初心者におすすめの資産運用5選!メリット・デメリットやポイントも
目次
資産運用を検討しているものの、何から始めるべきか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。資産運用は資産形成に有効な手段ですが、運用に失敗すると損失が出る場合があるため、十分な知識を身につける必要があります。
本記事では「初心者におすすめの資産運用」や「メリットとデメリット」を紹介します。これから資産運用を始める方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
そもそも資産運用とは
自分に合った資産運用方法を正しく選ぶためにも、まずは以下の知識を身につける必要があります。
- 資産運用の定義
- 資産運用の種類
- インカムゲイン・キャピタルゲイン
資産運用を行ううえで必要な知識を次の項目から解説します。
資産運用の定義
資産運用とは自分が持っているお金(金融資産)や現物資産(不動産)を運用して、さらに資産を増やしていくことを指します。近年資産運用が注目を集める背景には、銀行にお金を預けているだけではお金が増えない時代になったという状況の変化があります。
バブル期は銀行金利が5%を超えていたため、100万円を銀行に預けていれば1年後には105万円を獲得できました。しかし2022年現在は普通預金の金利を0.001%に設定している金融機関が多く、100万円を1年間預けていても10円の利息しかつきません。
資産運用に取り組む際は利益を得るだけでなく損失を被る恐れもあるため、リスクとリターンに関する理解が大切です。資産運用において、リスクとリターンは以下のような意味で用いられます。
- リターン:資産運用で得られる利益
- リスク:結果の不確実性(値動きの振れ幅)
リスクは危険の意味で扱われるケースが多いですが、投資におけるリスクとは値動きの振れ幅を指します。
資産運用の種類
資産運用にはさまざまな種類がありますが、大まかにはリスクとリターンの関係で分類できます。リスクとリターンは3段階に分けられ、それぞれに該当する資産運用の種類は以下の通りです。
リスクとリターンの関係 | 資産運用の種類 |
ローリスク・ローリターン | 預金/債券/iDeCo |
ミドルリスク・ミドルリターン | 投資信託/不動産/REIT |
ハイリスク・ハイリターン | 株式/FX/仮想通貨 |
リスクとリターンは表裏一体の関係にあり、リスクが大きいものほどリターンも大きくなります。しかしリスクが大きいものは損失が発生する可能性も高くなるため、資産運用の知識や経験の乏しい初心者のころから株式やFX投資などハイリスク・ハイリターンの資産運用はおすすめできません。
ローリスク・ローリターンの資産運用は収益性が低く、多くの資金がなければ十分な収益を得るのが困難ですが、安定性が高いためこれから資産運用を始める方にとっては始めやすい投資方法の一つです。
また、ローリスク・ローリターンの投資よりも多くの収益を狙いたい方は、投資信託や不動産投資などのミドルリスク・ミドルリターンの資産運用がおすすめです。収益性と安定性のバランスに優れているため、投資初心者の方におすすめできます。なかでも不動産投資の場合、元本保証はありませんが、株式投資のように投資した資産の価値がゼロになってしまう心配もありません。また、不動産投資ローンを組めば自己資金が少ない状態でも始められるため、多くの方が検討できる資産運用です。
インカムゲイン・キャピタルゲイン
資産運用で得られる収益は、インカムゲインとキャピタルゲインの2つに分類されます。
インカムゲインとは商品や資産を保有し、運用により継続的に得られる収益を意味します。インカムゲインの具体例は以下の通りです。
- 株式の配当金
- 不動産の家賃収入
- FXのスワップポイント
一方で、キャピタルゲインとは資産の売却によって得られる売買差益を意味し、具体例は以下の通りです。
- 株式の売買差益
- 不動産の売買差益
- FXの売買差益
どの資産も「購入後に運用して売却」という流れになるため、同じ投資対象であってもインカムゲインとキャピタルゲインが混在します。しかし投資手法によって双方の比率は調整できるため、自分好みの投資方法を選択可能です。
たとえば不動産の場合、長期保有で家賃収入(インカムゲイン)を柱にする方法もあれば、短期売買を繰り返して売買差益(キャピタルゲイン)を得る方法もあります。
