アパート建築費の相場は?構造別・坪数別・予算別の坪単価と内訳を徹底解説
アパート経営を行ううえで、建築費がどの程度かかるかは、収益の面でも非常に重要です。しかし、規模の大きな建築であり、具体的にどの程度の費用がかかり、どの程度の規模のアパートを建てられるか、なかなかイメージができない方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、アパートの建築費について、費用相場や構造・地域別の坪単価、費用の内訳、計算シミュレーションなどについて詳しく解説します。アパートローンや自己資金、建築費の削減ポイントなどについても紹介しているため、気になる方はぜひ参考にしてください。
ファミリーコーポレーションのアパート建築では、自由設計にこだわり、土地の特性を正確に捉えたうえで、付加価値を高めるアパートの建築設計や、資産価値を高める運用プランニングをご提案しております。アパート建築をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
アパートにおける建築費高騰の状況について

参考:総務省統計局「建設工事費デフレーター(2024年度)」
国土交通省「建設工事費デフレーター(月次)」
アパートの建築費は直近5年間で約30%上昇しています。上記は国土交通省が発表している、物価変動を考慮した工事費の実態を把握するための指標(建設工事費デフレーター)で、2015年を基準の100として上昇率を算出したものです。
近年、建物の建築費は高騰状態で、データを見るとアパートの建築費も2021年頃から急激に上昇しているのがわかります。2015~2020年の5年間の上昇率は約7%ですが、2020~2025年の5年間では約30%と4倍以上も上がっています。高騰の主な原因として考えられるのは次のとおりです。
- 建設業界における人手不足と高齢化の深刻化
- 世界的な建設需要の拡大
- コロナ禍や国際紛争による物流の停滞
- 輸送コストの増加や円安の影響
直近では、中東情勢の影響もあり輸送の燃料となる原油価格がさらに上昇することも考えられます。人材不足などに関しても、今後さらに深刻化する可能性があり、今後も状況や動向を注意深く見守る必要があります。また、費用が高騰しているからとアパートの建築を見送ると、将来さらに高額になってしまう恐れもあるため注意しましょう。
アパート建築費の坪単価・費用相場

現在のアパートの建築費の相場は、1坪あたり平均約106万円です。ただし、アパートの構造や建てる地域、坪数などによっても費用相場は大きく異なるため注意が必要です。では、構造別・地域別の坪単価や坪数ごとの費用相場を見ていきましょう。
アパート建築費用の坪単価相場(構造別)
| 構造 | 坪単価(1坪あたりの工事費) |
| 木造 | 約73万円 |
| 鉄骨造 | 約116万円 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 約119万円 |
参考:総務省統計局「建築着工統計調査・住宅着工統計(2025年度)」(データを元に集計・作成)
構造別でみると、木造が安く鉄筋コンクリート造は高いことがわかります。木造は2~3階建てに用いられることが多く、3階建て以上の場合は鉄骨造や鉄筋コンクリート造を用いるのが一般的です。ただし、構造にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、これらを理解したうえで検討するのがおすすめです。詳細は、「構造別のメリット・デメリット」をチェックしましょう。
アパート建築費用の坪単価相場(地域別)
| 地域 | 坪単価(1坪あたりの工事費) |
| 北海道 | 約76万円 |
| 東京都 | 約139万円 |
| 愛知県 | 約96万円 |
| 大阪府 | 約96万円 |
| 福岡県 | 約89万円 |
| 全国平均 | 約106万円 |
参考:総務省統計局「建築着工統計調査・住宅着工統計(2025年度)」(データを元に集計・作成)
地域別で見ると、最も安いのは約76万円の北海道で、最も高いのは約139万円の東京都であり、東京都は唯一全国平均よりも坪単価が高いことがわかります。人口が多い地域は賃貸需要が高く、坪単価が高くなりやすい傾向にあります。また、都心部は建物の間が狭いため、防音対策や資材搬入などの面から、工事費用が高くなりやすいことも原因として考えられるでしょう。
