不動産経営にはどんな種類があるの?おすすめの投資方法を解説
目次
不動産経営を始めたい方は正しい知識を習得し、自分に合った手法を選ぶのが大切です。
不動産経営は月々の家賃収入を得られるほか、節税対策としても有効な手段です。一方で、空室の発生により安定した家賃収入が得られない可能性があることや突発的な修繕が発生する等のリスクも、おさえておかなければなりません。
本記事では不動産経営の種類やメリット・デメリット、経営により発生する支出や税金などについて詳しく解説します。不動産経営を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
そもそも不動産経営とは
不動産経営(賃貸経営)とは不動産を購入し、アパートやマンション等のオーナーとなることで収入を得る事業を指します。
不動産経営を行う際は入居者以外に「物件の管理会社」「融資を受ける銀行」「修繕を行う会社」といった、さまざまな人との円滑なやり取りが必要不可欠です。
不動産経営は所得税や住民税の節税に効果的であるため、節税対策として用いられるケースが多いです。また、入居者がきちんと集まれば安定した収入が得られるため、専業として行っている大家(専業大家)もいます。一方で、空室が多い状態が続くと赤字が持続的に発生してしまうリスクもあります。
資産形成方法としては「ミドルリスク・ミドルリターン」といわれており、「ハイリスク・ハイリターン」といわれる株やFXと比較するとリスクもリターンも少ないです。住居に関わる部分を取り扱い、実物資産としての性質を持つ不動産は株やFXなどの金融資産とは投資としての性質が大きく異なり、インフレなどの経済危機に強い面があります。
不動産経営の種類
不動産経営は物件の種類によって大きく内容が異なり、主に以下の4つが挙げられます。
- 一棟マンション経営
- 一棟アパート経営
- 区分マンション経営
- 戸建て住宅経営
各経営方法の概要とメリット・デメリットを次の項目から解説します。
一棟マンション経営
一棟マンション経営とはマンションを一棟まるごと購入し、賃貸経営により収入を得る手法です。
居住できる世帯数が多いため、入居率が高ければ高額な家賃収入が期待できるうえ、退去が発生した際の空室リスクが分散されるのが特徴です。一方で、初期費用が高額になりやすいため他の不動産経営と比較すると難易度が高めです。
一棟マンションの主なメリット・デメリットは以下の表の通りです。
メリット | デメリット |
・耐用年数や減価償却期間が長いため、資産価値を長く保持できる ・地震などの自然災害に強い ・多額の家賃収入を期待できる ・収入がゼロとなるリスクが低い | ・多額の初期投資費用がかかる ・エレベーターの点検や大規模修繕に多額の費用がかかる ・売却価格が高額なため、買い手の間口が狭い ・一年あたりの減価償却費が少なく、節税効果が低い |
一棟マンションの価格は都心の場合だと数千万円〜数十億円と購入時の融資の難易度も高くなるため、購入できる方が限られます。
また、物件の立地についても注意が必要です。一棟マンションは戸数が多い分多額の家賃収入が期待できる反面、多くの入居者を集める必要があるため、駅近であるなどの好条件の立地で不動産経営を行うのがポイントです。
一棟アパート経営
一棟アパート経営は一棟マンション経営と似ており、アパートを一棟購入して経営する手法です。一棟アパート経営のメリットとデメリットは以下の表の通りです。
メリット | デメリット |
・木造や軽量鉄骨造は耐用年数が短く、節税効果が高い ・物件価格が安く、利回りが高くなりやすい ・収入ゼロになるリスクが低い | ・マンションと比較して家賃相場が低い傾向にある ・空室が発生しやすい ・災害リスクが高い |
一棟マンションとの大きな相違点は建物の構造ですが、投資における費用も次のように異なります。
構造 | 投資費用 | |
一棟アパート | 木造または軽量鉄骨造の建物が多い | マンションよりも比較的安い |
一棟マンション | 鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造のいずれかで、3階建て以上の建物 | アパートよりも多額の費用がかかる |
一棟マンションと比べて一棟アパートは価格が低く、弊社取扱い物件の場合、中古アパートはおよそ2,000万円程度から取得可能です。
また、節税という観点からみると、一棟マンションより一棟アパートの方が1年で計上できる減価償却費が大きく、節税効果が高くなる傾向にあります。