キャピタルゲインは一度に得られる収益が大きい傾向にありますが、売買のタイミングを誤ると大きな損失が発生する恐れがあるため、上級者向けの運用方法といえます。損失をおさえて利益を獲得するためには、自分の資産運用の目的に合わせて投資手法を選択するのが大切です。
おすすめの資産運用5選
資産運用の種類はさまざまであり、初心者に最適な投資方法もあります。初心者におすすめの資産運用は以下の5つです。
- 投資信託
- 不動産投資
- iDeCo(イデコ)
- REIT投資
- 債券
次の項目では5つの資産運用を詳しく解説します。
投資信託
投資信託とは複数の投資家から集めた資金をもとに、運用のプロがさまざまな商品に分散投資する資産運用です。運用によって得られた利益は、出資した金額に応じて投資家に分配されます。
しかし投資信託と一口に言っても投資先の数は5,000を超えるため、商品ごとに特徴の把握が必要です。商品によって投資先は異なり、以下のジャンルに大きく分類されます。
- 日本株式
- 外国株式
- 日本債券
- 外国債券
- 日本不動産
- 海外不動産
日本株だけの投資信託はバランスが良いものの高い収益は期待できません。一方で、外国株だけの投資信託は高い収益性が期待できるもののリスクが高くなります。
株だけでなく債券や不動産投資信託にも分散投資すると、収益性と安全性のバランスが取りやすくなります。
投資信託のおすすめポイント
投資信託のおすすめポイントは以下の4つです。
- プロの運用会社に任せられる
- 透明性が高い
- リスクの分散ができる
- 少額から投資できる
【プロの運用会社に任せられる】
投資信託はプロの運用会社に任せられるため、手軽かつ安全に資産運用できます。たとえば日本人が海外の不動産に投資する際は手間がかかりますが、海外REITなどを購入すると簡単に海外の不動産に投資できます。また、自分で一から投資先を見分けるよりも、既に商品化されたものから選ぶほうが安全な商品に投資可能です。
【透明性が高い】
投資信託は監査法人から監督と審査を受けているため、透明性が高いのもおすすめポイントです。毎日基準価額が公表されており、資産の価値や値動きのチェックも簡単にできます。
なお、株や為替と違い基準価額が公表されるのは1日1回だけです。価格を見る機会が少なくなり、値動きによる心理的ストレスもおさえられます。
【リスクを分散できる】
投資信託は個別株のような特定の資産だけでなく、さまざまな銘柄や商品に分散投資をして資産が大きく減るリスクをおさえられます。
たとえば個別株の場合、投資先の会社が倒産してしまうと資産価値がゼロになってしまいます。その点、投資信託であれば何十、何百という投資先に分散するため、資産価値がゼロになるリスクは低い傾向があります。
【少額から投資できる】
投資信託は100円からでも始められます。株や債券に投資する場合はある程度まとまった金額が必要となりますが、投資信託は少額から始められるため初心者にもおすすめの資産運用です。
投資信託の注意点
投資信託で気をつけるべきリスクは以下の通りです。
- 手数料がかかる
- 元本保証ではない
投資信託は運用会社に投資を依頼する分、以下のような手数料がかかります。
手数料の種類 | 手数料がかかるタイミング |
販売手数料 | 購入時 |
信託報酬 | 保有期間中 |
信託財産留保額 | 解約時 |
なお、同じ投資信託を購入する場合でも金融機関によって手数料の金額は異なります。一般的にネット証券で購入するほうが金融機関の窓口で購入するよりも手数料が安いです。投資効率を上げるためにも、できる限り手数料をおさえる工夫が大切です。
また、投資信託は分散投資でリスクを軽減していますが、元本保証ではありません。投資信託の運用成績は市場環境によって変化するため、運用がうまくいかず損失を被る可能性があることも覚えておきましょう。
不動産投資
不動産投資とは不動産を購入して運用する投資方法であり、具体的には「賃貸に出して家賃収入を得る」「売却して売却益を得る」などの方法で収入を得ます。
賃貸の場合は管理の手間がかかりますが、管理会社に業務を委託するとほぼ自動で運用可能です。売却して売却益を狙う場合は税金面の知識が必要です。
なお、短期間で売買を繰り返す方法は宅地建物取引業の免許が必要になるケースもあるため、上級者向けの方法といえます。
