収益物件とは?不動産投資を成功させるコツやメリット・リスクを紹介
目次
不動産投資に興味をお持ちの方は、「収益物件」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、普通の不動産との違いや、収益物件を所有する意味を理解していないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、収益物件の概要や所有するメリット・デメリット、リスクなどについて詳しく解説します。不動産投資で成功するためにも、収益物件を選ぶ際のポイントやコツもおさえておきましょう。
収益物件とは
収益物件とは、毎月一定の賃料収入を得られる不動産のことを指します。例えば賃貸アパートやマンション、テナントビルなどがあります。収益物件は個人や事業者への賃料を目的とする不動産であり、自分が住むマイホームとは区別されます。
したがって、収益物件を購入する際は、マイホームのように住宅ローンを利用できません。融資を受けるには、不動産投資ローンを利用します。
収益物件は主に3種類
収益物件は、主に「住居系物件」「事務所系物件」「商業系物件」の3種類に分けられ、それぞれ用途や特徴が異なります。ここでは、それぞれの収益物件に該当する物件や特徴について解説します。また、一般財団法人日本不動産研究所の調査結果を基に、期待利回りの目安も紹介します。
住居系物件
住居系物件には、アパートやマンション、戸建て住宅などが該当します。主な借主は個人であり、物件によって単身者やディンクス層、ファミリー層まで賃貸需要があります。収益物件としての人気は高く、最も市場に多く出回っています。
一般財団法人日本不動産研究所の調査結果によると、2022年4月現在の期待利回りは、ワンルームタイプが4.0~5.5%、ファミリータイプが4.1~5.5%であることが分かります。
(参考:『一般財団法人日本不動産研究所 第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)の調査結果』)
事務所系物件
事務所系物件にはオフィスビルなどが該当し、主な借主は法人です。事業目的で入居するため賃貸期間が長い傾向にありますが、景気の影響を受けやすく、不況下では賃貸需要が減少するリスクがあります。
一般財団法人日本不動産研究所の調査結果によると、2022年4月現在の期待利回りは、東京都で3.3~4.0%、主な政令指定都市で4.2~5.5%であることが分かります。
(参考:『一般財団法人日本不動産研究所 第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)の調査結果』)
商業系物件
商業系物件は商業施設に利用される物件であり、さまざまな店舗がテナントとして入居します。物流施設や倉庫、駐車場といった用途でも利用され、収益物件としての用途は多岐にわたります。入居する事業者の経営状態が直接かかわり、長期の安定した収入を得られる可能性があります。
一般財団法人日本不動産研究所の調査結果によると、2022年4月現在の期待利回りは、都心型高級専門店が3.5~5.5%、郊外型ショッピングセンターで5.3~6.4%、物流施設・倉庫(マルチテナント型 湾岸部)で4.0~4.7%であることが分かります。
(参考:『一般財団法人日本不動産研究所 第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)の調査結果』)
収益物件のメリット
収益物件を所有することで、安定した収入源を確保できることや、節税対策になるといったさまざまなメリットを享受できます。ここでは、収益物件を所有するメリットについて詳しく見ていきましょう。なお、ここでは「住居系物件」のメリットに絞って解説します。
安定した収入源になる
マンションやアパートといった収益物件を所有すれば、入居者がいる限り家賃を受け取れます。立地や周辺環境、適正な家賃等の条件が揃った賃貸需要が高い物件を所有できれば、安定した収入源を得られるのが大きなメリットです。
物件の経年劣化などにより家賃を下げざるを得ないケースも考えられますが、適切な修繕や管理、リフォームなどを行っていれば、家賃を大幅に下げなくても入居者を確保できるでしょう。