坪数別のアパート建築費用の相場
| 建坪※ | 木造 | 軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 |
| 30坪 | 2,300~3,000万円 | 2,500~3,200万円 | 2,800~4,000万円 | 2,800~4,000万円 |
| 50坪 | 4,000~5,000万円 | 4,200~5,000万円 | 4,800~6,800万円 | 4,800~6,800万円 |
| 80坪 | 6,500~8,000万円 | 7,000~8,200万円 | 8,000万~1億円 | 8,000万~1億円 |
| 100坪 | 8,000万~1億円 | 9,000~1億円 | 1億円~1億3,000万円 | 1億円~1億3,000万円 |
建築費用の相場で見ても、木造が最も安く、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造は高くなりやすい傾向があります。このように、坪数や構造でも費用はまったく異なるうえ、これはあくまでも目安の数値です。正確な費用を確認したい場合は、建築会社に現地調査をしてもらったうえで見積もりを出してもらいましょう。
アパート建築費用の内訳

| 費用の種類 | 費用割合 | 費用の目安※ | 概要 |
| 本体工事費(本体価格) | 70~80% | 3,500~4,000万円 | アパートの本体部分例)建物の基礎・駆体、内装・外装 |
| 付帯工事費(別途工事費) | 10~20% | 500~1,000万円 | 本体以外の工事費用例)駐車場などの外構工事、電気・空調工事 |
| 諸費用 | 10% | 500万円 | 建築以外にかかる税金や諸経費例)不動産取得税、印紙税、登録免許税 |
アパートの建築費用は上記のように3つにわけられます。各費用がどういったものなのか、詳しく見ていきましょう。
本体工事費(本体価格)
本体工事費(本体価格)は、アパートの本体部分にかかる費用のことで、費用全体の70~80%を占めます。アパートの建築費用が3,000万円なら2,100~2,400万円、5,000万円なら3,500~4,000万円です。本体工事費は一般的に次のような設備・工事が含まれます。
- 建物の基礎
- 建物の躯体
- 建物の外装・内装
- トイレ
- 浴室
- キッチン
ただし、どこまでを本体工事費に含めるかは建築会社によっても異なります。たとえば、電気工事や給排水工事などは、会社によって扱いが異なるため、事前に見積もりを依頼して確認するのがおすすめです。
付帯工事費(別途工事費)
付帯工事費(別途工事費)は、アパートの本体以外にかかる費用のことで、費用全体の10~20%を占めます。アパートの建築費用が3,000万円なら300~600万円、5,000万円なら500~1,000万円です。付帯工事費は一般的に次のような設備・工事が含まれます。
- 地盤改良工事(地盤がゆるい場合に強化する工事)
- 外構工事(駐車場・フェンス・門・テラス・植栽など)
- 電気・空調工事
- 給排水工事
- 上下水道・ガス引き込み工事
- 造成工事(建物を建てる基盤づくり)
- 仮設工事
諸費用
諸費用は、建築以外に必要となる税金や諸経費のことで、費用全体の10%を占めます。アパートの建築費用が3,000万円なら300万円、5,000万円なら500万円です。諸費用としては、主に次のようなものが挙げられます。
- 不動産取得税
- 印紙税(契約書や領収書などの文書に課される税金)
- 登録免許税(不動産登記の際にかかる税金)
- 設計費(アパートの設計にかかる費用)
- 司法書士への報酬(不動産登記の代行費用)
- 損害保険料
設計費は発注方式によっても費用差が生まれるため注意が必要です。詳細は「発注方式別のメリット・デメリット」でチェックしましょう。
各費用の詳細や、具体的な金額に関しては、次の記事で詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ参考にしてください。