不動産にはマンションや一戸建て、アパートなどさまざまな種類があります。ほかの資産運用と比べると最低投資金額は高めですが、まとまった収益を期待でき、資産運用初心者の方にもおすすめの方法です。
投資である以上さまざまなリスクがありますが、住まいの需要は根強いため対策を講じれば長期間安定した収益を得られます。まずは長期投資を前提に将来を見据えた収支計画を作成して着実に実行しましょう。
不動産投資のおすすめポイント
不動産投資のおすすめポイントは以下の5つです。
- 長期的かつ安定的に収益を得られる可能性がある
- 節税効果を得られる
- 生命保険代わりになる
- インフレに強い
- レバレッジ効果により大きなリターンを期待できる
【長期的かつ安定的に収益を得られる可能性がある】
不動産投資の成果に大きな影響を与える要素が賃貸需要です。主要駅からの距離が近いほど入居者からの賃貸需要があるように、立地条件の良い収益物件を購入できれば高い賃料で、安定した家賃収入を得られる可能性が高くなります。
【節税効果を得られる】
不動産投資で発生した赤字と本業の所得を損益通算することで、節税効果を得られます。
不動産投資では、実際のキャッシュの移動を伴わない減価償却費という会計上の赤字が発生します。こちらを給与所得と相殺することにより、課税所得を圧縮することができます。
また、不動産は相続税評価額の圧縮効果があり、不動産の時価と同じ金額の現金を相続するよりも相続税を節税できます。
【生命保険代わりになる】
不動産購入でローンを組む際は団体信用生命保険に入るのが一般的です。団体信用生命保険では、契約者が死亡または高度障害になった際に保険金でローンの残債が全額弁済されます。また、万が一の場合には不動産の売却により多くの資金を手元に残せます。
【インフレに強い】
現金や預貯金などの金融資産と異なり、不動産は現物資産であるためインフレに伴って価格が上昇します。インフレ時にはものの価格が上がり、相対的にお金の価値は目減りしてしまいますが、不動産を所有しておくとインフレ対策になります。
【レバレッジ効果により大きなリターンを期待できる】
不動産はレバレッジ効果を活用した投資が可能です。レバレッジとは「てこの原理」を指しますが、投資の世界では少額の投資資金で、大きなリターンが期待できることを意味します。
不動産投資では、ローンを組むことで自己資金の何倍もの価格の不動産を購入し、投資効率を高められます。投資の世界において、ローンを組んで投資商品を購入できるのは不動産だけです。
不動産投資のリスク
不動産投資のリスクは以下の6つです。
- 空室リスク・滞納リスク
- 修繕リスク
- 流動性リスク
- 金利上昇リスク
- 不動産価値下落リスク
- 家賃下落リスク
【空室リスク・滞納リスク】
不動産を賃貸に出していたとしても、いずれ入居者は退去します。退去後に新たな入居者が決まらなかった場合や、入居者が家賃の支払いを滞納した場合は家賃収入が得られません。
家賃収入が得られない間もローンを返済する必要があるため、自己資金は豊富にあったほうが安心できます。
【修繕リスク】
建物や設備は時間経過とともに劣化や不具合を避けることができません。修理費用は基本的にオーナー負担になるため、急な支出に備えておく必要があります。
【流動性リスク】
流動性とは「交換のしやすさ」を指す言葉です。不動産は高額であるうえ権利関係も複雑であるため、株式などと比べると流動性が低く、売りたいときにすぐに売却できるとは限りません。とくに景気が悪いときは不動産投資をする人が少なくなるため、物件を売りにくくなる傾向があり、流動性リスクへの対策が求められます。
【金利上昇リスク】
金利上昇リスクとは金利の上昇によってローン返済額が増えるリスクです。変動金利を選択する場合は返済額が一定ではないため注意する必要があります。
【不動産価値下落リスク】
不動産の資産価値は多数の要因によって左右されますが、一般的に建物は築年数の経過によって価値が下がります。
また、人口減少による供給過多の状況や景気後退で土地の値段が下がることも不動産価値下落の要因です。
不動産の売却時に想定以上に価値が下落しているとトータルで損失になる恐れもあるため、売却のタイミングは慎重に判断しなければいけません。
【家賃下落リスク】