減価償却費は物件の種類ごとに決められた耐用年数によって決まります。アパートは耐用年数が短い木造物件が多いため、1年あたりで経費計上できる減価償却費が大きくなります。
特に、中古アパートの場合は更に減価償却期間が短くなるため、非常に有効な節税手段になります。
区分マンション経営
区分マンション経営とはマンションを一部屋単位で購入し、借主からの家賃収入を得る方法です。他の不動産経営と比較して一室のみであるため物件価格が安く、不動産経営初心者にとって参入しやすい傾向があります。
区分マンション経営のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・不動産経営初心者が参入しやすい ・価格が低いためローン審査に通りやすい ・売却価格が低いため買い手の間口が広い | ・2年目以降は節税効果があまり期待できない ・空室になると家賃収入がゼロになる ・一棟マンション経営に比べ利回りが低い |
区分マンション投資を新築で行う場合、物件価格が割高かつ家賃の下落率が大きいため、利回りが悪くなる傾向があります。また、債務超過やキャッシュフローの赤字が発生しやすく純資産の拡大がしづらい上に、一年あたりで経費計上できる減価償却費も少ないため、節税対策としても効果が低くなります。
よって、区分マンション投資を新築で行う場合はリスクに見合ったメリットがないため、おすすめできません。
区分マンション経営を検討する時は、売却まで視野に入れたうえで購入する必要があります。物件売却時に利益が発生した際には譲渡所得税が課税され、税率は物件を保有していた期間によって異なります。
譲渡所得税の税率は以下の通りです。
所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | |
長期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えている | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年以下 | 30% | 9% |
上記の通り、長期譲渡所得では所得税・住民税の税率が下がるため、物件取得から5年目以降での売却を検討すると良いでしょう。
戸建て住宅経営
戸建て住宅経営とは戸建ての物件を賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得る投資手法です。戸建て住宅経営のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・中古物件は高利回りが期待できる ・ファミリー層の入居者が多く住んでもらいやすい ・価格が低いため売却しやすい ・管理が比較的楽 | ・空室になると家賃収入がゼロになる ・入居者の間口が狭まる |
戸建て住宅は新築だと初期費用が大きいうえ家賃が下落しやすく、利回りが悪くなる傾向があります。一方で中古であれば初期費用がおさえられ、年数経過による家賃の下落がゆるやかな傾向があるため、利回りが良くなります。
戸建て住宅は主にファミリー層を対象としているため、入居者が定着し、長く住んでもらいやすい傾向があります。戸建て住宅経営を行う際は、生活しやすいようシンプルな間取りの物件がおすすめです。
売却を考える際はリフォームやリノベーションを実施し、物件の価値を上げてから行うのもひとつの手段です。
不動産経営で得られる収入
不動産経営で得られる収入は次の2つに分けられます。
- 家賃
- 礼金・更新料など家賃以外の収入
それぞれの収入について詳しく解説します。
家賃
不動産経営の主な収入は家賃収入であり、共益費や駐車場使用料が発生する場合も家賃に含まれます。
家賃 | 入居者から毎月受け取る家賃は家賃収入の大部分を占めます。 |
共益費・管理費 | 毎月の家賃と一緒に支払われます。 使い道に決まりはありませんが、賃貸物件の共有部の運営や維持管理費用などを指します。金額の目安は家賃の5%から10%程度です。 |
駐車場代 | 駐車場も貸与している場合に収入が発生します。地域の相場によって金額が変動しますが、東京都内では3万円から5万円ほどです。なお、 駐車場代は課税対象となる場合もあります。 |
不動産経営では収入の中心となる家賃をいかに継続的・安定的に得られるかが重要です。空室が発生した分の家賃収入は減るため、入居率維持に向けた施策が求められます。
家賃以外の収入
家賃以外の収入には以下の項目があります。