【予算別】建てられるアパートの規模シミュレーション

次に、予算内でどの程度の規模のアパートを建てられるかを具体的にイメージしやすくするため、大まかにアパートの建築シミュレーションを行います。今回は本体工事費をベースに概算を行いますが、地盤の状態や構造、間取り、階数によって費用は変動するものです。
また、付帯工事、諸費用なども追加されるため、総合費用は大幅に増加すると考えた方がよいでしょう。前述したように、建築費の高騰などもあるため、あくまでも参考程度に考えてください。
建築費用2,000万円でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):木造(2階) 間取り:1R(広さ6坪) 坪単価:73万円 (規模のシミュレーション) 予算内で設置できるアパートの規模 = 2,000万円 ÷ 73万円 = 約27坪 アパートの戸数 = 約27坪 ÷ 6坪 = 4.5戸(4戸) |
2,000万円の場合、間取りを1Rや1Kで想定すると、1階建て4戸や2階建て各階に2戸のアパートが考えられます。一人暮らしや学生向け物件として運用するのがおすすめです。
建築費用3,000万円でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):木造(2階) 間取り:1K(広さ6坪) 坪単価:73万円 (規模のシミュレーション) 予算内で設置できるアパートの規模 = 3,000万円 ÷ 73万円 = 約41坪 アパートの戸数 = 約41坪 ÷ 6坪 = 約6.8戸(6戸) |
3,000万円の場合は、木造での2階建て3戸のアパートなどが考えられます。単身者などをターゲットとし、駅近など需要の高い場所に建築すると空室リスクが避けやすくなるでしょう。
建築費用5,000万円でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):鉄骨造(3階) 間取り:1K(広さ7坪) 坪単価:116万円 (規模のシミュレーション) 予算内で設置できるアパートの規模 = 5,000万円 ÷ 116万円 = 約43坪 アパートの戸数 = 約43坪 ÷ 7坪 = 約6.1戸(6戸) |
5,000万円の場合は、間取りを1Kと想定すると、鉄骨3階2戸や、鉄骨造2階3戸が考えられます。土地が狭く、建築費用に余裕があれば、3階建てにすることで戸数を増やし収益性を高められます。
建築費用1億円でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):鉄筋コンクリート造(3階) 間取り:1LDK(広さ9坪) 坪単価:119万円 (規模のシミュレーション) 予算内で設置できるアパートの規模 = 1億円 ÷ 119万円 = 約84坪 アパートの戸数 = 約84坪 ÷ 9坪 = 9.3戸(9戸) |
1億円の場合は、間取り1LDKの想定で、鉄筋コンクリート造3階3戸が考えられます。また、間取りを狭くしたり構造を木造に変えたりすることで、戸数を増やすことも可能です。逆に間取りを広くして戸数を減らすなど、幅広い選択肢を考えられるようになります。
【坪数別】建築費用相場シミュレーション

相続や購入などですでに土地だけ所有しているケースや、アパートの規模から費用を考えたい場合なども考慮し、坪数をベースとして建築費を算出するシミュレーションも行います。前述したとおり、建築費用はさまざまな要因によって変動するものであるため、あくまでも参考として考え、具体的な費用は建築会社へ見積もりを依頼するのがおすすめです。
また、実際に建てられるアパートの規模は、建ぺい率や容積率などの法律上の制限によって変わるものであり、坪数のとおりに建てられるとは限らないため注意が必要です。詳しくは「建築規制の影響」をチェックしましょう。
30坪でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):木造(2階) 間取り:1R(広さ7坪) 坪数:28坪 坪単価:73万円 (建築費用のシミュレーション) 本体工事費: 28坪 × 73万円 = 2,044万円 |
