再建築不可物件は要注意?メリット・デメリットや物件選びの注意点を解説
目次
再建築不可物件は通常の不動産よりも割安で売り出されています。一見お得そうに見える再建築不可物件ですが、物件の特性やリスクへの深い理解が必要です。
本記事では「再建築不可物件のメリットとデメリット」や「物件選びのポイント」を紹介します。建築不可物件での不動産投資を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
再建築不可物件とは
再建築不可物件とは建築基準法の基準を満たしておらず、建物を再建築できない物件を指します。再建築不可物件は価格が割安ですが、詳細を理解してからの購入が大切です。
再建築不可物件とは建物を解体して再建築や増改築ができない物件を指し、都市計画区域と準都市計画区域内に存在します。地震や火災で建物が倒壊した場合は再建築できませんが、建築許可が不要な範囲でのリフォームやリノベーションは可能です。
建築基準法では接道義務が定められており、接道義務を満たさない物件は再建築不可物件に該当します。
建築基準法における接道義務とは、「幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接している土地でなければ建物の建築や増改築ができない」という規定です。解体後に再建築をしたり建築許可が必要な建て替えをしたりする際は、建築基準法の接道義務を満たす必要があります。
なぜ再建築不可物件が存在するのかというと、建築基準法が制定されたのは昭和25年(1950年)、都市計画法は昭和43年(1968年)だからです。それ以前に建てられた物件のなかには、接道義務を満たしていないものもあります。
再建築不可物件のメリット
再建築不可物件は再建築や建築許可が必要なリフォーム工事などはできないものの、必ずしも悪い物件という訳ではありません。人によっては再建築不可物件の恩恵を受けられます。
再建築不可物件のメリットを3つ紹介します。
物件価格が割安
再建築不可物件は建物を再建築するのが困難であるため、通常の物件よりも比較的安い価格で売り出されています。物件の購入価格を相場よりも低くおさえられる可能性があります。
また、再建築不可物件だからといって家賃を安くする必要はありません。居住環境が変わらないのであれば、周辺の物件と同水準の家賃で賃貸募集をすることで、物件価格の割安さと相まって高い実質利回りが期待できます。
リフォーム・リノベーションに費用を回せる
通常の中古物件は「物件価格+修繕費用」で高額な初期投資を必要としますが、再建築不可物件は割安で物件の購入価格を低くおさえられる分、リフォーム・リノベーションに費用を回せます。予算が同じである場合は再建築不可物件のほうが資金に余裕があるため、通常の物件よりも質の高いリフォーム・リノベーションが可能です。
リフォーム・リノベーションにこだわると内装が美しくなり、入居者が見つかりやすくなるため、安定した家賃収入を期待できます。
固定資産税の負担を軽減できる
再建築不可物件は通常の不動産よりも資産価値が低く、固定資産税の負担を軽減できるメリットも得られます。再建築不可物件は接道義務を満たしていないため、課税評価額が低くなる傾向があります。そのため固定資産税や都市計画税も安くなります。
再建築不可物件のデメリット
再建築不可物件は運用が難しくリスクが高いため、基本的に初心者にはおすすめできません。不動産購入で後悔しないためにはデメリットの把握が大切です。以下の項目では再建築不可物件のデメリットを3つピックアップして紹介します。
不動産投資ローンを利用できない可能性が高い
資産価値が低い物件は担保価値も低いため、不動産投資ローンの審査に通らないケースが多いです。そのため再建築不可物件は、不動産投資ローンを利用できない可能性が高く、また利用できたとしても物件価格に対して低い金額しか融資が出ないこともあります。
少ない自己資金でレバレッジを効かせて不動産を購入したいとお考えの方にはおすすめできません。
不動産投資ローンはどのような物件でも利用できるとは限らないため注意する必要があります。なお、不動産投資ローンを利用できなくても、用途が自由な「フリーローン」であれば借り入れできる可能性はあります。ただしフリーローンは金利が高く、返済負担が大きくなる点に注意が必要です。
災害発生時のリスクが大きい
再建築不可物件は建築基準法等が制定される前に建てられた旧耐震基準の物件が多いため災害発生時のリスクが大きいです。
再建築不可物件は地震や火災で建物が倒壊しても再建築ができないうえ、更地にして売る場合も住宅用地として販売できず、相場よりも相当低めの金額にしないと売れません。住宅用地として売れなければ、駐車場や農地などに転用して利用する必要があります。
しかし再建築不可物件は接道義務を満たしていないケースが多く、車の進入が困難だと駐車場としても利用できない場合があります。駐車場としても利用できなければ、農地などに転用するか更地のまま放置するしか手段がありません。
なお、建設時に適法だったが、以降の法改正などで法不適合になった既存不適格物件の場合は同規模ではないものの、再建築が可能な場合もあります。
買い手が見つかりにくい
再建築不可物件は買い手にとってのデメリットが大きいため流動性が低く、ときに値下げして販売する必要性が出てきます。
物件を売りたいときに売れないと不動産投資の出口戦略で支障が出ます。特に物件を買い替えて投資を拡大したい投資家にとって、不動産をスムーズに売却できない点はデメリットです。不動産投資では出口戦略が重要であり、売りにくい再建築不可物件は投資対象としておすすめできません。
再建築不可物件を選ぶときのポイント
再建築不可物件は多くの制約やデメリットを抱えています。再建築不可物件で不動産投資をするのであれば、投資をするのにふさわしい物件の選択が大切です。
再建築不可物件を選ぶときのポイントを2つ、次の項目で紹介します。
できるだけ築年数が浅い物件を選ぶ
再建築不可物件を選ぶ際には耐震性や劣化などを考慮し、できるだけ築年数が浅い物件を選ぶのがポイントです。築年数が浅い物件は建物を長期にわたって利用でき、リフォーム費用も低くおさえられます。
ただし築年数が浅くても管理状態が悪いと劣化が進行するため、管理状況の確認も大切です。なお、築年数の浅い物件がなかなか見つからない場合、購入後にリフォーム・リノベーションする方法もあります。
立地や日当たりなどの条件、状態や設備がいい物件を選ぶ
再建築不可物件を選ぶ際は、立地条件や設備が良好な物件を選ぶのがポイントです。「駅が近い」「日当たり良好」などの立地条件が良い物件は入居者が見つかりやすく、空室リスクを低くおさえられます。
入居者にとって条件の良い物件は家賃を下げる必要はなく、長期にわたって安定した家賃収入が見込めます。再建築不可物件は相場よりも安く購入できるため、安定した家賃収入を得られると通常の物件より利回りが高くなり、高収益につながります。
まとめ
再建築不可物件は建物の再建築や建築許可の必要なリフォームができず、デメリットやリスクが大きい物件です。物件選びのポイントをおさえると良い物件が見つかる可能性はあるものの、再建築不可物件の購入は基本的にはおすすめできません。
リスクを許容して再建築不可物件で不動産投資をする場合は専門家への相談をおすすめします。再建築不可物件に限らず、不動産投資では物件選びが重要であり、専門家に相談すると購入から出口戦略までトータルでのアドバイスが受けられます。
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