アパート投資が「手堅い」「おすすめ」と評価されている理由
目次
不動産投資には、「区分マンション投資」「一棟マンション投資」などさまざまな手法がありますが、特に「手堅い」「おすすめ」とされることが多いのは「アパート投資」です。アパート投資が評価される理由は、リスク分散が可能な点や、節税効果が高い点などにあります。
この記事では、アパート投資が高く評価される理由とともに、どのような方にアパート投資が向いているのか、注意したい失敗例なども含めて解説します。
アパート投資とは?他の収益物件との違い
アパート投資とは、アパートを一棟購入し、賃貸運用する投資手法のことです。
一棟アパートは住戸が複数あることで空室リスクの分散ができる点や、利回りが高い点がメリットです。また木造アパートは減価償却費を大きくとることができ、所得税・住民税の節税効果が高いことも特徴です。
アパート投資が高く評価されている理由
不動産投資の指南本などを読むと、「区分マンション投資よりもアパート投資のほうがよい」とされていることが少なくありません。このような評価は、アパート投資は区分マンション投資よりも利回りやリスク分散などの面で優れているためです。以下で具体的に解説します。
資産形成がしやすいから
アパート投資は区分マンションに比べ、一度に大規模な資産形成が可能です。資産規模を拡大していくにあたり取引や管理の手間がかかりづらいのが特徴です。
規模の大きな資産運用をすることで、毎月の利益も大きくなるため、その収入を投下し次の物件を購入することも可能です。
また、アパートはマンションと違って郊外に立地している物件も多いものです。都心の物件より安価なものも多いため、購入しやすい点が利点といえます。
空室リスクを分散できるから
1戸の区分マンションは空室が発生すると即座に「空室率100%」となり、利益を得られなくなります。その点、アパート投資は1部屋の空室が発生しても、他の部屋に入居者がいれば、家賃収入は途絶えません。
空室率次第ではありますが、余程のことがない限り、入居者が一斉に退去し「0」になることは考えにくいでしょう。このように、リスク分散できる点はアパート投資の大きなメリットです。
節税効果を期待しやすいから
不動産投資に関するメリットとして節税効果が挙がることは多いものの、実際に節税効果を得られるかどうかは不動産の構造(木造やRC造など)に左右されます。RC造の区分マンションは、減価償却期間が47年と長いことから、節税にはあまり向いていません。
一方で、木造住宅の減価償却期間は22年と他の構造と比べると短いため、、木造アパートは特に節税効果を期待できます。22年を経過している(法定耐用年数を超える)木造物件の減価償却費は「法定耐用年数×20%」で計算するため、最短4年で償却可能です。
節税によって手元に残る現金を増やすことができれば、急な修繕や空室発生時の収益減などにも備えられます。賃貸運用と並行して不測の事態に備えられるのは、アパート投資の大きなメリットです。また、2棟目の物件購入へ向けた頭金を貯めるのにも有効です。
アパート投資に向いている方の特徴
不動産投資の中でもアパート投資に向いているのは、収入や資産状況に余裕のある方です。また、本業が忙しい方にも向いている傾向があります。以下で具体的な理由を解説します。
高年収である
所得税は累進課税制度であるため、年収が高い方は相応の税負担があります。例えば課税所得が900万円を超える方の所得税は33%、1,800万円を超える人は40%で、住民税を合わせると稼ぎの半分ほどを納めなければなりません。
そのような方にこそ、減価償却費を大きく取ることができ、節税に適している中古アパート投資のメリットを享受できます。
豊富な金融資産がある
金融資産とは、貯金や株式などのことです。流動性の高い金融資産を豊富に持っている方は、急な入用にも対応できる安定性があります。例えば災害による急な修繕が必要になっても、スピーディーに対応できるでしょう。
ローン審査においても、金融資産がある方のほうが有利です。融資期間や金利等、融資の条件が良くなる可能性もあるでしょう。
本業が忙しい
本業が忙しく、投資に使える時間を思うように捻出できない方は、資産形成をしやすい上に手間がかからないアパート投資が向いています。区分マンションでは資産規模が小さく、複数展開しようとしても物件購入の手間は省けません。
物件を管理する範囲は一棟アパートのほうが多いですが、信頼できる管理会社に任せれば問題ないことがほとんどです。トラブル発生時などに1度で対応できるメリットもあります。投資に使える時間が限られている方こそ、効率的に運営できるアパート投資がおすすめです。
アパート投資は新築より中古物件がおすすめ?