節税対策になる
収益物件を所有することによって得た賃料収入は「不動産所得」として扱われ、不動産所得は総収入金額から必要経費を差し引いて算出します。必要経費として差し引ける項目には税金や火災保険料、修繕費、減価償却費といった費用が挙げられます。
中でも減価償却費は初年度を除いて支出を伴わない経費であり、帳簿上は赤字として申告することも可能です。不動産所得は給与所得などと損益通算ができるため、課税対象となる所得を減らし、所得税や住民税の負担を軽減につなげられます。
レバレッジ効果が期待できる
投資におけるレバレッジ効果とは、少ない資金で投資効果をあげ、より多くの収益を生みだし投資効率を高めることを指します。株式投資の信用取引やFX、暗号資産などの取引でよく利用される手法であり、自己資金の数倍から数十倍といった金額の取引を行えます。
不動産投資においては、不動産投資ローンを組むことで自己資金が少なくても収益物件を購入できることから、レバレッジ効果が期待できます。
生命保険代わりになる
不動産投資ローンを組んで収益物件を購入する際に、「団体信用生命保険」へ加入をすることで、ローンの返済期間中に契約者に万が一のことがあった場合、ローン残高が弁済されます。
収益物件の購入が生命保険代わりになるといわれるのは団体信用生命保険が関係しており、不動産投資ローンを組んで収益物件を購入するひとつのメリットです。
インフレに強い
インフレとは、さまざまなモノの値段が上昇し、お金の価値が下がる状態のことを指します。そのため、資産の大半を現預金で保有している場合はインフレに弱い資産構成といえるでしょう。
インフレに強いとされる資産のひとつとして不動産が挙げられ、収益物件を所有していることでインフレ対策につながります。不動産は資産価値が下がりにくいことに加え、インフレ時には家賃が上昇しやすくなります。
収益物件のリスク・デメリット
収益物件を所有するメリットも多いですが、不動産投資には空室リスクや価格下落リスクといったリスクがある他、運用期間中にはさまざまなコストがかかるなどのデメリットもあります。ここでは、住居系物件を所有するリスクやデメリットについて詳しく解説します。
空室リスク
収益物件を所有することで得られる主な収入は賃料収入のため、空室が増えることで収入が減少します。安定した収入を得るには入居者の確保が重要ですが、専門的な知識も多く自分で入居付けを行うのは難しく、収益物件を管理する不動産会社に委託するケースも多いでしょう。
物件の収益性は不動産会社の力量に左右される面も多く、入居付けに弱い会社や悪質な会社を選ぶと安定した賃料収入を得られない可能性が高くなります。管理を委託する場合は事前によく調査し、信頼できる不動産会社を選びましょう。
不動産価格や家賃の下落
収益物件は、景気後退による地価の下落などに伴い、不動産価格が下落するリスクがあります。また、物件の老朽化などによって物件価格が下落することで家賃を下げざるを得ないケースもあるでしょう。
立地条件が悪い場合や人口減少が目立つエリアに所在している場合など、賃貸需要が少ない場合は資産価値も下落しやすくなります。また、物件購入後の管理や修繕の状況によっては、物件の劣化スピードが速くなるでしょう。
流動性が低く希望通りに売却できない
株式や投資信託などの資産は、売却したいときにすぐに売却できます。しかし、不動産は買い手が見つからなければ売却できません。長期間売却できないケースもあり、状況によっては売却価格を見直す必要もあるでしょう。
売却価格を下げれば買い手が見つかる可能性は高くなりますが、希望通りの価格で売却できない場合は損失を生む可能性があります。
運用コストがかかる
収益物件の収支は賃料収入だけで計れるものではなく、運用のランニングコストや管理費や修繕費、税金、火災保険料といったさまざまな費用も加味しなければなりません。設備が故障すると、場合によっては突発的な支出が発生することもあるでしょう。
リフォームや大規模修繕行う場合など、大きな金額を負担するケースもあるため、ある程度の自己資金を用意しておくことが大切です。
収益物件は新築?中古?