不動産価値下落リスク同様に、築年数の経過や近隣の不動産供給数によって家賃が下落します。通常は家賃が下落していく想定で収支計画を立てますが、想定以上に下がってしまうと計画が成り立たなくなる恐れもあるため、複数のパターンを考えておくなど対策が必要です。
iDeCo(イデコ)
iDeCoとは自分で決めた額(掛金)を積み立てて運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。
投資金額や投資先は自分で設定するため、投資に関する知識を身につけて優れた運用商品を見つける必要があります。
なお、iDeCoには加入資格が定められているため、加入条件を満たしているか確認が必要です。iDeCoに加入できる方は以下の通りです。
- 自営業者等(国民年金第1号被保険者)
- 厚生年金保険の被保険者(国民年金第2号被保険者)
- 専業主婦(夫)等(国民年金第3号被保険者)
- 国民年金任意加入被保険者
また、拠出限度額も加入する方の条件によって異なります。会社員の方であっても企業が確定拠出型の年金を実施しているかどうかによって異なるため、自身の拠出額を確認してみましょう。
iDeCoを始める場合は月々5,000円以上、1,000円単位で掛金を決めて金融機関へ申し込みます。
掛金が多いほど受給できる年金が増えて老後資金の確保に有利となりますが、現在の生活に負担をかけてしまっては本末転倒であるため、家計状況を踏まえた金額設定が大切です。
iDeCo(イデコ)のおすすめポイント
iDeCoのおすすめポイントは以下の3つです。
- 購入時に掛金が全額所得控除になる
- 運用時に利益が非課税になる
- 受給時に税制優遇がある
iDeCoは毎月の掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できます。たとえば毎月1万円をiDeCoで運用する場合、年間12万円が所得控除の対象であり、具体的なシミュレーションは以下の通りです。
iDeCoを利用しない場合(所得300万円・所得税率10%)
所得300万円 × 所得税率10% ー 控除額97,500円 = 所得税202,500円
iDeCoを利用する場合(所得300万円・所得税率10%)
(所得300万円 ー 所得控除12万円) × 所得税率10% ー 97,500円 = 所得税190,500円
iDeCoを利用すると1.2万円の節税効果があります。
ほかにもiDeCoでは運用益が非課税になるメリットがあります。金融商品の売買や配当で得た利益には約20%の税金が課されますが、iDeCoは非課税で再投資されます。
また、iDeCoは利益の受取時にも控除が適用されます。
- 一括受け取り:退職所得控除
- 分割受け取り:公的年金等控除
どちらの受け取り方がお得かは、会社の退職金とiDeCoの受給額の合計が退職所得控除の枠を上回るかどうかで決まるため、受け取る年齢になった際に考えましょう。
iDeCo(イデコ)のリスク
iDeCoのリスクは以下の3つです。
- 原則60歳まで引き出せない
- 価格変動リスクがある
- 年末調整や確定申告が必要になる
iDeCoはあくまでも年金制度の1つであり、原則として60歳までは引き出せないため、資金が拘束され万が一の際に利用できない点に注意が必要です。
また、ほかの投資同様にiDeCoにも価格変動リスクがあります。投資した商品が値下がりした場合は損失が発生するため、リスクの分散がおすすめです。iDeCoにも幅広い投資商品があり、比較検討すると資産運用の成功につながります。
なお、iDeCoによる税制優遇を利用する場合は会社員の方であれば年末調整、自営業の方であれば確定申告が必要であるため、適切に所得控除を受けたい場合は忘れずに手続きをしましょう。
REIT投資
REITとは投資法人が投資家から資金を集め、オフィスビルや商業施設などの不動産を購入する投資手法です。購入した不動産から得られる家賃収入や売却益などの収益は、出資した金額に応じて投資家に分配されます。
株式投資信託の投資先が不動産になったものと考えるとわかりやすいでしょう。
REITは不動産が証券化されたものであり、株式同様に証券会社を通じて購入します。REITを始める際は、本人確認書類などを用意したうえで証券口座を開設して運用資金を入金し、運用状況を確認して売買します。
なお、REITには複数の種類があり、主に以下の通りです。
- 住居特化型
- オフィスビル特化型
- 商業施設特化型