アパート投資といっても、投資先が新築か中古かによって、メリットとデメリットは異なります。最も大きなポイントは物件価格と利回りに関連するものです。例えば新築アパートは入居者からの人気が高い一方で、物件価格が高く、利回りは低い傾向にあります。新築と中古のどちらを購入するか判断するには、自分がどのメリットを優先するかを決めましょう。
新築アパート投資のメリット・デメリット
新築アパートに投資するメリット・デメリットはそれぞれ以下の通りです。
メリット | デメリット |
ローン審査で有利 | 価格が高く利回りが低い |
入居者が入りやすい | 新たに入居付けをする必要がある |
数年間は修繕が発生しにくい | 1年あたりの節税効果が薄くなる |
アパートに限った話ではありませんが、新築物件は資産価値が高いと判断されるため、ローン審査で有利になります。また、建物や設備が新しければ、しばらくの間は修繕が発生する確率も低いでしょう。
一方で、新築は入居者がいない状態からのスタートとなり、入居者を募集するところから始めなければなりません。本当に入居者が入るのか、「やってみないと分からない点」は、新築アパート投資のデメリットの不安要素といえます。
中古アパート投資のメリット・デメリット
中古アパートに投資するメリット・デメリットはそれぞれ以下の通りです。
メリット | デメリット |
価格が安く利回りが高い | 人によってはローン審査が厳しい |
賃料が下がりにくい | 新築と比較すると入居者からの人気が低い |
節税効果が高い | 修繕リスクが高い |
中古アパートは高利回りで節税効果が高いなど、金銭面のメリットが大きくなっています。また、新築アパートは「新しいこと」に価値がありますが、中古アパートは元より中古であるため、賃料の下落幅は小さいといえます。購入時点で賃料が下がりきっているケースも多いです。
ただし、建物や設備が古くなる分だけ修繕発生のリスクも高くなるのはデメリットです。
アパート一棟の購入費用はいくらかかる?
アパートは立地や築年数、建物の管理状態などが物件によって異なるため、一概に必要な金額を示すことはできません。しかし、『健美家』や『楽待』など、収益物件を扱うポータルサイトを見れば、物件価格の見当をつけることは可能です。また、首都圏の良質な中古物件を探すのであれば、アパート投資専門サイトでも多数掲載しています。
なお、購入費用の他に、以下の諸費用も必要です。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記費用
- 不動産取得税
- 融資手数料(ローンを利用する場合に限る)
- 火災保険料
上記の諸費用は、合計して物件価格の7%程度を見込んでおくとよいでしょう。
アパート投資を始める5つの手順
アパート投資を成功させるためにも、自身での積極的な調査や入念な準備が欠かせません。不動産会社からアドバイスを受けることはあっても、最終的に決めるのは自分です。最初の一歩からつまづかないよう、アパート投資のはじめ方・手順を知っておくとよいでしょう。
1.投資目的を再確認する
アパート投資によって享受できるメリットは複数ありますが、物件ごとに強みは異なります。目的とするメリットと、物件の強みを一致させることが必要です。以下の中でどれを優先したいのか、今一度考えましょう。
- インカムゲイン:継続的な家賃収入
- キャピタルゲイン:物件売却による売却益
- 節税:減価償却の仕組みを活用した節税
2.実績のある不動産会社に相談する
アパートを取り扱っている不動産会社は多数ありますが、会社によって扱っている物件数や実積が異なります。より良い物件情報を手に入れるためには、実績豊富な不動産会社を選ぶことは非常に重要です。
