不動産投資とはどんなもの?概要から初心者が始めるコツまでわかりやすく解説
目次
不動産投資とは購入した不動産を賃貸に出したり、売却したりして利益を得る投資手法です。実際にはどのように行えばよいのか、初心者には難しいのではないかといった疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。しかしポイントさえ押さえれば、初心者でも自信を持って始めることが可能です。
この記事では、不動産投資の基礎知識に加えて、不動産投資を行うメリットやデメリット、始めるためのコツについて解説します。
不動産投資とは不動産を通じて利益を得る投資方法
不動産投資とは、購入した不動産を運用して利益を得る投資方法です。ここでは、不動産投資を始めるために必要な以下の基礎知識について解説します。
- 不動産投資の利益は「売却益」と「運用益」の2種類
- さまざまなタイプの不動産があり、収益性やリスクも異なる
- 不動産投資を始めるまでの基本的な流れ
不動産投資の利益は「売却益」と「運用益」の2種類
不動産投資で利益を上げる方法には、以下の2種類があります。
- 購入した不動産を買値よりも高く売って売却益(キャピタルゲイン)を得る
- 購入した不動産を賃貸物件として貸し出して家賃収入(運用益・インカムゲイン)を得る
例えば、1,000万円で購入した物件を2,000万円で売却すると、1,000万円の利益を得られます。この利益をキャピタルゲインといいます。しかし、売却益を得るには不動産市場の価格相場を把握したうえで、値上がりが見込める不動産を見極める必要があります。あまり初心者向きの投資方法とはいえないでしょう。
現在の不動産投資の主流はインカムゲインを求める手法です。購入した不動産を賃貸物件として運用していくことで、毎月安定した家賃収入が見込めます。
さまざまなタイプの不動産があり、収益性やリスクも異なる
不動産投資と一口にいっても、投資対象となる不動産物件はさまざまです。一般的な賃貸用の不動産には、マンションやアパートなどの「一棟もの」、マンションの一室のみが投資対象となる「区分マンション」、「一戸建て」があります。
その他、駐車場やトランクルームなどを対象とした投資、購入した土地にアパートやマンションを新築する手法もあります。
収益性の面では、複数の戸数を貸し出す一棟アパート・マンションへの投資が最も利回りがよいといえます。それに対して区分マンションや一戸建ては、販売価格が一棟ものに比べて安いことから始めやすく、流動性も比較的高い特徴があります。
アパートやマンションへの投資は金額が大きくなる分、リスクも高いのではないかと考える方もいるでしょう。しかし、金額の大きさがそのままリスクに直結するわけではありません。それよりも、販売価格が市場相場以上に割高な物件や、賃貸需要のない立地に建つ物件へ投資するほうが高リスクといえます。
不動産投資を始めるまでの基本的な流れ
不動産投資を始めるまでの基本的な流れについて、全体像を確認していきましょう。
まずは、不動産会社やポータルサイトなどを通じて物件情報を収集します。収集した情報を検討して、気になる物件があれば、実際に現地へ足を運んで建物や設備、周辺環境を確認します。
購入を決意したら買付証明書を不動産会社へ提出して購入の意思表示をします。その後、売主と不動産売買契約を締結して手付金を支払い、不動産の引き渡しと残金決済の手続きを行います。
購入時に融資を利用する場合は金融機関による事前審査が必要なため、スムーズに融資を受けるためにも自分の資産状況を不動産会社に伝えておきましょう。
不動産投資の主なメリット
さまざまな投資手法の中でも、不動産投資を行うメリットは以下の4点です。
- ビジネスパーソンの副業に最適
- 金融機関を活用できて資産形成スピードが速い
- 他の投資手法よりも安定した収入が見込める
- 節税効果も期待できる
それぞれについて詳しく解説します。
ビジネスパーソンの副業に最適
不動産投資は、ビジネスパーソンの副業に最適といえます。例えば不動産管理会社に物件の管理を委託すれば、建物の管理や家賃の集金、クレーム対応などの管理業務を行う必要はなくなるため、本業に支障をきたす心配はありません。
また会社勤めの場合は、継続した安定収入があり返済能力に問題がないと判断されるため、金融機関から融資を受けやすいメリットもあります。融資の面でも、ビジネスパーソンは不動産投資向きといえるでしょう。
不動産投資ローンを利用できて資産形成スピードが速い
不動産投資では、現金一括ではなく金融機関から融資を受けて物件を購入される方が多い傾向にあります。
手持ち金だけで不動産を購入するより、融資を利用したほうが資産形成スピードを早められることが多いです。例えば、現金で利回り8%・2,000万円のアパートを購入した場合、年間収益は「2,000万円(販売金額)×8%(利回り)」で160万円になります。