礼金 | 入居時に借主から受け取る金銭で、家賃の1ヶ月から2ヶ月分程度が目安です。 |
更新料 | 賃貸契約更新(2年区切りが多い)の際に受け取る金銭で、家賃の1ヶか月分程度が目安です。 |
自動販売機収入 | 設置している場合は自動販売機の売上が得られます。 |
太陽光パネル | 設置している場合は太陽光の売電収入が得られます。 |
電柱設置使用料 | 敷地内に電柱がある場合は電力会社から敷地使用料を得られます。 |
敷金は原則借主に変換される「預り金」の一種であるため、収入とはみなされません。近年では入居者の負担軽減や空室対策のため、礼金や敷金、更新料を徴収しないオーナーも増えています。
不動産経営で発生する支出
不動産経営で発生する支出には「定期的な支出」と「必要に応じて発生する支出」があり、主に以下の通りです。
- 賃貸物件全般の管理費
- 入居者募集にかかる費用
- 租税公課
- 修繕に関する費用
- 保険料
不動産経営で発生する主な支出について、次の項目から紹介していきます。
賃貸物件全般の管理費
管理費は管理会社に賃貸物件の管理を委託した場合に発生する費用です。管理会社の主な業務に含まれる項目は以下の通りです。
- 物件の巡回
- 定期的な清掃
- 各種トラブルの対応
- 契約・退去時の立会い
- 入居者管理などにかかる費用(家賃滞納者への督促費用など)
不動産の管理業務をすべてオーナー自身で行うのは難しいため、管理会社に委託するのが一般的です。物件の管理を管理会社に委託する際は管理委託費が発生し、値段は管理会社によって異なりますが、家賃の5%程度が相場です。
入居者募集にかかる費用
入居者募集に際し、賃貸物件を紹介してくれた不動産仲介会社へ「物件の案内」や「契約条件の調整」「重要事項説明」「賃貸借契約の締結」の対価として「仲介手数料」を支払う必要があります。仲介手数料は「家賃1.1ヶ月 + 消費税」が上限です。
入居者募集の際に不動産会社に広告を依頼した場合は広告費が発生します。広告費は入居者募集をするためにオーナーが不動産会社に支払う費用であり、特別な広告を依頼した場合は別途費用がかかるため注意が必要です。
過去の事例ではオーナーの希望で遠隔地の交渉のために担当者が出向く交通費が、広告費として該当したケースがあります。
入居者募集や物件全般の管理といった業務をオーナー自身が行えば費用削減につながりますが、管理会社に委託するのが一般的であり、自主管理を行う労力以上の恩恵を得られるためおすすめです。
租税公課
租税公課とは必要経費として認められている、あるいは経費で落とせる公金を指します。確定申告時に経費として計上できるケースがあり、主に以下の通りです。
租税公課となるもの | 租税公課ではないもの |
登録免許税 固定資産税 都市計画税 不動産取得税印紙税 | 所得税 相続税 住民税 復興特別所得税 |
固定資産税や都市計画税など不動産を所有すると発生する税金は全額経費計上できます。
修繕に関する費用
不動産の設備が破損したとき、外壁や屋根の補修を行う際は修繕費が必要となります。不動産経営にかかる修繕費が発生するタイミングや内容は以下の通りです。
修繕するタイミング | 修繕内容 | |
原状回復 | 借主の退去時 | 物件を借主が入居する前の状態へ戻す |
定期補修 | 随時 | 室内の設備や機械などの不具合を補修する |
予防修繕 | 大規模修繕が必要となる前 | 設備の劣化を防ぐために修繕する |
大規模修繕 | 物件の築年数に応じて行う | 外壁・屋根などの工事および耐震補強工事など |
修繕の工事内容を20万円未満にすると、修繕費として費用計上できます。一方で、耐震補強や屋根の防水加工など、20万円以上かけて行う工事については機能をプラスするといった観点から「資産」の扱いとなり、減価償却の対象となります。
修繕費は毎年発生する費用であり、中でも特に大規模修繕の場合は多額の現金が必要であるため、あらかじめ計画を立てて家賃収入を積み立てておくなどの対策が大切です。また、修繕費は数年にわたって経費計上する必要がある点は注意しましょう。
保険料
火災や自然災害などの各種リスクを軽減するために保険に加入する場合は保険料が必要となります。
不動産経営には自然災害のリスクが伴い、災害で被害を受けると家賃収入が得られなくなるケースもあります。借主が安心して生活できる環境を整えるだけでなく、リスク管理のために各種保険に加入しておくのは有効な手段です。
損害保険 | 偶然の事故によって生じた損害をカバーする保険です。 |