- 物流施設特化型
- ホテル特化型
- 複合型
- 総合型
種類によって安全性や収益性が異なるため、資産運用の目的に応じて選ぶ必要があります。
REIT投資のおすすめポイント
REIT投資のおすすめポイントは以下の4つです。
- 収益性が高い
- 手間がかからない
- 流動性が高い
- 分散投資できる
REITは不動産の収益に応じて分配金を得られる仕組みであり、株式投資信託の分配金と比較すると収益性が高い傾向があります。
なお、リスクとリターンは表裏一体の関係にあり、収益性が高い分リスクも高くなる点には注意が必要です。
REITは初期コストが低くはじめやすいうえ、投資法人が不動産を運用するため管理などの手間がかかりません。また、売却する際にも証券市場で取引できるため、流動性が高い特徴があります。現物不動産と違い売りたいときに売れるのがREITの強みです。
さらに、REITでは分散投資しやすいのも特徴です。複合型や総合型のREITに投資する方法もありますが、自分で住居特化型REITやオフィスビル特化型REITを組み合わせられるため安心度が上がります。
良い投資先を選ぶことで長期的に安定した収益を期待できます。
REIT投資のリスク
REITのリスクは以下の5つです。
- 自然災害リスク
- 賃料・地価の下落リスク
- 投資法人の倒産リスク
- 元本保証ではない
- 金利変動リスク
REITは不動産を証券化したものですが、投資法人は現物不動産に投資しているため、自然災害などで不動産が被害を受けた場合は収益が下がり分配金が減る恐れがあります。同様に築年数の経過や経済情勢の変化によって賃料や地価が下落した場合も、分配金が減る可能性があります。
また、投資法人そのものが倒産してしまう可能性がある点も注意が必要です。投資法人が倒産した場合、投資先の不動産を売却して投資家のもとに資金が戻ってくる可能性もありますが、保証はされていません。
あくまでも投資であり、元本保証はされていないことを前提に行動しましょう。
さらに金利が上昇した場合、REITの資金借り入れコストも上昇するため、収益性が下がる傾向があります。
債券
債券とは国や地方公共団体、企業などが資金を借り入れるために発行する有価証券です。国が発行すれば国債、地方が発行すれば地方債、企業が発行すれば社債と名前が変わりますが、同じ機能を有しているものと考えましょう。
投資家は債券を購入して企業にお金を貸すと満期までの期間、利息を受け取れます。株式の場合は株の購入により企業の株主となり、経営に対して意見を述べられますが、債券はあくまでもお金を貸すだけです。
また、債券は株式よりも比較的値動きが安定しているため、キャピタルゲインによる収益を狙うにはあまり適していません。
債券のおすすめポイント
債券のおすすめポイントは以下の2つです。
- 元本確保がある
- ローリスク・ローリターンで運用できる
国債や政府保証債が元本確保型の債券であり、元本確保とは満期時に投資金額が満額で戻ってくる金融商品を指します。
元本確保型の債券は満期まで保有すると投資金額が払い戻されます。債券は満期を迎える前に売却できますが、時価で換金され元本割れするリスクがある点には注意が必要です。
債券は基本的に満期で投資金額が払い戻されるうえ、ほかの金融商品よりも価格変動が少ないためローリスク・ローリターンで運用できます。
債権のリスク
債券のリスクは以下の3つです。
- 価格変動リスク
- 流動性リスク
- デフォルトリスク
債券は株式などと同じく証券市場で取引できるため、市場金利の変動により債券価格が変動します。一般的に債券の償還までの期間が長い債券(長期債)や、低い利率の債券(低クーポン債である)ほど価格の変動が大きい傾向があります。
また、債券にも流動性リスクがあります。発行量の多い債券や信用力の低い債券は買い手がつきにくく、希望価格で売却できない可能性も想定しておきましょう。
さらに、ローリスク・ローリターンといわれる債券であってもデフォルト(債務不履行)のリスクがあります。「債券の利子や元金が支払い不能になる」や「支払いが遅れる」などの具体例が挙げられ、信用度が低い債券ほどリスクは大きくなります。
「債券であれば安心」と考えるのではなく、投資先の信用度や財務諸表などを確認して投資しましょう。
資産運用を始めるメリット
資産運用を始めるメリットは多くあり、主に以下の3つです。
- 物価の上昇に対応できる