30坪の場合、1Rや1Kの間取りで2階4戸のアパートを建てられ、費用は約2,600万円程度とシミュレーションできます。また、間取りを広くして、1階2戸や1階3戸などの構成にもできるでしょう。
60坪でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):鉄骨造(2階) 間取り:1LDK(広さ10坪) 坪数:60坪 坪単価:116万円 (建築費用のシミュレーション) 本体工事費: 60坪 × 116万円 = 6,960万円 |
60坪の場合、1LDKの間取りと想定すると、2階3戸、3階2戸のアパート構成が考えられ、費用は9,000万円程度になります。2階3戸で木造にすれば、たとえば本体工事費は約4,400万円程度にできるため、構造を何にするかでも費用は大幅に変わります。
90坪でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):鉄筋コンクリート造(3階) 間取り:1LDK(広さ9坪) 坪数:90坪 坪単価:119万円 (建築費用のシミュレーション) 本体工事費: 90坪 × 119万円 = 1億710万円 |
90坪では、1LDKの広さで3階3戸のアパートを構成でき、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が構造の選択肢となります。鉄筋コンクリート造の場合は約1億4,000万円が必要になります。また、2階建てにするのであれば木造も選択できますが、土地の広さが求められるでしょう。
100坪でアパートを建てる場合
| (アパートの設定条件) 構造(階数):鉄筋コンクリート造(3階) 間取り:1LDK(広さ11坪) 坪数:99坪 坪単価:119万円 (建築費用のシミュレーション) 本体工事費: 99坪 × 119万円 = 1億1,781万円 |
構造や構成は90坪とほぼ同じですが、やや広めの間取り構成が考えられます。また、広さを10坪にして2階5戸(計10戸)の構成なども考えられるでしょう。幅広い選択肢が考えられるため、どういった層の賃貸需要が期待できるかや、予算、収益面なども踏まえ検討する必要があります。
アパートの建築費用を考える際の注意点

費用相場やシミュレーションなどでも軽く紹介していますが、アパートの建築費を考える際に注意すべきことは多々あります。たとえば、次のようなことに注意が必要です。
- 発注方式別のメリット・デメリット
- 構造別のメリット・デメリット
- 建築規制の影響
それぞれ詳しく見ていきましょう。
発注方式別のメリット・デメリット
建築費用の内訳で紹介した「諸費用」に含まれている「設計費」は、発注方式で「一括方式・分離方式」の2種類にわけられ、特徴や費用には次のような違いがあります。
| 一括方式 | 分離方式 | |
| 概要 | ・設計から施工までを同じ会社が担当 ・設計図面は規格化されている ・大手メーカーで主流となっている | ・設計と施工を別々の会社に依頼する ・オーダーメイドで設計ができる ・施工会社を複数社から選定できる |
| 費用(費用目安※) | 工事費の1~3%程度(50~150万円) | 工事費の7~8%程度(350~400万円) |
| メリット | ・設計費にかかるコストを削減できる ・窓口が1本化され意思疎通しやすい | ・自由度が高く個性的なデザインにできる ・相見積もりで施工費の削減につなげやすい |
| デメリット | ・デザインには大きな制約がかかる | ・設計費が高額になりやすい ・窓口がわかれるため対応が煩雑 |
費用をできる限り抑えたい場合や、対応の手間を減らしたい場合は一括方式がおすすめです。また、デザインにこだわりたい場合や、コストをしっかり比較したい場合は分離方式がおすすめです。
ファミリーコーポレーションのアパート建築では、自由設計にこだわり、土地の特性を正確に捉えたうえで、付加価値を高めるアパートの建築設計や、資産価値を高める運用プランニングをご提案しております。アパート建築をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
構造別のメリット・デメリット