火災保険 | 対象物が建物と家財に分かれており、オーナーは建物の補償への加入が必要です。 |
地震保険 | 単体での加入はできず、火災保険に付帯しての加入が必要。地震を原因とする火災や建物の損壊は、地震保険に加入していないと補償が受けられません。 |
不動産経営に係る保険料は経費として計上できます。複数年契約している場合は、1年単位で割った保険料を経費計上しましょう。
不動産経営のメリット
不動産経営で得られるメリットは主に以下の通りです。
- 優良物件を見つければ安定して長期的な不労所得を得られる
- 節税対策になる
- インフレや景気の影響を受けにくい
- レバレッジ効果が高い
- 生命保険の代用になる
不動産経営で得られるメリットを次の項目から紹介していきます。
優良物件を見つければ安定して長期的な不労所得を得られる
不動産経営は短期間で得られる利益というよりも、安定的に収入を得る目的で、長期的な視野を持ち計画を立てるのが大切です。
長期的な視野で大きな利益を生み出すためには条件の良い優良物件を見つけるのが必要不可欠であり、「立地が良く安定した賃貸需要が見込める」「土地評価が高い」などの条件を満たしていると望ましいとされます。優良物件は市場に出るタイミングがつかみにくいため、常に情報をチェックするのが重要です。
節税対策になる
不動産の減価償却費を経費計上すると課税所得額を圧縮でき、所得税と住民税の節税につながります。
減価償却費とは不動産の取得価額を減価償却期間に応じて分割して経費計上できる費用です。所得税は年間所得から経費を差し引いた金額に課税されるため、減価償却費が大きければ納税額を抑えられます。
減価償却により不動産所得が赤字申告できる場合は、異なる種類の所得(給与所得など)と損失を相殺(損益通算)し、所得税と住民税の節税につながります。
課税所得が多く、税率が高い方は不動産所得の赤字分と給与所得の黒字を相殺すると課税評価額が減るため節税効果を得られます。さらに、青色申告の条件を満たすと、所得課税対象額から最大65万円の控除を受けられます。
不動産経営は相続税を節税するためにも効果的な手段です。不動産の相続税評価額は現金で持っている場合よりも低く評価されるため、相続税が少なく計算されます。また、不動産を贈与する場合は年間110万円の基礎控除が適用できます。
このように不動産経営は所得税や住民税、相続税、贈与税の節税効果を得られます。一方で節税効果のみを目的とした不動産経営はおすすめできません。不動産経営が上手く立ち行かないと損失が節税額を上回り、失敗につながります。
節税のみを目的とすると失敗する可能性があるため、利益を得ることを目的としましょう。
インフレや景気の影響を受けにくい
不動産は現物資産であるため、インフレや景気の影響を受けにくい特徴があります。一般的に株やFXといった金融資産は経済状況が悪化すれば下落するリスクがあります。
一方で不動産は現物資産であるため景気変動によるインフレが起きても金融資産のように大きな値動きはせず、むしろ価値が上昇するケースもあります。
家賃は景気次第で見直しがされるケースもありますが、一朝一夕では変動せず、安定性が高い傾向にあります。土地や物件の価格についても同様であるため、金融資産のみで資産運用を行っている方は不動産経営をあわせて行えば大きなリスクヘッジができます。
レバレッジ効果が高い
不動産経営ではレバレッジを効かせると効率的に収益を得られる可能性があります。
レバレッジは「てこの原理」を示す言葉であり、小さな力で大きな効果をもたらすという意味を持ちます。不動産経営においては少ない自己資金で大きな借入を行うことでより大きな投資効果を生み出す方法を指し、一般的に広く使われています。
レバレッジを効かせると、自己資金のみの場合と比較して高額な物件を用いて不動産経営を行えるため、多くの家賃収入が得られる可能性があります。
≪レバレッジ効果の例≫
①自己資金のみでアパートを経営した場合
物件価格:2,000万円(自己資金2,000万円)
利回り:5%
年間収入:100万円
②レバレッジを効かせてアパートを経営した場合
借入金:3,000万円
物件価格:5,000万円(自己資金2,000万円)
利回り:5%
年間収入:250万円
上記の例だとレバレッジを効かせた結果、年間収入が2.5倍になりました。
一方で、レバレッジを効かせる際はリスクがある点もおさえておかなければいけません。融資額が増えると毎月のローン返済額も増え、何らかの理由により空室が多く発生すると返済不能に陥る恐れもあります。