- 老後資金を増やせる可能性がある
- 経済知識が得られる
次の項目ではそれぞれのメリットを詳しく解説します。
物価の上昇に対応できる
資産運用をすると物価の上昇に伴い資産価値が増加するため、インフレに対応可能です。
インフレではものの価格が上がり、相対的にお金の価値が目減りします。たとえば1つ100円で販売されているものは1,000円あれば10個購入できますが、1つ200円になると5個しか購入できません。
資産をすべて現金や預貯金で保有しているとインフレ時に資産が増えず、生活が苦しくなってしまいます。とくに昨今は金融緩和によるインフレが発生しており、将来的にさらなる物価の上昇も考えられます。数十年後に現在と同じ資産価値があるとは限らないため、将来に備えて資産運用で対策を取りましょう。
老後資金を増やせる可能性がある
長期的な目線で見ると世界経済は右肩上がりに成長するため、資産運用をすると老後に向けた資産を増やせる可能性があります。また、複利で運用する商品に投資する場合、長期間投資をしたほうが資産を増やしやすいため、若いころから始めることで得られるリターンが大きくなります。
たとえば月2万円を年利3%で10年間運用すると最終運用金額が約279万円(元本240万円、運用収益39万円)です。一方で20年間運用した場合の最終運用金額は656万円(元本480万円、運用収益176万円)であるため、資産運用は早くから始めるとメリットが大きいです。
なお、生涯における資産の推移は、退職までの資産形成期と退職後の資産取り崩し期に分類されます。
現代では平均寿命の伸びによって資産取り崩し期が長期化し、資産が尽きる状況が懸念されているため、資産形成期のうちに対策したほうが良いといえます。
経済知識が得られる
少額であっても資産の評価額の変動を体感すると自然と経済動向に関心が湧くため、資産運用は経済知識を得るきっかけになります。
株式投資や投資信託、不動産など、どのような投資対象であれ、投資先を選ぶ際は経済知識をれ身につけて取り組まなけばなりません。経済知識が得られると、自身の資金管理や老後資産の見直しなど、投資以外の体験にも役立ちます。
資産運用を始めるデメリット
資産運用を始めるとさまざまなメリットがある反面、以下のようなデメリットも存在します。
- 収益を得るまでに時間がかかる
- 投資して得た資金をすぐに引き出せない可能性がある
- 元本割れのリスクがある
次の項目では資産運用を始めるデメリットを詳しく解説します。
収益を得るまでに時間がかかる
インカムゲインの資産運用はまとまった収益を得るまでに時間がかかります。たとえば月2万円を年利3%で運用する場合、1年後の運用収益は3,000円ほどです。
何もしないよりはお金が増えていますが、資産運用のリスクを取っているリターンとしては満足できない方も一定数います。しかし同じ運用を10年続ければ、運用収益は約39.5万円にまで増えて大きな利益が生まれます。
短期間の売買を繰り返してキャピタルゲインを得る方法もありますが、投資の上級者向けであるため初心者にはおすすめできません。
損失のリスクを減らすには短期間で収益を得ようとするのは望ましくなく、世界の経済成長に身を任せてコツコツと積立運用を続けるのが大切です。
資産運用で得た資金をすぐに引き出せない可能性がある
資産運用で得た資金は「すぐに引き出せない可能性がある」「そもそも現金化が簡単に行えない投資商品も存在する」などの点に注意が必要です。
たとえばiDeCoで利益が出ていたとしても、原則として60歳までは引き出せません。また、不動産は流動性が低いため、現金化したいタイミングですぐに売却できるとは限りません。
タイミングによっては想定していた金額より少ない額しか受け取れない可能性もあるため、どのタイミングで現金化できるのか事前に把握しておく必要があります。少なくとも半年分程度の生活費は預貯金で確保し、余剰資金を資産運用に回すのがおすすめです。
元本割れのリスクがある
投資商品は景気や経済の流れによって価格が変動し、良いタイミングであれば右肩上がりに推移しますが、景気後退のタイミングでは元本割れするまで下落してしまうケースもあるため注意が必要です。
とくに株式や投資信託は経済の影響を受けやすい投資商品です。リーマンショックやコロナショックのように世界的な経済危機を受けて価格が下落する可能性を踏まえて投資する必要があります。