しかし、2,000万円を頭金として融資を受け、利回り8%・8,000万円のアパートを購入すればどうなるでしょうか。ローンの返済期間は30年間、金利は3%、元利均等返済(毎月の返済額が一定)のケースでシミュレーションしてみました。
8,000万円(販売金額)×8%(利回り)=640万円
640万円 - 年間返済額約303万円=年間収益約337万円(約2.1倍)
手持ちの現金だけで運用したときに比べ、年間収益は約2.1倍上がる計算になりました。厳密には購入時諸経費や税金がかかるためこの通りにはいきませんが、融資を活用すると資産形成スピードが上がることはイメージできるでしょう。
他の投資手法よりも安定した収入が見込める
不動産投資は、他の投資手法よりも比較的安定した収入が見込めます。例えば株式投資の場合、購入した会社の業績によって配当が下がるかもしれません。会社自体に問題はなくても、社会情勢の変化によって株価が急落する可能性は十分にあります。
FX、ゴールドなどの現物投資も景気や社会情勢などの影響を受けるため、将来予測が難しい投資手法といえます。
一方、不動産投資は社会情勢の影響を直接受けにくく、突如として家賃相場が下がることはあまりありません。決まった額の家賃が毎月振り込まれるため、他の投資手法に比べると安定した収益を得られます。
節税効果も期待できる
不動産投資は、節税効果も期待できます。ビジネスパーソンの場合であれば、本業の給与所得と不動産投資で発生した赤字とを損益通算することで、所得税・住民税の対象となる所得が圧縮されます。なお、損益通算するには確定申告をしなければならない点に注意が必要です。
また、現金をそのまま相続するよりも現金を使って不動産を取得するほうが相続税評価額を抑えられるため、相続税対策にもつながります。
不動産投資の主なデメリットと対処方法
不動産投資には、注意すべきデメリットも存在します。ここでは、不動産投資の4つのデメリットと、その対処方法について解説します。
- 入居者が入らない・退去したら家賃収入が入らない
- 地震・火事・水害などの天災で建物が壊れる
- 経年劣化により建物の維持管理費がかかる
- 入居者が家賃滞納・騒音トラブルを起こす
入居者が入らない・退去したら家賃収入が入らない
運用している賃貸物件に空室が生じた場合は、当然家賃収入が入りません。安定した収益を得るためには、空室対策が不可欠です。
一棟アパート・マンションの場合は、空室が一件発生しても他の部屋からの収入があるため、収入はゼロにはなりません。
また、一戸建てや区分マンションへの投資の場合は入居者が退去すると収入がなくなりますが、需要のあるエリアに立地し、周辺の賃貸物件と比較したうえで適切な家賃設定がなされていれば、次の入居者が見つかるまでにそこまでの時間はかからないでしょう。
また、不動産管理会社がオーナーから不動産を借り上げる「サブリース」と呼ばれるサービスもあります。サブリース契約であれば家賃が保証されるため、物件が空室でもサブリース手数料を差し引かれた分の賃料が入ってきます。ただし、サブリース賃料は実際の家賃収入よりも少ないため、投資効率(利回り)は下がってしまいます。さらに、不動産管理会社が家賃の減額を持ちかけてきたり、契約終了の打診で当てが外れたりすることもあり、注意が必要です。
地震・火事・水害などの天災で建物が壊れるリスクがある
日本は世界でも有数の地震大国であり、また気候変動による水害のリスクも年々高まっています。地震・火事・水害などの災害は自分の力では予防できません。そのため不動産投資は、災害が発生する前提で取り組む必要があります。
災害による建物の破損は、火災保険でカバーできます。建物被害だけでなく、自己保有の不動産の瓦が落ちて通行人にけがをさせた場合に補償される保険もあります。また、アパートの排水管が破裂して漏水が起こり、入居者の家財に被害が出た場合などに備える家財保険なども存在します。将来的に起こり得るリスクに備え、適切な保険に加入するとよいでしょう。
経年劣化により建物の維持管理費がかかる
投資対象となる不動産はアパートやマンション、一戸建てなどさまざまなタイプがありますが、いずれの建物も経年劣化は避けられません。建物と付帯設備の維持管理のために費用がかかるのは、不動産投資のデメリットのひとつです。
特にアパートやマンションの一棟ものの場合、定期的な大規模修繕が欠かせません。大規模修繕には多額のコストがかかるため、将来どのタイミングで、どのくらいの費用が発生するのか、不動産購入前に入念なシミュレーションが必要です。それらの費用を踏まえても収益が出るかどうかを考えることをおすすめします。
入居者が家賃滞納・騒音トラブルを起こす
入居してくれるのはありがたいことですが、ときには入居者トラブルに頭を抱えるケースもあります。代表的なのは、家賃の滞納や騒音による隣人トラブルです。
ただ、家賃滞納は家賃保証会社に加入してもらうことで対策できます。万が一家賃の滞納が発生した際には、家賃保証会社が入居者の代わりに不動産オーナーに家賃を支払ってくれます。また騒音トラブルや隣人トラブルなどの対応は、管理会社に対応を委託できます。