前述したように、アパートの構造は「木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造(RC造)」の3種類があり、さまざまな違いがあります。
| 木造 | 鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造(RC造) | |
| 費用 | 安い | 中程度~やや高い | 高い |
| 向いている規模 | 1~2階の小規模 | 2~5階の小・中規模 | 3階~の中・大規模 |
| 法定耐用年数 | 22年 | 19〜34年(鋼材の厚みにより異なる) | 47年 |
| メリット | ・湿気をコントロールできる ・建築費用が安い | ・耐震性が高い ・木造より虫が発生しにくい | ・耐震性・気密性などが高い ・建築の自由度が高い |
| デメリット | ・補修や修繕の頻度が高い ・耐震性や気密性は低い | ・サビ対策が必要 ・レイアウトしにくいケースがある | ・建築費用が高い ・結露やカビが発生する可能性がある |
費用はもちろん、アパートの規模や何を重視するかなどによっても最適な構造は異なるため、各構造の特徴を十分理解したうえで検討するのが重要です。
建築規制の影響
アパートを建築する際には、建築基準法に則って、定められた規模と性能にしなければならず、自由に階数や戸数を増やせるとは限りません。アパート建築で考えられる主な規制の概要は次のとおりです。

| 建築規制 | 概要 |
| 建ぺい率 | 土地の面積に対して、どの程度の広さの建物を建てられるかを表す基準で、広さは土地に接する建物の面積で考えられる。 |
| 容積率 | 土地の面積に対して、どの程度の大きさの建物を建てられるかを表す基準で、大きさは各部屋の合計床面積で考えられる。 |
| 高さ | ・周辺の日照を一定の時間帯さえぎらないようにする、高さと幅の規制がある ・良好な住環境のため建物の高さ10mまたは12mに制限されている地域もあるなど |
| 間取り | 単身者向けの物件が増えないよう、ワンルームに対して規制をしている自治体がある。 |
| 防火性 | 地域によっては火災の延焼を防ぐために、耐火性の高い建築物にしなければならない規制がある。 |
このほか、自治体の条例で規制をかけられているケースもあります。このような規制は、建築会社があらかじめ調査したうえで階数や戸数、間取りなどを提案してくれるため、打ち合わせや見積もり依頼などで確認するとよいでしょう。
アパートローンの活用について

ここまで紹介してきたように、アパートの建築費は非常に高額ですが、自己資金のみでまかなうケースは少なく、基本的にアパートローンで対応します。では、アパートローンの詳細について見ていきましょう。
アパートローンとは?
アパートローンとは、賃貸物件を建築・購入する場合などに活用できる融資のことです。アパートローンを活用することで、自己資金が少ない場合でも規模の大きなアパート経営を行いやすくなります。
一般的な住宅ローンでは、対象者の年収や資産、職業などが審査基準になるのに対し、アパートローンでは、建築・購入する物件の収益性も重視されるのが大きな違いです。融資額は一般的に年収の10~30倍程度といわれ、収益性や担保価値が高ければさらなる融資が受けられるケースもあります。
ファミリーアセットコンサルティングは、40行以上の金融機関と取引があり、幅広い選択肢のなかから、希望にそった最適な融資のご提案が可能です。無料で個別相談会も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
アパートローンにおける自己資金の割合
アパートローンにおける自己資金の割合は、一般的に建築費の10~30%程度です。たとえば建築費が5,000万円の場合、自己資金は500~1,500万円程度になります。また、返済比率(収益に対する返済額の割合)は50%以内が目安です。
土地を担保に入れることなどで自己資金を減らすこともできますが、返済が立ち行かなくなるリスクなども考えると、自己資金はなるべく増やして担保を少なくするのがおすすめです。
不動産投資のローンに関しては、次の記事でも詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ参考にしてください。