資産運用を始める際に押さえておくべきポイント
資産運用で大きな損失を出さないためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 目的を明確にする
- コストを意識する
- 長期運用の重要性を理解する
- 資産を分散する
- 投資時期を分散する
次の項目では資産運用を行う際に押さえておきたいポイントを解説します。
目的を明確にする
資産運用の方法は複数あるため、目的が明確でなければ自分に合った方法を選択できません。
たとえば毎月のキャッシュフローを良くしたい場合、配当金が受け取れる株式投資や家賃収入が得られる不動産投資がおすすめです。一方で、老後に備えたい場合は再投資型の投資信託を選ぶなど目的によって最適な方法が異なります。
運用方針が定まれば利用する投資商品もおのずと決まるため、自分に合った資産運用の選択に向けてまずは目的を明確にしましょう。
コストを意識する
資産運用は長期で行うものであり、少しの差が後々大きな差に広がるため支出コストを意識する必要があります。
具体的には投資信託の販売手数料や信託報酬への意識です。販売手数料や信託報酬は金融機関によって異なるため、金融機関を比較検討して投資効率を高める必要があります。
同じ効果が期待できる金融商品でも、選ぶ商品や方法によってかかる費用に何倍もの差が生じてしまうため、資産運用で大きなリターンを得るにはコストを意識した運用が大切です。
長期運用の重要性を理解する
資産運用では長期運用の重要性を押さえ、時間を味方につける必要があります。
資産運用のベースは長期投資であり、すぐに資産を大きく増やそうと考えるよりも徐々に時間をかけて資産を成長させていくほうが損失は生まれにくいです。資産運用では複利の力がはたらくため、長期間の投資によって着実に資産を増やせます。
短期間で大きな利益を得るケースに憧れる方は多いですが、ハイリスク・ハイリターンの投資になるため初心者にはおすすめできません。長期投資を前提にコツコツと資産を増やしていきましょう。
資産を分散する
資産運用では資産を分散すると万が一の場合のための備えになるため、特性の異なる分野に投資先を分けるのがおすすめです。1つの資産に集中投資してしまうと、投資している資産が下落した際に大きなダメージを受けてしまいます。
たとえば1つの企業の株に集中投資した場合、倒産すると資産価値がゼロになります。リスクを避けるためにも投資信託や債券、不動産、REITなど商品のジャンルを分けた資産運用がおすすめです。
投資時期を分散する
資産運用は投資時期を分散すると平均購入単価をおさえられます。
たとえば毎月固定で10,000円分の投資信託を購入すると、価格が高いときは購入量が少なくなり、価格が安いときは購入量が多くなります。購入時の平均単価は必然的に相場の平均価格に近づき、高値づかみを避けられる可能性があるため投資時期の分散は大切です。
なお、常に一定金額を定期的に購入する方法は、投資の専門用語でドル・コスト平均法といいます。
年代別のおすすめ資産形成・資産運用
資産運用の種類や押さえておくべきポイントがわかったところで、年代別のおすすめ資産形成や資産運用方法を紹介します。自身の年齢に合った運用方法を知り、具体的な計画を立ててみましょう。
20代におすすめの資産形成・資産運用
20代におすすめの資産形成・資産運用は、インデックスファンド(指数連動型投資信託)です。
20代はほかの世代に比べて所得や預金が多くない傾向がありますが、ほかの世代よりも若く老後までの時間が長いため、複利をはたらかせた効率的な投資ができます。
インデックスファンドは運用コストが低く、安定した利益が魅力の投資方法です。特定企業の株式と異なり、日経平均株価などの指数に連動して価格が動くため、大きな損失を抱える可能性も低いといえます。
また、若いころからiDeCoでインデックスファンドに投資すると節税効果も高くなります。ただしiDeCoで得た利益は原則60歳まで受け取れないため、長期間資金が拘束されてしまう点には注意が必要です。
30代におすすめの資産形成・資産運用
30代におすすめの資産形成・資産運用は、短期と長期投資の組み合わせです。
30代は結婚や出産、住宅の購入などライフイベントが多いため、すぐに現金化できる資産と老後を見据えた長期的な資産の2つを所持しておく必要があります。たとえば、老後資金のための不動産投資と、いざというときにはすぐに現金化できる投資信託等を組み合わせ、思わぬ出費にも対応できるように備えておくと安心です。