生命保険の代用になる
不動産経営の際に団体信用生命保険に加入していると、万が一物件の所有者が亡くなったとしても保険金でローンが弁済されます。
残された家族はローン残債のない物件を相続するため、継続して家賃収入を得られます。また、引き継いだ物件を売却し、まとまったお金にすることも可能です。どちらを選択してもまとまったお金が入るため、生命保険の代用になると言われています。
不動産経営のデメリット
不動産経営はメリットが大きい反面、主に以下のデメリットがある点をおさえておかなければなりません。
- 購入した物件が必ず満室になるとは限らない
- すぐに売りたいと思っても売れない場合がある
- 投資した物件の価値が下落する恐れがある
- 金利が上昇し返済額が増える可能性がある
- 災害発生の恐れがある
購入した物件が必ず満室になるとは限らない
不動産経営では購入した物件が必ずしも満室が続くとは限りません。賃貸需要が少ない物件を選んでしまうと入居状況が悪化し、安定的な収入は途絶え、経費だけがかかってしまいます。
また、金融機関を利用している場合は返済に困窮してしまう可能性もあります。
物件購入を検討する際は賃貸需要がある東京圏や関西圏での物件を選ぶことがおすすめです。
直ぐに売りたいと思っても売れない場合がある
不動産経営の中でも一棟マンションや一棟アパートは購入金額が高いため、買い手が限られ、売りにくい傾向があります。
売りたいと思っても物件の状態や市況状況、ローンを組んで購入した場合は残債と売却時の相場金額とのバランスによって売るに売れない状況になる可能性もあります。
売却時のリスクを少なくするためには東京圏・関西圏など購入希望者の多い物件を選んだり、売却を依頼する際には一棟収益物件に強い会社に相談し買い手を探すことをおすすめします。
投資した物件の価値が下落する恐れがある
不動産の価値は年数の経過や管理状態の悪化などで下落する恐れがあるため注意が必要です。物件の価格は地価上昇により高騰するケースもありますが、基本的には経年劣化により年々下がります。
適切なタイミングでの修繕や集客活動を行わないと空室が増加し、結果として収支が悪化する可能性もあります。収支が滞ればローンの返済が滞り、キャッシュフロー上の問題を抱えてしまうほか、物件価値も伴って低下するため、売却時に売却損が発生してしまう可能性があります。
金利が上昇し返済額が増える可能性がある
ローンを利用して不動産経営を行う際に変動金利を選択すると、金融情勢の変化により金利が上昇する可能性があります。
返済が困難になる事態を避けるためには以下の対策が有効です。
- 余裕を持った返済プランを立てる
- 固定金利を選択する
- ローンの借入期間を短くする
災害発生の恐れがある
自然災害や火災が発生した際は、物件が被害を受けたり滅失したりするリスクがあります。リスクをおさえるためには、火災保険・地震保険への加入だけでなく、自治体で公表しているハザードマップの確認なども重要です。
不動産経営にかかる税金の種類
不動産経営には3種類の税金が課され、主に以下の通りです。
- 購入時または建築時にかかる税金
- 保有している間にかかる税金
- 売却時にかかる税金
不動産経営で発生する税金について次の項目から紹介していきます。
購入時または建築時にかかる税金
不動産の購入または建築時にかかる税金は以下の表の通りです。
内容 | 納付のタイミング | |
不動産取得税 | 土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得したときに課税される税金 | 不動産取得後 納税通知書到着時 |
印紙税 | 契約書や領収書などの書類に(契約金額に応じて)課される税金 | 売買契約締結時に貼付 |
登録免許税 | 所有権移転登記や保存登記等の申請をする際にかかる税金 | 不動産引渡時 |
不動産取得税の納税通知書が届くのは購入後4ヶ月から1年半ほどの間です。
また、印紙税が必要な書類は売買契約書のほかにも以下の書類があります。
- 金銭消費貸借契約書
- 工事請負契約書(建築時)
保有している間にかかる税金
不動産の所有期間中にかかる税金は以下の通りです。
内容 | かかる対象 | |
固定資産税 都市計画税 | 毎年1月1日を基準とし、不動産の所有者に対して課税される | 土地・建物の 固定資産税評価額 |
所得税 住民税 | 所得が発生した年度の翌年に一括もしくは4分割で支払う税金 | 年間所得 |