不動産投資を始めるコツ
不動産投資に関心があっても、なかなか初めの一歩を踏み出せない方もいるでしょう。そこでここでは、不動産投資を始めるためのコツについて解説します。以下の6つのポイントを意識したうえで、不動産投資に取り組むことをおすすめします。
- 自己資金が少なくても悩まない
- 自分の組める融資を把握する
- 特別な不動産の知識・資格は必要ない
- 家族の賛成を得る
- 投資経験のない人へは相談しない
- 学ぶときは最新の情報を求める
自己資金が少なくても悩まない
不動産投資を始めるにあたって、投資用の自己資金が多ければ購入できる不動産の選択肢の幅が広がります。しかし不動産投資では金融機関から融資を受けられるため、不動産購入金額をすべて現金で用意する必要はありません。自己資金が少なくても、継続した安定収入のある会社員などは融資を組んで不動産投資を始められます。
また、上場企業勤務や医師、弁護士などの高収入の職業であれば、より好条件の融資を組める可能性もあります。
自分の組める融資を把握する
融資を受けることに抵抗があり、不動産投資に踏み切れない、という方もいらっしゃいます。不動産投資の未経験者が、多額の借金をすることに抵抗を感じるのはごく自然なことといえます。
まずは興味のある物件を購入する場合に利用する金融機関、融資金額、融資期間、金利を設定し、実際に毎月の返済額がいくらになるかをシミュレーションしてみましょう。具体的な数字で把握できれば、漠然とした恐怖心はある程度なくなる可能性があります。
ファミリーコーポレーションでは、まず自身が組める融資条件を把握してから物件を選定することをおすすめしています。そのほうが、よい物件が出てきた場合にすぐに申し込みをするなどの行動が取れるためです。
特別な不動産の知識・資格は必要ない
建物の良し悪しを判断できるだけの知識がない、宅地建物取引士(宅建士)の資格がないから自信がないなど、知識や資格がないことを理由に不動産投資に踏み切れない人もいます。
たしかに、不動産投資を始めるにあたって基礎知識の習得は大切です。しかし専門家になる必要はありません。
例えば、宅建士の資格があれば不動産取引を行ううえでプラスに働きますが、不動産賃貸業を行う際に必須の資格というわけではありません。不動産取引全般については不動産仲介会社、修繕についてはリフォーム会社など、それぞれの道のプロの力を借りながら、不動産投資を行っていくとよいでしょう。
家族の賛成を得る
不動産投資を始めたいが家族に反対されそうという場合、家族に投資経験がなければ、いきなり説得しようとするのはNGです。
まずは、自身で不動産投資に関する基礎知識を学ぶ意識が重要です。そのうえで、検討中の不動産を購入した場合に毎月の収入と支出のバランスはどうなるのか、数字を確認しましょう。一定の空室率を踏まえても、十分な収益が見込める具体的なデータがあれば、家族の理解を得られる可能性は高くなります。
退職後の年金代わりになる、万が一のときは生命保険代わりに不動産が残るといったメリットも合わせて伝えられるとよいでしょう。
投資経験のない人へは相談しない
投資経験のない知人や友人に、不動産投資についての相談はしないほうが無難です。例えば、テニスをやったことのない人にテニスについての質問をしても、的を射た答えは得られないでしょう。それと同様に、不動産投資をやったことのない人に不動産投資について質問しても正確な答えは返ってきません。
不動産投資に関する疑問や悩み事がある場合は、不動産投資経験のある方や、信頼のおける不動産投資会社に相談するとよいでしょう。
学ぶときは最新の情報を求める
不動産投資の勉強を行う際には、不動産市場において最新の情報を得ることが重要です。書籍でも不動産投資についての知識は得られますが、その場合は発行年月に注意しましょう。不動産市場は常に変動しており、特に各金融機関の融資条件は社会情勢の変動の影響を受けて年単位、月単位で変化することもあります。
10年前に成功した手法が現在も通用する可能性は極めて低いといえます。本からは基礎知識や心構えなどを学ぶ程度に留め、より実践的な知識は毎日不動産情報に接している不動産会社から教わることをおすすめします。
まとめ
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資方法です。投資対象となる不動産は一棟マンション・アパート、区分マンション、一戸建てなどさまざまであり、収益を得られる一方で入居者がいなければ家賃収入を得られない、建物の維持管理費がかかるといったデメリットもあります。
不動産投資を成功に導くためには、自分に最適な物件を選んだ上、不動産投資に関する最低限の知識を身につけることが大切です。とはいえ、現実にはさまざまな疑問に直面することもあるでしょう。
ファミリーコーポレーションでは、初めて不動産投資を行う方のサポートをしております。不動産投資に関するお悩み事があれば、お気軽にご相談ください。