投資信託は流動性が高く、現金化しやすい特徴があります。一方で、不動産投資は流動性が低く現金化するのに時間がかかる資産ですが、属性が良ければ自己資金が少なくても多くの借り入れが可能であり、定年までにローンを完済する計画を立てられます。
不動産投資はローンを完済した後は、家賃がそのまま収入になるため老後の不労所得に適しています。また、ローン完済後に売却することでまとまった収益を得ることも可能です。
40代におすすめの資産形成・資産運用
40代におすすめの資産形成・資産運用は、自己資金の額によって異なります。40代は労働収入を得られる期間が残されていますが、20代や30代に比べるとリスクを取りにくくなっています。
仮に資産運用で大きな損失を出してしまうと、老後を見据えた資産形成に大きく出遅れてしまうため、40代の方は自己資金の額に応じて最適な方法を考えなければいけません。
ある程度資金に余裕がある方の場合は、収益性の高い株式投資や不動産投資がおすすめです。仮に損失が発生したとしても、余裕資金の範囲内であれば老後の生活に大きな支障は出ないため、収益性の高い商品に投資して資産取り崩し期に余裕を生み出せます。
しかし資金の余裕がない場合は老後資金に支障が出る恐れがあるため、積立型の投資で低リスクな運用を心がけましょう。NISAやiDeCoを活用すると節税メリットも得られます。
50代におすすめの資産形成・資産運用
50代におすすめの資産形成・資産運用は、安全性の高い投資信託や個人年金保険です。
50代は資産形成・資産運用で失敗した際のリスクが大きい年代です。多額の投資をして損失が発生した場合は、老後資金問題に直結してしまいます。
労働収入を得られる期間も長くないため、「つみたてNISA」や「iDeCo」「個人年金保険」で節税メリットを享受しつつ、リスクの少ない資産運用がおすすめです。
つみたてNISAは運用益のみ非課税ですが、iDeCoであれば掛金と運用益が非課税の対象です。また、個人年金保険も保険料控除の対象になり節税効果を得られます。
個人年金保険であれば契約時に将来受け取れる金額がわかるため老後の計画も立てやすく、個人年金保険料控除の対象になり節税効果もあるため安心といえます。
資産運用を始めるなら不動産投資がおすすめ
これまで資産運用をしたことがなく、どの方法を選ぶべきか迷っている方は不動産投資を検討してみましょう。
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンで、安全性と収益性のバランスが良い投資方法です。自己資金が少ない方でも、ローンを活用すれば少額の資金で始められます。
とくに会社員の方の場合、不動産投資はおすすめの資産形成手段です。安定した収入があり、個人事業主などに比べ属性面で金融機関から高評価を得られる可能性が高いため、融資の審査でも有利です。
また、不動産投資は管理会社に管理を委託すると手間をかけずに運用できるため、本業に支障をきたさずに資産運用できます。収益物件を選ぶ際には、賃貸需要が高く家賃下落リスクの低い東京圏の中古物件がおすすめです。
自分一人で物件を選ぶのは難易度が高いため、不動産投資に失敗しないためにも、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。
まとめ
年金をしっかりと受給できるかわからない現代において、資産運用には重要な役割があります。
資産運用初心者の場合、最初から大きなリスクを取るのはおすすめできないため、まずはローリスク・ローリターンの投資、もしくはミドルリスク・ミドルリターンの投資から始めて確かな知識と経験を身につけましょう。
おすすめの投資方法は、安全性と収益性のバランスに優れた不動産投資です。不動産投資であれば、月々のキャッシュフローの改善と老後を見据えた資産形成のどちらにも対応できます。
不動産投資では、信頼できる専門家のパートナー選びが何よりも重要です。不動産投資セミナーなどに参加すると専門家に相談できる機会があるため、不動産投資を検討したい方はぜひ参加してみましょう。
ファミリーコーポレーションでは不動産投資に関する各種セミナーや個別相談を行っております。不動産投資での資産運用を考えている方は、ぜひファミリーコーポレーションにお問い合わせください。