アパート投資の目的を明確化し、希望に近い物件を多く取り扱っている不動産会社を選びましょう。相談後も不動産会社に丸投げするのではなく、自分で物件のエリアや特徴などを調べることが大切です。
3.具体的に物件を検討する
希望の条件を不動産会社に伝えることで、具体的な物件を紹介してもらえるようになります。もちろん、紹介されたからといって購入しないといけないわけではありません。気に入った物件でなければ、具体的な手続きは進めないようにしましょう。営業スタッフが「良い物件だからすぐに売れてしまいますよ」などと教えてくれることもありますが、営業トークの可能性もあります。
ただ、良い物件はすぐに購入希望者が現れることも事実です。自分の中できちんと基準を設け、設けた基準に達していれば「検討に値する物件」とし、さらに検討を重ねましょう。
4.物件購入の契約・決済をする
希望に見合った物件が見つかったら、買付申込書を提出します。値下げ交渉などをしたい場合は、ここで交渉することも可能です。むやみに交渉するのではなく、不動産会社の担当者と相談した上で決めるとよいでしょう。
売買契約の締結と手付金の送金が済んだら、ローンを申し込む金融機関を選び、ローン審査に入ります。印鑑証明書などさまざまな書類が必要になるため、滞りなく手続きを進めるためにも、あらかじめ用意しておきまでしょう。物件の鍵を受け取って所有権登記まで済んだら、購入に関する手続きは完了です。
5.管理会社を選び入居者を募集する
購入手続きが完了すると、入居者の募集や物件の管理にあたって、管理会社を選ぶことになります。自主管理で運営するのであれば必要ありませんが、本業が忙しい方や不動産投資が初めての方は、管理会社の利用をおすすめします。
物件の種別によって必要なノウハウは異なり、管理会社の実績や品質はさまさまです。アパート投資をする際は、アパートの管理実績を積んでいる会社を選びましょう。管理会社の品質は入居者募集の成否にも大きく関わるため、慎重に選定する必要があります。
アパート投資でよくある失敗例
ここからは、特に初心者が陥りがちなアパート投資の失敗例について解説します。失敗しないために有効な対策は、物件の購入前に念入りな調査・確認をしておくことです。低価格・高利回り・築古物件などを検討する場合は特に、事前の調査・確認が重要なポイントになります。
利回りを重視しすぎた
利回り重視で物件を選んだ結果、空室がなかなか埋まらずに失敗してしまう事例は少なくありません。地方や郊外の物件は物件価格が安く利回りが高くなる傾向があります。
しかし、ネットなどに出ている利回りは満室を想定した利回りであるため、「本当に入居者が集まるのか」「空室率は許容できる範囲か」なども含めて物件を選ばなければなりません。「高利回りの物件=良い」と決めつける前に、なぜ利回りが高いのかを分析することが大切です。
想定していたよりも修繕費用がかかった
物件を購入してから、想定以上に修繕が必要だと判明することがあります。修繕費用がかさむ物件を購入してしまうと、家賃収入を得ても手元に残らず、経営が苦しくなります。
築年数が経過している物件を購入するなら、「修繕費用は当然かかるもの」と考えた上で資金計画を立てましょう。購入前に不具合や不具合につながりそうな箇所を特定する「インスペクション」と呼ばれる調査を依頼するのも有効です。
まとめ
空室リスクの分散や節税効果といった面を比較すると、アパート投資は区分マンション投資よりもメリットが多いといえます。ただし、アパートごとの個性(造りや前オーナーのこだわり)が強いため、購入にあたっては事前の調査・確認が重要です。また、パートナーとなる不動産会社選びも大切になるため、アパートの売買・管理実績が豊富な不動産会社を選びましょう。
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