個人事業税 | 家賃収入が事業であるとみなされる場合 (おおよそ10室以上保有している) | 年間所得が290万円以上 |
売却時にかかる税金
不動産の売却時にかかる主な税金は以下の表の通りです。
内容 | 納付のタイミング | |
譲渡所得税 | 売却利益に対してかかる(所得税・住民税・復興特別所得税) | 確定申告 |
印紙税 | 売買契約書に貼付する | 売買契約時 |
登録免許税 | 不動産登記上の所有者名義を変更する際に発生する | 名義変更時 |
仲介手数料にかかる消費税 | 不動産会社を通じて不動産を売却する場合、仲介手数料に対してかかる | 仲介手数料の支払い時 |
譲渡所得税は物件を所有していた期間によって適用される税率が大きく異なります。
短期譲渡所得(所有期間5年以下)…39.63%
長期譲渡所得(所有期間5年超)…20.315%
短期譲渡所得が適用される税率が2倍近くとなるため、物件を所有してから5年以上経過してから売却するのが望ましいです。
信頼できる会社を見つけて相談しながら進めるのが大切
自分に適した不動産経営を行うには信頼できる不動産会社を見つけるのが重要です。そのためにはどのような点で判断すれば良いのか次の項目で紹介していきます。
強引な営業をしない
不動産会社によっては、絶対に儲かるなどと言って購入を勧めてきたり、物件の情報を説明しないまま契約を急かされたりする場合もあります。
特に初心者の場合は、不動産経営に関する知識が少ないため、流されてしまわないように注意が必要です。
不動産会社選びにおいて重要なのは、自分の投資目的や資産状況に合わせたプランを提案してくれるかがポイントです。不動産経営は長期にわたって続く取引なため、相談相手との関係性が経営の方向性を左右すると言っても過言ではありません。
無理な営業をせず、納得のできる説明をしてくれる不動産会社を選びましょう。
融資付けに強みを持っている
不動産会社と金融機関は情報交換を日々行っています。スムーズに融資の手続きが進むように、最新の融資状況についての情報共有は欠かせません。
不動産会社はローンに関するノウハウを持ち合わせており、的確なアドバイスとサポートを行ってくれるため、融資審査が通りやすくなったり、有利な条件で借りれたりします。
融資付けに強い会社を見極めるには、これまでの取引実績や提携している金融機関の数などを参考にするのをおすすめします。個別相談をして自身にあった金融機関の紹介してもらえる可能性もあります。
物件の購入から管理、売却まで幅広く相談できる
不動産経営初心者の場合は、物件の購入から管理、売却までトータルに相談できる不動産会社があると安心です。
それぞれ別の会社に依頼することも可能ですが、コミュニケーション量が多くなるうえ、連絡事項が煩雑になり、トラブルにつながるケースも多くあります。
そういったトラブルを防ぐには、不動産経営に関する売買や管理の手続きをすべて一括で請け負う会社に依頼するのが安心です。スムーズにやりとりできるうえ、ストレスも軽減できます。
また、購入時から売却を見据えた投資計画を提案してくれるため、より安全に投資に取り組むことができます。
不動産経営が軌道に乗ると、より収益を上げるために複数物件の同時経営が視野に入ってきます。投資物件を増やす際は、普段からやり取りしている不動産会社に依頼するのが望ましいです。同じ不動産会社に相談すると過去の経緯をふまえたうえで、どう計画・実行すればスムーズにいくのか教えてもらえるため、投資計画を迅速に進められます。
一方で、今までと違う不動産会社を利用すると、新規顧客の立場で取引をしなくてはいけません。現在保有している不動産の経営状況やオーナーの借り入れ状況なども分からないため、取引に時間がかかる可能性も考えられます。
スムーズに投資計画を進めるためには、信頼できる不動産会社を見つけることが重要です。
まとめ
不動産経営はメリットがある一方で、リスクを負う可能性もあるため、安定的な不動産経営を行うためには正しい知識を得るのが何より大切です。一棟アパート経営や区分マンション経営など、様々な投資方法の中から自分に合ったものを選び、専門家の意見も交えながら進めましょう。
ファミリーコーポレーションでは、東京圏や関西圏を中心にお客様の資産形成に役立つ中古アパートなどの投資用物件を扱っており、購入相談・物件情報の提供・融資付けのサポートを行っております。不動産経営のメリットを最大限に享受できるようアドバイスをさせて頂きますので、ご興味のある方はお気軽に当社へお問い合わせください。