新築のメリットとして、「建物や設備が新しい」「購入後しばらくは修繕費がかからない」「入居希望者が多い」といった点が挙げられます。しかし一方で、新築は購入時の価格が高く、利回りが低い傾向にある点や、購入後の物件価格と家賃の下落率が大きい点などがデメリットといえます。
対して中古物件のメリットは、「購入価格が安い」「利回りが高い傾向にある」「購入後の物件価格の下落が小さい」点などです。ただし、経年劣化により修繕費やリフォーム費が必要になる可能性がある点には注意が必要です。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、投資家に選ばれやすいのは購入のハードルが低い中古物件であり、不動産投資の初心者は中古物件から探すほうがよいかもしれません。
収益物件の選び方|チェックするポイント
収益物件を選ぶ際のポイントとして、立地の良い物件や修繕・管理の状態が良い物件、収益性が高い物件を選ぶことなどが挙げられます。物件選びは不動産投資の利益に直結するため、ここでは収益物件を選ぶ際にチェックするポイントについて詳しく解説します。
立地の良さ
収益物件を購入する上で、立地は非常に重要な要素です。一般的に立地の良さとは、次のような条件を満たすことをいいます。
- 最寄駅から近い
- 周辺施設が充実している
- 治安が良い
また、物件を選ぶ際は首都圏や関西圏の物件を選ぶことも大切です。地方の物件に比べて価格が高く、利回りが低い傾向にあるものの、人口が多い都心部の物件は賃貸需要が安定しやすく、入居者を確保しやすいでしょう。
修繕・管理の状態
収益物件は経年と共に劣化し、適切な修繕・管理が行われていない物件はより劣化のスピードが速くなります。劣化が激しい物件は入居希望者が少なく、物件価格の下落にもつながるため、修繕・管理の状態はよく確認しておきましょう。
修繕・管理の状態は書類や写真などで確認することも可能ですが、実際に現地に赴き、目で見て判断することも大切です。
収益性の高さ
収益物件の主な収入源は賃料収入であり、毎月安定した収入を得られる物件を選ぶことが大切です。ただし、不動産投資における収益性は、収入だけではなく支出も含めて考える必要があります。
収益物件を所有することで、さまざまな初期費用や運用コストが発生します。賃料収入からこれらの支出を差し引いても安定した利益を得られる物件が、収益性の高い物件といえるでしょう。
資産性の高さ
収益物件を選ぶ際は、資産性の高い物件を選ぶことも重要です。物件の資産性を測るには、立地条件に加え、土地の形状や接道状況、物件の構造なども重要な要素です。例えば、敷地の一部が通路上になっている敷地延長ではなく、間口の広く分筆も可能な整形地が好ましいでしょう。
また、物件に接する道路が建築基準法による制限を受けるなど、将来の建て替えや増築に影響しないかといったことも確認が必要です。物件の構造に関しては、鉄筋コンクリート造などの劣化しにくい構造のほうが資産性の高い物件といえるでしょう。
資産価値が下がりにくいという点では、物件価格が土地評価額に近い物件や、相場と比較して利回りが上がりきっている物件なども候補に上がります。
収益物件の選び方|成功のコツ
現地リサーチは徹底的に
収益物件を選ぶ際は、書類や写真だけでは分からないことも多いため、徹底的に現地リサーチを行うことが大切です。外装や内観、設備の状態などをよく確認しておかないと、購入後に大きな修繕費がかかってしまう可能性があります。
また、日当たり状況や騒音なども賃貸需要に影響するため、周辺に日光を遮る建物はないか、騒音が大きいエリアや遮音性が低い物件ではないかといったことも確認しておきましょう。
利回りが高すぎる物件には注意
収益物件を選ぶ際のひとつの基準となるのが「利回り」ですが、不動産会社が設定する利回りが相場よりも高すぎる場合は、思いがけないリスクが潜んでいる可能性があります。例えば、入居者を確保しにくい物件で「空室リスク」が高い可能性や、築年数が古く「修繕リスク」が高い物件である可能性があるでしょう。
また、購入時には出口戦略として売却するケースを考えておくことも重要ですが、流動性が低くく買い手が付きにくいケースも考えられます。必ずしも高利回りの物件はリスクが高いとはいえませんが、利回りが高すぎる物件の中にはリスクが潜んでいる可能性に注意しましょう。
投資を成功に導く不動産会社を選ぶ
不動産投資は投資額が大きく、投資期間も長い傾向にあるため、投資を成功に導いてくれる不動産会社を選ぶことが重要です。不動産会社のホームページなどで得られる情報としては、資本金や業歴、従業員数といった会社情報の他、売買実績や取引先の金融機関などを確認できるケースもあります。
不動産会社は数多く存在し、中には悪質な営業を行う会社もあります。ネット上の評判なども参考に、信頼できる不動産会社かどうかを見極めましょう。
まとめ
収益物件とは、毎月一定の賃料収入を得られる不動産のことを指し、所有することでさまざまなメリットが得られます。しかし、リスクやデメリットもしっかり把握し、投資目的によって購入すべき物件に違いがあることをおさえておかないと、不動産投資を失敗してしまう可能性もあるでしょう。
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