家のサポートを受ける
- 収支計画をしっかり立てる
- 自分の目的にあった物件を購入する
メリット・デメリットとリスクを理解する
以下の表で、不動産投資の主なメリット・デメリット、リスクについて整理しました。
メリット | デメリット |
・物件管理を委託すれば本業へ影響しにくい ・レバレッジ効果により、少ない資金で大きな投資効果を得られる ・節税効果(所得税・住民税・相続税)がある ・インフレに強い ・インカムゲイン(家賃収入)・キャピタルゲイン(売却益)どちらも狙える ・団体信用生命保険が生命保険の役割も果たす ・資金繰りの予測が立てやすい ・株やFXのような急激な価値低下が起こりにくく、ミドルリスク・ミドルリターンである ・長期での資産形成に向いている ・比較的少ない自己資金でも始められる | ・流動性が低い(すぐに現金化できない) ・物件の修繕費用が必要 ・物件の良し悪しの判断が難しい |
リスク | |
・需要低下 ・老朽化に伴う空室リスク ・家賃未払いによる滞納リスク ・災害リスク ・金利上昇による返済負担増加のリスク ・市況の変動による資産価値低下のリスク |
不動産投資は魅力的な資産運用方法ですが、思わぬ失敗を避けるためにもメリット・デメリット、そしてリスクを理解したうえで投資を判断しましょう。また、自分の目標を踏まえて「どのような物件が適しているのか」について考えてみることも大切です。
賃貸需要のあるエリアの物件を選定する
立地条件が良い物件を選ぶと高い賃貸需要が見込めるため収入の安定につながり、不動産投資の成功率が上がります。
立地の良い物件といわれる条件は主に以下の通りです。
- 大都市圏である
- 駅やバス停が近いなど交通の利便性が高い
- 治安が良く人気が高いエリア
- 周辺環境が良い
- 生活関連施設が揃っている
- 大学や小中学校、会社や工場の近くである
上記の物件は高い賃貸需要が見込めるため入居者が決まりやすく、安定した賃貸収入が望めます。ただし、学校や会社等の特定の施設に依存した賃貸需要は注意が必要です。移転や倒産など、何らかの理由で施設がなくなってしまうと、空室リスクが高まってしまいます。
信頼できる不動産会社や専門家のサポートを受ける
不動産投資には税制や不動産取引関連に関わる法律、物件評価などの幅広い専門知識が必要であり、自分一人で進めるのは危険です。
販売実績や物件保有数をもとに信頼できる不動産会社を選ぶと長期的なパートナーとして相談にのってもらえるため、不動産投資の成功率が上がります。また運用開始後は状況次第では税理士、司法書士、弁護士などの専門家の助言を受けるようにしましょう。
専門家への依頼には報酬が発生しますが、税務や法律の誤解による損失を防ぐための投資と考えましょう。
収支計画をしっかり立てる
不動産投資を始める際は自己資金だけでは不足することが多く、ローンを利用するのが一般的であり、毎月の返済額と家賃収入のバランスを考慮した収支計画を立てる必要があります。
ローン返済は家賃収入を得られなくとも毎月返済は行わなければならないため、以下の項目に注意して収支計画を立てましょう。
- 余裕をもった返済計画であるか
- 家賃滞納や家賃下落のリスクを想定しているか
投資用物件が常に満室になるとは限らないため、空室が生じても返済できるように収支の余裕が必要です。築年数が経過すると投資物件の経年劣化による修繕費もかかってくるため、収支計画に忘れずに加えましょう。
自分の目的にあった物件を購入する
不動産投資で成功するためには、投資目的に合った物件選定が重要です。
副収入を目的とする場合、中古の戸建てや区分マンションを選んでもよいでしょう。その際は、利回りが相場と比較して適正か、周辺に嫌悪施設がないか、内装状況は良いかなどの確認が必要です。一方、資産形成を目指す場合は、区分マンションではなく一棟アパートやマンションへの投資が有利です。
所得税や住民税の節税を目的とするなら、築古の木造一棟アパート投資が適しています。減価償却期間が短いため、1度で計上できる経費が多く、高い節税効果が見込めます。
相続対策を考える場合、現金よりも相続税評価額が低くなりやすい都心部の物件を選ぶとよいでしょう。
まとめ
本記事で紹介したように、不動産投資の成功率を上げるためには「立地の良い物件を選ぶ」「収支計画をしっかり立てる」などの方法がありますが、何より重要なのは不動産に関する知識を事前に蓄えておくことです。
不動産投資の勉強方法はさまざまありますが、中でもセミナーへの参加がおすすめです。セミナーは実施回ごとに明確なテーマが定められている場合が多く、自分が学びたいテーマを決めたうえで参加することが大切です。
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