アパート経営の収支イメージと利回り

実際にアパートを建築した場合、収入や費用がいくらになり、どの程度の利回りになるかを考えてみましょう。利回りとは、投資した金額に対する利益の割合のことで、運用にかかる経費なども含めて計算する場合は、実質利回りと呼ばれます。実質利回りの計算式は次のとおりです。
| 実質利回り(%)= (年間家賃収入 - 年間の運用経費)÷ (物件購入価格 + 購入諸費用) × 100 |
一般的に、実質利回りは5%以上がよいとされています。「建築費用5,000万円でアパートを建てる場合」の条件をベースとして、実質利回りを計算してみましょう。なお、年間の運用経費は収入からローン返済額をのぞいたうちの15~20%が基準となるため、15%で計算を行います。
| 【アパートの設定条件】 構造(階数):木造(2階) 間取り:1LDK(広さ11坪) 戸数:6戸 家賃:9万円 坪単価:73万円 【物件購入価格 + 購入諸費用(建築費)】 本体工事費: 66坪 × 73万円 = 4,818万円 付帯工事費: 4,818万円 × 20% = 約964万円 諸費用:4,818万円 × 10% = 約482万円 費用合計:約6,263万円 【年間家賃収入】 9万円 × 6戸 × 12か月 = 648万円(満室想定) 【年間の運用経費】 648万円 × 15%(0.15) = 約97万円 【実質利回り】 (648万円 - 97万円)÷ 6,263万円 × 100 = 551万円(収益)÷ 6,263万円 × 100 = 約8.8% |
今回は新築が前提となることもあり、満室想定で計算を行いましたが、当然経営を行うなかで空室リスクも発生します。運用経費も大まかに計算しましたが、実際にはさまざまな条件で変わってくるでしょう。そのため、これらも考慮したうえでより具体的な利回りを考えるのが重要です。
不動産の利回りに関しては、次の記事で詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ参考にしてください。
アパートの建築費用を削減する4つのポイント

アパートの建築費用が削減できれば、自己資金やローンの返済額などを減らし、利回りも高くなるため、しっかり対策を考えるのが重要です。たとえば、削減のポイントとしては次のようなものが挙げられます。
- 最適な構造を選ぶ
- 仕様は必要十分を目指す
- 複数の会社で見積もりを比較する
- 補助金を活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
最適な構造を選ぶ
前述したように、構造によって特徴や費用に差があるため、自分のケースで最適な構造を選ぶのが重要です。たとえば2階建てであれば、木造や、鉄骨造の中でも軽量鉄骨が構造として適していますが、これを鉄筋コンクリート造(RC造)などにすると費用がかかりすぎます。
また、重量鉄骨造やRC造は構造が複雑化し、耐震・耐火の基準もより厳しくなることから、費用が高くなりやすい傾向があります。そのため、費用以上の収益が得られるか、無理なく返済できるかなど、コストパフォーマンスやリスクも考えるのが重要です。
仕様は必要十分を目指す
内装や各部屋へ導入する設備は豪華にしすぎず、必要十分を目指すのがおすすめです。基本的にシンプルな内装の方が、幅広い人に受け入れてもらいやすい傾向があります。
また、たとえばキッチンへの食洗機導入などは、ファミリー層向けの間取りであればニーズは高いでしょう。一方で、単身者がターゲットの場合はその分家賃を下げた方がニーズと合うことも多いです。ターゲットとなる入居者をイメージしつつ、どの程度が必要十分な内装や設備か考えましょう。
複数の会社で見積もりを比較する
依頼する建築会社を検討する場合には、最低3社以上の会社で見積もりを依頼し、内容を比較するのが重要です。前述したように、建築費はさまざまな要因で変動するため、実際に現地調査などを行わなければ具体的な見積もり額は算出できません。
また、1社だけに依頼すると費用が高過ぎてもわかりにくいため、複数の会社に見積もりを依頼することで、自分のケースにおける相場を把握するとよいでしょう。収支計画や間取り、構造などさまざまな面で比較を行い、わからない部分や変更したい部分などは積極的に相談することで、自身に最適な会社を見つけてください。
補助金を活用する
アパートの建築では、補助金を活用できる場合もあるため、自分のケースで使えないか確認するのがおすすめです。たとえば、アパート建築で使える補助金としては次のようなものがあります。
| 補助金名 | 概要 | 補助金額 |
| 新築集合ZEH-M | 断熱性能向上や、省エネ設備・システムを導入することで金額の一部を補助 | 40~50万円/戸 |
| サステナブル建築物等先導事業(LCCO2評価先導型) | ZEHよりも省CO2性能の高い建物や、技術・システムを導入した建築プロジェクトを補助 | 工事費の5%以内(上限3億円) |
| 子育て支援型共同住宅推進事業 | 子どもの事故・防犯対策などに関する設備やシステムを導入することで、金額の一部を補助 | 工事費の1/10(上限125~625万円/戸) |
要件や金額が年度によって変わるケースや、事業自体が終了するケースもあるため、各公式サイトで最新の情報を確認するのが重要です。また、そのほかにも各都道府県や市区町村が独自に補助金を提供しているケースもあります。事前に建築会社や不動産会社など、専門家に相談するとよいでしょう。
アパート建築の流れと期間

アパート建築は設計や事前の申請、施工などさまざまな工程が必要であり、短い場合でも計6~7か月程度はかかります。スムーズに完成までこぎつけるには、大まかな流れを知り、早めに準備を進めるのが重要です。主な流れと期間は次のとおりです。
| 工程 | 概要 | 期間 | |
| 1 | 事前準備 | 建築会社のリサーチ 見積もり資金計画 収益プランの確認 | 1~2か月 |
| 2 | 設計・プラン提案 | 間取りや設備の選定 設計図の確認 | 2~3か月 |
| 3 | 建築確認申請 | 自治体に申請・審査 | 1~2か月 |
| 4 | 着工~完成 | 基礎工事・躯体工事・内装の順に実施 近所の挨拶回りや地鎮祭、上棟式も実施 | 階数+1~4か月 |
| 5 | 引き渡し | 完了後の検査や引き渡しの手続き | 2~4週間 |
| 6 | 入居者募集 | 入居者の募集は完成の1~2か月前から実施 広告出稿や内覧の対応、契約など | 1か月~ |
事前準備は、土地探しからはじめる場合は半年程度かかるケースもあります。設計・プラン提案は、オーダーメイドの場合期間が延びやすいため注意しましょう。着工から完成までは、次のように構造によって差が生まれます。
- 木造:階数+1か月
- 鉄骨造:階数+1~2か月
- 鉄筋コンクリート造:階数+3~4か月
盆・正月を挟むと長引くケースもあるため、引っ越しシーズン(3~4月・8~9月)を狙って完成させたい場合は注意が必要です。
アパートの建築会社を選ぶポイント

建築会社を選ぶ際には次のポイントに注意が必要です。
- 親身になって説明してくれるか
- 建築以外のことも相談しやすいか
それぞれ詳しく解説します。
親身になって説明・提案してくれるか
複数の会社を比較検討している際、親身になってくれるかが重要です。特にアパート建築が初めての場合は不動産に対して深い知識がなく、失敗するのではないかと大きな不安を抱えている方も多いでしょう。そのため、こういった疑問や不安に耳を傾け、丁寧にリスクや利益の仕組みを説明してくれる会社であれば、長期のアパート建築でもトラブルが起きにくく、依頼者のニーズに沿った提案が期待できます。
また、見積もりの内容を詳細に説明してもらうことも重要です。前述したようにどこまでを本体価格に含めるかなどは会社によって異なるため、工事の範囲などを確認し、余分な費用が入っていないかなどを、細かくチェックしましょう。
建築以外のことも相談しやすいか
アパート建築では、建築に関連してさまざまな手続きや対応が求められ、トラブルに見舞われるケースも考えられます。初心者にはわからないことが多いため、幅広くサポートしてくれる会社であれば、安心してアパート建築を進められるでしょう。たとえば、次のようなポイントをチェックしておくと安心です。
- 司法書士・融資先の選定や対応
- 工期の調整
- 不具合が発生した場合の保証内容
- アフターフォローの体制
ファミリーコーポレーションのアパート建築では、アパートの建築プランニングはもちろん、建築後のアフターフォローも充実しています。物件の管理業務委託や修繕計画の立案、建物点検、さらには次代を見据えた売却や相続まで対応可能です。アパート建築をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
アパート経営は土地を持たないなら中古がおすすめ

もし、アパート経営を考えている方のなかに、土地の購入も含めて検討している方がいる場合、新築アパートはおすすめできません。ここまで紹介してきたように、新築アパートの建築は非常に高額であり、ここへさらに土地の価格も入れると借入金が膨らんで利益を出すのが難しくなります。
そのため、土地を持っていない方がアパート経営を考える場合は、中古アパートがおすすめです。新築アパートと中古アパートには、主に次のような違いがあります。
| 新築アパート | 中古アパート | |
| 初期費用(土地+建物の総額) | 高い | 安い |
| 家賃収入 | 高い | 安い |
| 利回り | 低い | 高い |
| 修繕費 | 低い | 高い |
| 空室リスク | 低い | 高い |
| 利益が出るまでの期間 | 長い | 短い |
最大の違いは初期費用(土地+建物の総額)の安さであり、新築は建築費が高額であるのに対し、中古アパートは物件の購入価格が大幅に安くできます。また、購入価格が安いため、家賃が多少安かったとしても利回りは高くなり、土地の価格を含めても初期費用を早期回収しやすいのがメリットです。
しかし、中古アパートには空室リスクや修繕費の増加、融資を受けにくいといったリスクも存在するため、物件選びは慎重に行う必要があるでしょう。専門家に相談しつつ、条件のよい物件を見極めるのが重要です。
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アパートの建築費でよくある質問
最後に、アパートの建築費でよくある質問をいくつか紹介します。
アパート建築費の坪単価はいくらですか?
アパート建築費の坪単価は、全国平均で約106万円です。ただし、構造別で見ると約73~119万円、地域別に見ると約76~139万円で、構造や地域によって差が大きいため注意が必要です。
アパート建築費の相場はいくらですか?
アパート建築費の相場は、たとえば50坪の場合、木造は4,000~5,000万円、軽量鉄骨造4,200~5,000万円、重量鉄骨造4,800~6,800万円、RC造は4,800~6,800万円が目安です。ただし、坪数やどの構造を選択するかでも大きく変わるため、正確な相場を知りたい場合は建築会社へ見積もりを依頼するのがおすすめです。
現在建築費はどの程度高騰していますか?
建築費は直近の5年間で30%近く上昇しています。高騰の原因は、人手不足や輸送コスト増加、円安の影響などで、中東情勢の影響で今後輸送コストがさらに上がることも懸念されます。
アパートローンとはなんですか?
アパートローンとは、賃貸物件の建築や購入などで利用できる融資のことです。一般的な住宅ローンと違い、物件の収益性も重要な審査基準になります。
アパート建築費用の内訳はどうなっていますか?
建築費用の内訳は、本体工事費(本体価格)が70~80%、付帯工事費(別途工事費)10~20%、諸費用が10%です。
アパート建築費用の頭金はどの程度必要ですか?
アパート建築費用の頭金は、費用全体の10~30%程度あるとよいでしょう。返済できなくなるリスクも考え、自己資金はなるべく増やして担保を少なくするのがおすすめです。
まとめ

アパートの建築費の相場や坪単価、費用の内訳、計算シミュレーションなどについて解説しました。アパートの建築費はさまざまな要因で変動します。正確な費用が知りたい場合は、複数の会社に見積もりを依頼し、自分のケースにおける費用相場を知り、最適な建築会社を選びましょう。
ファミリーコーポレーションのアパート建築では、自由設計にこだわり、土地の特性を正確に捉えたうえで、付加価値を高めるアパートの建築設計や、資産価値を高める運用プランニングをご提案しております。アパート建築をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。